今回の入院では、様々な温度差があるのを実感し、その1番は弟夫婦が実家の母親の「老化」に気がついていない事。
朝顔を合わせても仕事前で忙しいので、ほどんど口を利く暇もなく、帰ってきても義妹と二人の食事がほどんどで、黙々と食べるだけだそうで、弟は、週末も出かけることが多いので、2人とも、一緒に住んでいると言うだけで、ほとんど、母親と過ごす時間と言うのはないんです。
私は時々ドライブに連れ出した時に、歩みがおぼつかなくなってきたとか、認知機能の低下を感じるのですが、たぶん、弟たちは「しっかりした母親」のままの意識ではないかと思います。
とにかく、日中一人になるわけですから、すくなくとも、なんとか、トイレにはひとりで行けないと母親も困るわけで、いつまでも(というか、もう明日だぞ~)看護師さん頼りでは困りますよね。
弟たちはそんなことに気がついてもいないので、ここは、入院最終日になんとか、母親を動かさねばなるまいと、病室を訪ねた私は、まず、
「試しに松葉杖使ってみる?私のいる時に練習してみようか?」
母親、顔をそむけて(つうか、ベットに顔を押しつけちゃってます(;一_一))こっちを見ようともしません。
「そう?そんなに大変?」と試しに私が使ってみました。確かに片足で立って松葉つえを前に出すのは、片足立ちが出来なければ大変かもしれませんが、何秒かでも立てれば、松葉杖を前に出すのは特別力がいるわけではないので、歩行器の前をあげて前に出すよりも楽に感じます。
けれども、母親は横を向いたまま、「できないできない!」と叫んじゃってます(;一_一)
「そう?じゃあさあ、これ(歩行器)でトイレに行ってみようか?」
それも、「まだ、ひとりで出来ない!」と言い張り、
「でもね、もう、明日の午前中には退院するんだよ。せめて、トイレまでなんとか行けないと困るんじゃない?」
と言うと、母親「大丈夫。2階の声が下まで聞こえるから。」
私「???2階にいる人をベットから呼ぶつもり??2階から来てもらうの?
夜はどうするの?(母親は腸閉そくを起こしやすいので、下剤で便を緩くしているので、夜にも排便があることがある。少なくとも早朝には便通がある)寝ている人を起こして、そしてやっと来てもらって、移動してしゃあ、間に合わないんじゃないの?」
母親「じゃあ、帰ってからひとりで練習する。ならしてみる。」
私「今、私がいるから、やってみようか?」
母親「家に帰らないと出来ない。」
私「じゃあ、I子(義妹)さんか、I男(弟)に見てもらって練習しないとね。ひとりじゃ危ないでしょ?」
母親「ひとりでいい。下でならすとわかる。下のをしばらく使ってないから試しにならしてみる。」
私「???ならす???下でならす?(しばらく入院していて1階のトイレを使っていないから使ってみると言う意味か??)」
私が意味がわからずいろいろ聞き直すと、どうも、上と下を結ぶ呼び鈴かブザーがあるようで、それを鳴らす練習をして見ると言う意味でしたガク
いやあ、弟夫婦がトイレの介助をするつもりがあるなんてありえないし、ましてや夜中起こされてなんてしてくれるわけが無いんです。
ましてや、連休明けには、二人が帰るのは嫁さんが6時過ぎ、弟は9時過ぎでっせ。日中ひとりになるのに、トイレにひとりで行けなかったら、悲劇でっせ!
そんなことには全く思いが行かないようで、
母親「呼び鈴が鳴れば大丈夫だから。なんなら、2階に電話をするし。」
私「退院して丸1日で、ひとりで行けるようにならないといけないんだよ。たった、一日でひとりで行けるようになるのね?昼間ひとりなんだよ。どうするの?それにさ、連休明けの日に、リハビリだよね。私が早目に迎えには行くけど、中から鍵が開けられなかったら、私、入れないんだよ。お母さんが入口までこれなかったら、駄目なんだよ。わかってるの?
玄関まで歩行器で来ます。玄関の上り口の2段をひとりで降りて、玄関のカギを開けるんだよ。
それから、外階段を下りて(おろして)車に乗るでしょ?病院に着くよね?
病院の入口で降りるよね。車いすに乗って待っているでしょ?」
と言いかけると
「いい、いい。車から降ろしてくれたら、私ひとりで歩行器で診察券出して、順番取ってリハビリの部屋まで歩行器で行けばさ、あんた、その間に用事してくればいいよ。ついて来なくて大丈夫だよ。」
ひとりで、ベットから立てない、歩行器もひとりじゃ怖くて使えない。トイレにも行けない人が、病院の中のあの長い廊下をぽっこんぽっこんひとりで歩けると思ってます(;一_一)階段も登り降り、OKだそうです
呼べば来てくれると思っている。介助してもらわないとトイレにも行けないと言いながら、次の日には病院の中をひとりで移動できるという、この矛盾。
でも、本人は何の疑問も持たない、きょとんとした顔で、私の方を「何をよしこは言っているんだろう?」って表情で見ているんですよ。
ほへええ~~~
「まあ、とにかく歩行器使って、ひとりで立てるかやって見ようか?こんな畳んだまま置いても役に立たないからさ。ちょっと広げて使ってみようか?」
しばし、靴がどうだの、立つのに、ズボンがどうだの、言ってましたが、歩行器を広げて前に置いて、
「とにかくまず、立つコツだけでも覚えて行こうか?靴はいいから。」
「よくない!靴は○○の靴でないと、私履けない。その靴でないと立てない!」
「はいはい。じゃあ左足だけ、靴を履いて、立ってみようか?」
なだめなだめ、やっと、歩行器を使って立つってのをやってみました。
「じゃあ、少し前に進んでみようか?」
「だめだめ!前に出すのは怖い!」
「私が支えているから大丈夫だよ。少しだけ前に歩行器を出してみたら?」
「できないできない!ひとりで前に出しちゃいけないって言われた。」
「だからさ、ひとりじゃないでしょ?明日もう、ひとりでやらなきゃならないんだよ。今少しだけやってみよう」
と言っているところに看護師さん登場。
汗かきかきの必死の形相で、「今ね、娘がやって見ろって言うもんで、トイレにこれで行ってみろなんて言うもんで、仕方なくやってます。」って、たぶん助けを求めたんだね。でも看護師さん、にっこりして
「よかったですね。じゃあ、娘さんと一緒に歩行器で行って見ましょうか?」と車いすを外に出そうとすると母親、必死に「行きません、行きません!今、ただ、やれっていうから、立って見ただけだから、そこに車いす置いといて!!これじゃ、行きません!!」
結局、そのまま、ベットに座ってしまって、
「よしこ、じゃあ、これで(車いす)連れて行く練習して」車いすで連れて行く練習なんて無意味なんですけど~~と思いながら連れて行きましたよ。せめて自分で漕げっつうのと思いながらも、連れて行きましたよ。あっち向けろ、こうしろ、と支持されながらね。
「あのねえ、看護師さんはこういう風にやってくれるんだよ。じゃあ、ベットに行って、それで、下りる時はね…」と車いす介助のやり方を母親からご伝授いただきましたわ。
まあ、とにかく、ひとりでトイレに行くやり方を具体的に細かく教えて、リハビリの日には病院の中は私が付き添うから、ひとりで動かないようにと、釘をさし、まあ、どの程度わかったかわかりませんが、明日の退院時には弟夫婦に来てもらうので、後は、弟よ、頑張れ~~~
明日が楽しみじゃ!