この時、シグリの野戦倉庫がやられた。後で、タケゴン(アチェ州)に移駐した時、トラックでここを通ったが,見るも無残に爆撃を受けて、焼け、破壊されていた。あの時やられたのだなーと感慨一入であった。
コタラジャの町は「ラジャ」即ち「王」、「コタ」は「町」で王の町。アチェ王国発祥の地で、スマトラ島西北端にある軍事上の要地であったので、海軍も多く見かけた。
通信所の裏の通りに現地人の物売りがよく来た。ある時、マンゴ売りが来た。「一つ幾らか?」と聞くと幾らだと言うが、三つ、四つになると計算が怪しくなる。五つ以上は分からなくなる。「それじゃ一篭全部ではどうだ」と聞くと、変な顔をして考えるが「分からん」と言う。終いには10個位の値で「バグス」(上等)と言う。そこで私達は俸給を出し合って、一篭全部買い取った。現地人は「テレマカシー」(有難う)と言って喜んで帰って行った。私達は「あいつは馬鹿だから計算できんのだ」と、笑ったが、こんな事はよくあった。
そのマンゴ、現地人はゴをガとゴの間ぐらいに発音していた。一篭も買って多すぎるので、通信所の中に放って置き、誰でも自由勝手に食べるようにした。誰でも1つ、2つと食べていたが、それから2,3日したら、頭が何だか重くなり、動悸がするような気がしてきた。
他の者に言うと誰もがそうだと言う。
「きっと、マンゴの食い過ぎだ。あれは精力がつくと言うから、今度から1日に1個にしよう」となり、そうしたら、その症状は消えた。
コタラジャの町は「ラジャ」即ち「王」、「コタ」は「町」で王の町。アチェ王国発祥の地で、スマトラ島西北端にある軍事上の要地であったので、海軍も多く見かけた。
通信所の裏の通りに現地人の物売りがよく来た。ある時、マンゴ売りが来た。「一つ幾らか?」と聞くと幾らだと言うが、三つ、四つになると計算が怪しくなる。五つ以上は分からなくなる。「それじゃ一篭全部ではどうだ」と聞くと、変な顔をして考えるが「分からん」と言う。終いには10個位の値で「バグス」(上等)と言う。そこで私達は俸給を出し合って、一篭全部買い取った。現地人は「テレマカシー」(有難う)と言って喜んで帰って行った。私達は「あいつは馬鹿だから計算できんのだ」と、笑ったが、こんな事はよくあった。
そのマンゴ、現地人はゴをガとゴの間ぐらいに発音していた。一篭も買って多すぎるので、通信所の中に放って置き、誰でも自由勝手に食べるようにした。誰でも1つ、2つと食べていたが、それから2,3日したら、頭が何だか重くなり、動悸がするような気がしてきた。
他の者に言うと誰もがそうだと言う。
「きっと、マンゴの食い過ぎだ。あれは精力がつくと言うから、今度から1日に1個にしよう」となり、そうしたら、その症状は消えた。