漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

身もフタも

2013年02月25日 | 

今朝の新聞に、
ある遊戯に関する二つの考えを引用したコラムがあった。

まずはじめは明治の末に書かれた、
「この遊戯は教育上よろしくない」とする新聞記事からの抜粋。

尚、文中の、
「巾着切(きんちゃくきり)」とは「スリ」のこと。
   
「この遊戯は悪く云えば巾着切の遊戯、
 相手を常にペテンに掛けよう計略に陥れよう、
 塁を盗もうなどと
 眼を四方八面に配り神経を鋭くしてやる遊戯である。」


いまひとつはこの遊戯で財をなした方の著書から。

「いかにして相手の嫌がることをするか、
 いかにして相手を崩すか。
 これがこの遊戯の鉄則であり、醍醐味である。」


どちらも意味としては、
同じことを言っているようなのだが、

それぞれ「この遊戯」の、
有害論と賞賛論となっているのがおもしろいと思う。

さてふたつの意見の出所を明かすと、
はじめの方が新渡戸稲造の「野球有害論」。

後の方が野村克也氏の近著「執着心」。

処で二つの意見の、
「この遊戯」と云う処に「国際外交」と入れてみると、

それなりに外交の一面をあらわしているような気がするのだが、どうだろうか。

外交を担当する者にとって、
新渡戸の言うように、
表向きは「姑息なかけ引きは慎み、正々堂々の議論」をせねばならぬが、

現実の相手は、
野村氏の言うように、
「相手の嫌がることをして崩そう」としてくるものと考えていなくてはならない。

まことに国際外交とは、

種を明かしてしまえば、
「身もフタも無いものなのじゃわい」、と、

最近の近隣国の様子を見ていて、つくづく思う。






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