漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

渋谷天外・著 「わが喜劇」

2018年12月25日 | 
松竹新喜劇、創立の際の中心人物、
渋谷天外に、「わが喜劇」と云う著書がある。

その中に、
天外の師匠、曾我廼家十吾(そがのやとおご)のこんな逸話がある。

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曾我廼家十吾の主宰する劇団の中、
ある役者が遊び呆けた末、女房が怖くて家に帰れず、

友だちの処を泊まり歩いてると云う話を聞いた十吾、

男を呼んで、
オモチャの大工道具と若干のカネを与え、

「平謝りに謝って帰りィ。
 嫁ハンが怒ったら家の中に入らんと、

 そのオモチャの鉋(かんな)を出して入り口を削るのや。

 聞かれたら、
 『敷居が高いさかい削ってる』というのや。

 それでまだ怒るようなら、
 喜劇役者の女房には向かん女や」。

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翌日、「夫婦で礼を言いに来た」そうです。

この本の著者、天外は二代目、
初代は父親、三代目、現・天外さんは二代目の実子。

二代目天外は、
喜劇役者にして台本作家、女優の浪花千栄子は元妻。

「執筆した作品は556篇にのぼり、
 合作、脚色もあわせると1000篇を超える」と、ウィキにはある。




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