群馬大肝臓手術 遺族「手術ありきの説明」
日本テレビ系(NNN) 9月26日(土)1時55分配信
群馬大学病院で同じ男性医師による肝臓手術を受けた後、患者が相次いで死亡した問題で、25日夜、遺族が会見を開き、「簡単な手術だと言われた」「手術ありきでそれしかないという形での説明」だったなどと訴えた。
「簡単な手術だと言われたので、全然疑うことなく2週間後には元気になっている姿しか想像できませんでした」
「その手術がありきだったのかなという部分があったので、それしかないという形での説明が記憶にある」
また、遺族は第三者事故調査委員会からのヒアリングを受け、手術前の医師からの説明について、あまり時間をかけて説明を受けなかったなどと話したという。さらに、遺族は男性医師らに対し、直接の説明を求める要望書を送ったことを明らかにした。
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最終更新:9月26日(土)3時56分
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群大病院、死亡率6倍…13・79% 平均は2%台
腹腔鏡 肝手術調査
群馬大学病院(前橋市)で、腹腔鏡ふくくうきょうを使う保険適用外の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題を受け、日本外科学会などは15日、記者会見を開き、初の全例調査の結果を公表した。
腹腔鏡を使う保険適用外で高難度の肝臓手術は、死亡率(手術後90日以内)が全国平均で2・27%だった。群馬大病院で問題となっている第二外科の死亡率は保険適用外に絞ると13・79%で、全国平均の6倍になることがわかった。
全例調査は、日本外科学会と日本消化器外科学会が合同で実施。全国で行われたすべての外科手術を登録するNCD(ナショナル・クリニカル・データベース)の2011~13年のデータを使い、全国2336医療機関で行われた肝臓、膵すい臓など消化器の手術137万7118件を対象に分析した。肝臓手術は、問題となった保険適用外の腹腔鏡手術を調査の対象とした。
それによると、高難度の開腹手術と腹腔鏡手術を合わせた2万3489件の肝臓の手術全体について計算した死亡率は3・69%。保険適用外の腹腔鏡に限り算出した死亡率は2・27%で、肝臓全体の平均値を下回った。
肝臓手術に占める腹腔鏡手術の割合は増加傾向にあり、肝臓手術全体の5・1%が腹腔鏡。群馬大は腹腔鏡が約7割と極めて高く、高難度の手術の多くを腹腔鏡で行っていた。
日本外科学会理事長の國土典宏・東大肝胆膵外科教授は「腹腔鏡手術のリスクは開腹手術に比べ高いということはなく、腹腔鏡手術が広く行われると手術のリスクが高まるとは言えない」と話している。群馬大病院の問題に対しては、病院側の最終的な調査結果を待って学会としての見解をまとめる考えだ。
群馬大病院では、第二外科が10年12月~14年6月に行った肝臓の腹腔鏡手術を受けた92人のうち8人が約3か月以内に死亡した。全体の死亡率は8・7%だが、保険適用外に絞ると手術を受けた患者は58人で、死亡率は13・79%になる。
日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授の話「これまで一部の専門学会からは0・1%未満とあまりにも低い死亡率の報告もあったが、今回の2・27%という死亡率は実態を反映した数字といえる。群馬大の死亡率が高すぎるのは言うまでもないが、体に優しいとされる腹腔鏡手術についても、通常の開腹手術とほぼ同程度のリスクがあることを患者に正しく説明する必要がある」
(2015年1月16日 読売新聞)
日本テレビ系(NNN) 9月26日(土)1時55分配信
群馬大学病院で同じ男性医師による肝臓手術を受けた後、患者が相次いで死亡した問題で、25日夜、遺族が会見を開き、「簡単な手術だと言われた」「手術ありきでそれしかないという形での説明」だったなどと訴えた。
「簡単な手術だと言われたので、全然疑うことなく2週間後には元気になっている姿しか想像できませんでした」
「その手術がありきだったのかなという部分があったので、それしかないという形での説明が記憶にある」
また、遺族は第三者事故調査委員会からのヒアリングを受け、手術前の医師からの説明について、あまり時間をかけて説明を受けなかったなどと話したという。さらに、遺族は男性医師らに対し、直接の説明を求める要望書を送ったことを明らかにした。
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最終更新:9月26日(土)3時56分
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腹腔鏡 肝手術調査
群馬大学病院(前橋市)で、腹腔鏡ふくくうきょうを使う保険適用外の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題を受け、日本外科学会などは15日、記者会見を開き、初の全例調査の結果を公表した。
腹腔鏡を使う保険適用外で高難度の肝臓手術は、死亡率(手術後90日以内)が全国平均で2・27%だった。群馬大病院で問題となっている第二外科の死亡率は保険適用外に絞ると13・79%で、全国平均の6倍になることがわかった。
全例調査は、日本外科学会と日本消化器外科学会が合同で実施。全国で行われたすべての外科手術を登録するNCD(ナショナル・クリニカル・データベース)の2011~13年のデータを使い、全国2336医療機関で行われた肝臓、膵すい臓など消化器の手術137万7118件を対象に分析した。肝臓手術は、問題となった保険適用外の腹腔鏡手術を調査の対象とした。
それによると、高難度の開腹手術と腹腔鏡手術を合わせた2万3489件の肝臓の手術全体について計算した死亡率は3・69%。保険適用外の腹腔鏡に限り算出した死亡率は2・27%で、肝臓全体の平均値を下回った。
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日本外科学会理事長の國土典宏・東大肝胆膵外科教授は「腹腔鏡手術のリスクは開腹手術に比べ高いということはなく、腹腔鏡手術が広く行われると手術のリスクが高まるとは言えない」と話している。群馬大病院の問題に対しては、病院側の最終的な調査結果を待って学会としての見解をまとめる考えだ。
群馬大病院では、第二外科が10年12月~14年6月に行った肝臓の腹腔鏡手術を受けた92人のうち8人が約3か月以内に死亡した。全体の死亡率は8・7%だが、保険適用外に絞ると手術を受けた患者は58人で、死亡率は13・79%になる。
日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授の話「これまで一部の専門学会からは0・1%未満とあまりにも低い死亡率の報告もあったが、今回の2・27%という死亡率は実態を反映した数字といえる。群馬大の死亡率が高すぎるのは言うまでもないが、体に優しいとされる腹腔鏡手術についても、通常の開腹手術とほぼ同程度のリスクがあることを患者に正しく説明する必要がある」
(2015年1月16日 読売新聞)