政府の対応に強い不満「避難区域指定まで放射線浴びた」 国会事故調アンケート
産経新聞 6月10日(日)7時55分配信
避難指示の遅れ、高線量地域への避難、度重なる避難…。国会事故調が実施したアンケートの自由回答では、避難住民らの政府への事故後の対応への強い不満が聞かれた。
警戒区域外だったにもかかわらず高線量が計測され、事故から1カ月以上経過した昨年4月22日に計画的避難区域に指定された飯舘村の住民は、「事故の初期の情報が全くなかった。官房長官が『ただちに健康に影響はない』と訴えたが、情報操作以外の何物でもなく、避難区域に指定されるまで放射線を浴びてしまった」と政府の対応を厳しく非難した。
その一方、警戒区域から避難したもののSPEEDIやモニタリングの公表の遅れから、逆に高線量地域へ避難した住民も。浪江町の住民は「SPEEDIが公表されず、放射線の高い所に避難した。なぜ公表しなかったのか。人の命をなんだと思っているのでしょうか」と訴えた。南相馬市の住民も「混乱を招く恐れがあると非公開にした政府の対応も分からないことはないが、高線量地域へ避難することを防ぐためマニュアルを作るべきだ」と注文した。
長引く避難生活から、原発に近い6町では7割超の住民が4回以上、避難場所を変えた。富岡町の住民は「『川内村に避難しろ』と放送があったが、川内村はいっぱいだった。その後、何カ所か移動していわき市にいるが、あれから1年。私たちはどうなるのでしょうか」と不安を口にした。
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最終更新:6月10日(日)11時0分