なみへい☆ブログ

青春時代アタマが固すぎてはじけられなかった後悔から、今頃はじけようとあがくちょっと見苦しい日々の記録

夫が夫として生きるには

2012-11-04 22:15:19 | 日記・雑感
 今年6月、「重度障害者医療費助成の資格停止通知書」が夫に送られてきました。

 兵庫県が、「行革」のために、対象者の所得制限を所得の筆頭者から世帯合算に変えた影響です。私の所得などたかが知れていますが、共働きだと、超えてしまう。

 うちは外されてしまうなあと、覚悟はしていました。
 が、いざ通知を受け取ると目の前が真っ暗になりました。
 わたしに所得があるせいで夫が助成を受けられなくなってしまった……

 夫は、脊髄小脳変性症という難病です。人がバランスをとってまっすぐ歩行できるのは、小脳の働きですが、これが萎縮するので、歩行が困難になり、転倒しやすくなったり、ろれつがまわらなくなったりします(症状はさまざま)。いまのところ、ほんの少しの距離ならぎりぎり自力歩行が可能なので、がんばって仕事に行ったり、社会活動に参加したりしています。病気による肢体不自由で障害者手帳を取得し、数年前に程度の進行により「重度障害者」の認定になりました。

 夫の場合、病気そのものは、国の「特定疾患」に指定されているため、月に1回の診察とそのときもらう薬代は軽減されます。
 
 いま、「特定疾患」として難病医療費助成の対象になっているのは56疾患。数千種類とも言われている難病のうち、その病気の治療にかかる医療費や生きていくための費用がどんなにかかっても支援の対象にならず、「障害者」の対象にもならず、重い自己負担を強いられている患者さんがたくさんいます。

 対象を300疾患に「拡大」する方向が国で検討されていますが、数千種類とも言われている難病の患者を疾患名により助成対象を決める方向で、また、「重症度」による区切りが検討されているので、新たに制度の谷間におちいって救われない患者がたくさんでることが危惧されています。

 この点、「特定疾患」に指定されていることは、ある意味恵まれているのかもしれません。

 ただ、夫の場合は「病気の治療」にかかる費用より、病気のせいではげしく転ぶためのケガの治療にかかる費用が大きいのです。
 
 この2,3年だけでも、救急車には3回運ばれ、後頭部を縫ったのが1回、目のふちを縫ったのが1回、ひじの骨折が1回、足の指の骨折が1回、転んだ傷がもとでかかった蜂窩織炎が2回でそのうち1回は1週間の入院。
 
 こういう費用について、県の「重度障害者医療費助成」が受けられ軽減されてきたのですが、これからはすべて3割負担がかかるのです。転ぶせいで、しょっちゅうズボンも靴下も破れるし、キズ薬や包帯にもお金がかかる中、医療費だけは助かっていたのに。

 ケガをするな、医者にかからないようにせよ、と言われても、夫が転倒するのは病気のせいだから避けられない。ケガしたくてしてるわけではないんです。ケガをしないようにするには、仕事もほかの外出もやめ、家にひきこもってじっといるしかありません。夫に社会生活を営むなということになってしまう。

 夫が夫として、その人がその人として、生きるには。

 まずは、いままで対象になっていたのに、症状も生活への支障具合になにも変わらないのに、対象から外した「県行革」(と、独自に助成を続けている市町もあるなか、そうでない居住市)にはやっぱり強く抗議したい。

 そして、疾患名・「重症度」で支援対象を区切る制度でなくて、必要な人が必要な支援を受けられる制度をもとめていきたい。

 と同時に、「助成」を受けられる場合とそうでない場合のギャップが激しすぎるんではないか。医療費でいうと3割の自己負担は、持病がない人にもあまりにも重すぎる。
 
 そういうことを考えている毎日です。

 

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1 コメント

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ほんとうにヒドイことです。 (赤と青)
2012-11-04 23:20:22
 兵庫県の「重度障害者医療助成」制度を、とりあえず、県「新行革」以前に戻すために必要な予算は、たった(あえて「たった」と言わせてもらいたい)2億9千5百万円だそうですね。
 ※http://hyogo.jcp-giin.net/tokubetu/2012y0701.shtml

 もちろん、なみへいさんがおっしゃるとおり、医療費の「助成」や「自己負担」のあり方そのものに大きな問題があると、私も思います。国政全体の大きな問題です。

 それにしても、例えば、兵庫県では悪名高い「パナソニックへの企業立地補助」の県予算は23億7千万円。ムダづかいの象徴=神戸空港や但馬空港などの県予算は8億1千2百万円。やめるはずの「」行政の県予算は4億9千9百万円。・・・
 わが兵庫県は、いったい何をしているのか!悔しく、なさけなくなってしまいます。

 なによりも、いのちや暮らしを大切にする政治を実現したいです。
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