BOYSCOUT TROOP74, NAGOYA, AICHI, JAPAN

ボーイスカウト名古屋第74団のブログです。
各隊のプログラム、活動報告、コラムなどを掲載しています。仲間になろうよ!

Do a Good Turn Daily vol.35

2006年05月12日 | コラム:日日の善行


 班長。今度のキャンプファイアのスタンツどうしますか??

 ん~。困ったなぁ。隊長は“仲間”がテーマだっていってたけれど。何かいいアイディアある???

 あ…あのぉ…僕が好きなBump of Chickenの曲、すっごく詞がいいから参考にしてください…




   ダンデライオン


 主人公のライオンは、サバンナの嫌われ者です。
 だから、いつも一人ぼっち。

 ある時、ライオンはつり橋を渡り、そこで太陽によく似た姿の「彼」に会います。
 「彼」は、ライオンを見ても、逃げもせずじっとしたまま。
 ライオンにとってこんなことは今までなかったことです。
 ライオンは、「彼」に尋ねます。
 
 「おれが怖くないのか?」

 すると、「彼」は、吹き抜ける風とともに一度だけ頷きます。
 ライオンは、生まれて初めて友達ができたような気がして喜びます。うれしくて、うれしくて泣き出してしまったほどです。
 
  悲しくもないのに、なぜ涙が出るんだろう
 
 それから、毎日毎日、天気の日も雨の日でも、ライオンは、橋を渡って、「彼」に会いに来るようになりました。
 「彼」は、ライオンに何をするわけでも、何かを言うわけでもありません。
 ただ、静かに迎えてくれるだけです。
 それでも、ライオンは、満足で、「彼」を訪ねます。
 
 ある時、いつものようにライオンがつり橋を渡っていると、突然雷がライオンを襲います。
 つり橋は落ち、ライオンは、深い谷底に…
 ライオンは、立つこともできないほどの重傷を負いました。
 
 しかし、ライオンは、深く傷つきながらも、大きな声で谷底から「彼」に呼びかけます。何度も何度も…

 「この元気な声が聞えるか。この通り 全然平気だぞ 。」

 なぜ…?
 息をするのも辛くて仕方がないくらいなのに…

 それは、ライオンは一人ぼっちがどんなに悲しいことか知っているので、「彼」が自分がいなくなってしまって、一人の寂しさで泣いてしまわないよう、必死で、元気な声で、「彼」に言葉をかけるのでした。
 
 ライオンは、次第に弱っていきます。
 もう死にそうで、声も出なくなりました。
 でも、ぜんぜん寂しくも辛くもありません。
 むしろ、最後まで友達のためにしてあげられたことで満足です。
 
 もし、生まれ変われるのなら、「彼」のような姿になりたい。そうすればみんなに愛してもらえるはず…

 そう思いながらライオンは、静かに息を引き取ります。


 季節は巡り春が訪れました。
 ライオンが落ちた谷底には、一面、タンポポの花が咲きました。



  ダンデライオン Bump of Chicken (作詞・作曲 藤原基央)から







 ライオンがかわいそうです…だって、タンポポに何かしたって、花だから何もしてくれないよ…

 そうかなぁ…やっぱりライオンは幸せだったと思うよ。なんていうか…

 お礼とか、見返りを期待するといったことなしに、他の人と付き合うというか、思うというか、助けるというというか…それって大切じゃないぁなぁ

 なかなか、深い意味がある詞だね。もっとみんなで考えてみようよ。