入試に出る!!時事ネタ日記

現役の社会講師が最新の時事問題をコメント付きで紹介します!

中学入試の時事問題にチャレンジ~芝中学~

2007-04-16 11:11:15 | 社会

今日は芝中学です。東京タワーの麓にある伝統ある男子校です。隣にある華やかな(派手な?)正則高校とは対照的な落ち着いた雰囲気ですね。

次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。

「ホワイトバンド」と呼ばれるプラスティック製のリストバンドが流行しました。これを売り出した団体によると,「『貧困をなくす政策をみんなで選択する』意思表示」なのだそうです。この運動は,売上の一部を恵まれない人たちに寄付することを直接の目的としたものではありません。そのことがまちがった理解をされてしまうおそれもあり,現実にこの運動に疑いをもつ意見も少なくありません。

しかし,世界のなかには貧困に苦しむ人がいるということに思いをはせるきっかけをあたえてくれるものではないでしょうか。たとえば,15歳以上の人口に対する日常生活の簡単な内容についての読み書きができる人口の割合,いわゆる識字率について考えてみましょう。日本の識字率は99.8%です。日本では、憲法25条の「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という理念のもとに( 1 )年間の義務教育がおこなわれています。子どもたちには教育を受ける権利があり、保護者には(2)子どもに教育を受けさせる義務があることを定めているため・読み書きや計算など,生活に必要な,そして生活を豊かにしてくれる能力が身についているのです。

しかしアフリカにあるベナン共和国の識字率は39.8%です。その他,アフリカでは,セネガル共和国で41.O%,エチオピア連邦民主共和国で41.5%,コートジボワール共和国で48.1%,またアジアでは,バングラデシュ人民共和国で41.1%,ネパ一ル王国で48.6%,さらに中東のイエメン共和国で49.O%と,識字率が50%に満たない国が7カ国あります(ユネスコ統計2004年版による)。読み書きのできない人は,本を読むなどの文化的な生活ができないばかりでなく,就職の機会に恵まれないため,貧しい生活をしなければなりません。さらに,それが原因で子どもを学校に通わせられず,子どもも読み書きができないという悪循環が生まれてしまうのです。また,戦争のときにうめられた地雷が残っているような地域では,「危険 立ち入り禁止」という立て看板が読めないばかりに,毎日数十人の人が手足を失っているとのことです。これらのことを考えると,貧困そのものの苦しみだけでなく,貧困によってもたらされる苦しみがあるということがわかるでしょう。

日本は,物質的にも文化的にも豊かな国と言えるでしょう。その豊かさの恩恵を受けることは決して悪いことではありません。ただ,そればかりでなく,わたしたちと同じ時代に生きていながら,こうした問題をかかえている人がいることに目を向け,その状況が少なからず改善することを望む気持ちをもちたいものです。募金や寄付をよせることも重要ですが,この問題の解決や改善を国の政治のあり方に求めていくためには,わたしたち一人ひとりが,問題解決への望みを意思表示し,それを多くの人の意見に成長させていくことが大切なのではないでしようか。

問1 文中の空欄(1)にあてはまる数字を答えなさい。

問2 下線部(2)について,このほかに日本で国民の義務とされていることを2つ答えなさい。

☆解答は当教室HPの「先生教えて」掲示板にupしますので、こちらもご覧下さい。
http://tokkun.net/jump.htm
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