モリブデン抗
第2シャフト(モリブデン試掘鉱で竪抗)初期の作業現場(人員8人)
背負うリュックの中にはダイナマイトと導火線、手に持つ箱には芯管と爆発順序を記入するノートが入っている。
現場監督はタジック系、爆破士は蒙古系。
導線の着火は煙草の火でしていた。掘る範囲は石灰で印がつけられていた。
(楽苦我記)
私(柴谷様)のシャフタマに於ける作業の殆どはエタロエ・シャフト(第2竪抗)の作業通訳兼作業員として労働に従事しており、私はロシア語は憲兵教習隊での3ヶ月間の片言であったが「芸は身を助ける」と諺の通りである事を痛感した。フタロエ・シャフトは当初深さが0.5メートル、幅5メートル、長さ10メートル位の位置決め程度で有ったが、これを掘り進めてゆくのであるり、圧搾空気の削岩機で穿ち発破をかけてるという繰り返しである。
(解説)
モリブデンとは、MOLYBDAN(独)、Mo,原子番号42、銀白色の金属元素、輝水鉛鉱、水鉛鉱として産、質が硬いので鋼に加えて高速度鋼製造に用いる。水鉛とある。
日本人がここへ来る前にドイツ人の捕虜が20-30人居て、砂金と採っていたとの説も有るが、チタ州はこのように錫、金、銅、タングステン、鉄鋼、褐炭、石炭、マグネサイトなどの珍しい金属を産出する。