ナナタニッキ

ナナタニのニッキだからナナタニッキです。

陰日向に咲く

2007年04月19日 | ミル ←(・ω・。) ジーッ
ホームレスに憧れる人生に疲れたサラリーマン。
マイナーなアイドルを追っかけることに人生のすべてを捧げる青年。
カメラマンになるのが「一応」夢という20歳の頭のイタイ女の子。
ギャンブルとキャバクラが好きで借金まみれの35歳独身男。
売れない芸人を好きになって上京した女の子。


この5人が自分たちの出来事を語っていく短編集です (=゜ω゜)ノ
オムニバスになっているのでどこから読んでもOKですが、最初から読んでほしいです。
主人公たちは誰かとどこかで繋がっていて、5つの話がグルグル回っているのです。

弱っちくて、おバカさんで、いつもやることが空回りしちゃうダメ人間たち。
不器用だけど一生懸命生きている主人公たちが、可愛らしく思えてくるのです。

どの話もとてもよかったです。

最初の話『道草』で「自由に憧れていたのではなく、自由に憧れる人に憧れていたんだ。」という台詞は納得しました。
自由でいることもラクじゃないんですね (ー公ー)シミジミ

二つ目の話『拝啓、僕のアイドル様』。
追っかけているアイドルのために掲示板やファンレターを必死に書く様子は笑ってしまうのだけど、一緒に応援したくなっちゃいます。

その次の『ピンボケな私』に出てくる女の子は、種類を間違えて買ったメモリーカードをデジカメに入るようにガリガリと削ってしまうのです ∑( ̄□ ̄;)!!
信じられないけど、こういう女の子って身近にいそうだなぁって思えてしまいます。

『Over run』では、ギャンブル狂いの男の陳腐な発想にイラッときちゃうくらい夢中で読んでいました。
現実に起こっていることを細かく表現しているような臨場感がありました。

いちばん好きな話はさいごの『鳴き砂を歩く犬』です。
さいごの台詞「へへ。また会うよ。私、雷太のこと見つけるの上手なんだ。」
この言葉が大好きです。
無理やり話をまとめた感じがしますが、叶わぬ人を思い続けるひたむきさがよく分かります。

あっと言う間に読めてしまう本なので、1400円以上出して買うのもアレなので (^▽^;)
古本を買うか図書館で借りる、もしくは気合の立ち読み(2時間くらい)がよいと思います。

私はもう一度読みたくなったので、買って正解でした (*^^)v