笑う 七色 福来たる

盲導犬の訓練を終え、どうも犬となって帰ってきた七色。そんな七色と隊長のぐ~たらで楽しい訓練生活。 

新年度

2011-04-01 | 七色の日常
大震災から3週間が過ぎ、今日から新年度が始まった。



先日のこと。

娘の元に学校から郵便物が届いた。



 「 ささみじゃーきーでしゅか??それとも ちーずでしゅか?? 」


そんな七色の期待も空しく、

卒業証書が送られてきたのだった。

震災のため、

卒業式も謝恩会も、祝い事は全て中止となった娘の同級生達は、さよならも言えぬまま、それぞれの道へ歩いて行った。





 「 ささみと ちーず どっちにしようか まよいましゅね。 」


・・・・・・メニューかっ 


そして、

就職先の幼稚園から、ガソリンを用意していつでも来られる準備をしておくように言われたので、

いよいよガソスタに並ぶこととなった。

娘の軽自動車に残っていたガソリンは1メモリを切っていたので、並んでいる途中でガス欠になったら大変なので、

できるだけ、ガソリン消費を抑えなければならなかった。

また、何時間並ぶのか見当が付かなかったので、トイレに行きたくなった時のことも考え、

助手席に私が乗り、後部座席には役には立たないけど、外でもおしっこができる七色を乗せ、3人体制で臨んだ。




 「 やくには たたないけど そとでも しっこできる ななタンでしゅ 」



私達が行った時には、既に道路の1車線をガソスタ待ちの車が並び、それが大渋滞を引き起こしていた。

行けども行けども最後部が見えなかった。




ガソスタは遥かかなただった。


そんな中、

エンジンを切って並んでいたところに、

後ろから来た車にミラーを擦られた。 

ドン!! という音が聞こえたと思ったら、その車が逃げて行った。それを娘がボーっと見てるので、思わず隊長が、思いっきりクラクションを鳴らす。

その音に逃げられないと悟ったのか、それともびっくらこいたのか、逃げた車はUターンして戻ってきた。

そんなこんなもあったが、

ガソリンが買えると確信を持った頃には、心にも余裕ができ、ミラーを擦って逃げようとした人を、仏の心で許してあげた隊長だった。 





 「 どうみても おにの たいちょう でしゅけど 」



こうして、

今日から娘は幼稚園の先生となった。

しかも、3歳児のクラスの担任になった。  ・・・・・やれるのか??・・・・・いや やらねばなるまい。



勤務先の幼稚園への道が、地震で通行止めになっていたり、ガスがまだ復旧してないようですが、何とか今日から社会人になれました。
娘の友人には、震災で家を流され、避難所から着の身着のまま何も持たずに東京に行って小学校の先生になった子もいますし、実家も新車も流され、何もないまま被災地の小学校の先生になった子もいます。
2人共、人の痛みのわかる、生徒の心に寄り添った先生になってくれることでしょう。
超氷河期と言われた就職活動の後に大震災が起こり、今年の被災地の新卒者の子達は本当に大変だったことと思います。
でも、この逆境を乗り越えられたら、この先どんな困難にも負けない生きる力が備わるはずです。

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