この頃からだったかマレー半島から内地帰還者が乗船のため集まって来た。一晩幕舎に泊まって出て行くのだ。3回目位から
「我々は宿屋ではないから泊めることには反対だ」との声が出た。羨ましさから出た言葉だが、、何とも割り切れぬ気持ちだった。 「さっき(先ほど)、マンデー場で将校に気合いを入れてやった」
「どうした」
「マンデーに行ったら、うちのドラム缶から水を盗って浴びてる奴がいたから気合いを入れてやった。そいつは素直に〔すみません〕と謝った。
「きっと、外から来た奴だろう」
「それがさア、服を着たのを見たら、お前、中佐だった」
「ヘエー、中佐に気合いを入れたのはお前だけだろう」
「きっと、マレーから下がってきた部隊だろう」
いろいろトラブルがあったらしい。それで、宿を貸す事はなくなった。
あれ達はああして帰って行くのに、俺達はいつ帰れるか分からず、毎日毎日クルジャー(労働)しなければならないんだ。作業隊員は優先的に帰還させる約束ではなかったのか。との声がみんなの口から出た。
「我々は宿屋ではないから泊めることには反対だ」との声が出た。羨ましさから出た言葉だが、、何とも割り切れぬ気持ちだった。 「さっき(先ほど)、マンデー場で将校に気合いを入れてやった」
「どうした」
「マンデーに行ったら、うちのドラム缶から水を盗って浴びてる奴がいたから気合いを入れてやった。そいつは素直に〔すみません〕と謝った。
「きっと、外から来た奴だろう」
「それがさア、服を着たのを見たら、お前、中佐だった」
「ヘエー、中佐に気合いを入れたのはお前だけだろう」
「きっと、マレーから下がってきた部隊だろう」
いろいろトラブルがあったらしい。それで、宿を貸す事はなくなった。
あれ達はああして帰って行くのに、俺達はいつ帰れるか分からず、毎日毎日クルジャー(労働)しなければならないんだ。作業隊員は優先的に帰還させる約束ではなかったのか。との声がみんなの口から出た。