漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

コウハイ

2012年03月30日 | 言葉遊び

「本が好き、悪口言うのはもっと好き」は、
その昔、タイトルのセンスに魅かれて買った本だが、これがアタリで中身も滅法おもしろかった。

今日、パラパラと読み返して見たがヤッパリおもしろい、その中にこんな一文がある。
    
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雲仙普賢岳関係のテレビニュースを見ていたら、
灰が降ることをアナウンサーがしきりに、「コウハイ」、「コウハイ」と言っている。

「またまたバカなアナウンサーがバカなことを・・・」と思っていたら、ほかの局のアナウンサーも言っていた。

どうも一人や二人ではないらしい。

もちろん、「降灰」は「コウカイ」である。

念のために「新潮現代国語辞典」「広辞苑」「国語大辞典」など手元の辞書を引いてみたが、さすがにいずれもコウカイであった。

あたりまえだ。

「降灰」をコウハイと言うのは、
「降雨を」をコウアメと言い、「積雪」をセキユキと言うのと同じだ。

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で、私も「ネンノタメ」、ネット辞書で「降灰」を引いてみた。

すると驚いたことに、
「大辞林」にも「大辞泉」にも「コウハイ(降灰)」の項目があるのだ、

あわてて、手元の古い辞書を引いてみたが、
さすがにこちらは「降灰(コウカイ)」のみで「コウハイ」の読みはない。

これを按ずるに、どうやら、テレビでアナウンサーたちが、
「コウハイ」「コウハイ」と言い続けた結果、

最近の辞書では「コウハイ」も市民権を得てしまったらしい。

アナウンサーたちの無恥のパワー、恐るべし。

そのうちに、「コウアメ」や「セキユキ」と言い出すアナウンサーが出て、
「石灰岩」も「セッハイガン」、「灰燼に帰す」も「ハイジンにカエす」、

ついにはそれが辞書に載るようになる時代が・・・・・来るかもしれませぬ、ナ。







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