航海士、同行前に直筆メモ…自分の行為自問自答
読売新聞 11月11日(木)21時20分配信
読売テレビ(大阪市)は11日のニュース番組で、「(主任航海士の)海上保安官が任意同行を求められる前に、直筆メモを残していた」と報じた。
番組には、数日前に主任航海士を取材したという記者も出演し、「A4判の表裏にワープロと直筆で書かれたものだった」などと説明した。
番組によると、メモには「映像流出が犯罪行為であるならば、映像が機密であるとの証明が必要ではないか」と記されていたほか、「これを機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことはすべて機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないだろうか」などとも書かれていたとされる。
さらに、「今回の件で我が国の国益は損なわれたのだろうか」「誰かの名誉を害したのか」「(中国船衝突事件の)捜査の妨げとなったのか」などともあり、読売テレビは「(主任航海士が)自分の行為を自問自答するような記述」と説明した。 最終更新:11月11日(木)22時2分
クローズアップ2010:海上保安官「映像流出」 割れる「秘密」の評価(1/4ページ)
◇立件、検察にも慎重論
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件の捜査が10日、大きく動いた。警視庁は「自分が流出させた」と打ち明けた神戸海上保安部の海上保安官を国家公務員法(守秘義務)違反容疑で取り調べた。だが、捜査当局内部にも罪の成立を疑問視する声があり、立件に向けたハードルはなお残る。一度は映像公開の準備を進めながら取りやめに至った上での今回の事件に海保側には複雑な思いが渦巻く。【鈴木一生、山本将克、石原聖】
ビデオ映像をネットで公開したとされる神戸海上保安部の海上保安官を国家公務員法違反容疑で立件することの是非については「国民の『知る権利』との兼ね合いもあり、難しい判断になる」と、検察内部にも一部に慎重な声がある。
だが、複数の検察幹部は「限られた国会議員が映像の一部を視聴しただけだから、一般の人に知られていた情報とは言えない」と指摘し、映像は国家公務員法上の「秘密」に当たるとの見方を示す。ベテラン裁判官も「国の安全保障にかかわるものと考えられ、秘密の要件を満たしている」と語る。問題の映像は、漁船衝突事件の捜査過程で作成された資料。刑事訴訟法には「訴訟に関する書類は公判前には原則として公にしてはならない」との規定があることから「秘密であることは間違いない」と言う検察幹部もいる。
一方で、東京地検の複数の幹部は「立件には映像の入手経緯の解明が不可欠だ」と指摘する。海保はこれまで「流出した映像と同一の資料は石垣海上保安部にしかなく、厳重に管理していた」と説明してきた。仮に石垣保安部の職員が、神戸保安部の保安官に映像を譲り渡していた場合、職務上の秘密を漏らしたのは石垣の職員になり、神戸の保安官が守秘義務に違反したとは言えなくなる。「海保職員なら誰でも閲覧できる映像だった場合、保護に値する秘密と言えるのか」と疑問視する声もある。
動機の解明も重要だ。ある刑事裁判官は「公開されるべき情報を非公開としたことに義憤を感じて映像を流出させたとすれば、容疑者に有利な情状になる。そうなると、罪が成立するとしても、起訴する必要があるのかという議論になるのではないか」と指摘した。
国家公務員法は、職員が「職務上知ることのできた秘密」を漏らした場合、1年以下の懲役か50万円以下の罰金に処すると定めている。どのような情報が「秘密」に当たるのか。税務署職員が同法違反に問われた裁判の最高裁決定(77年)は(1)広く一般の人に知られていない(2)国家が行政目的を達成するために実質的に秘密として保護に値する--という二つの要件を示している。
今回のケースでは、国会議員の映像視聴が認められ内容の一部が明らかになったことから識者の間に「保護すべき秘密とは言えない」という指摘がある。 ◇公開方針一転「官邸からストップ」 領海最前線、怒りと失望
海上保安庁はそもそも、今回の衝突事件が発生した9月7日午前の段階では、映像を公開する準備を進めていた。現場の巡視船「よなくに」から衛星通信の秘匿回線で届いたビデオ映像を国土交通相など関係閣僚の視聴用に編集。政府が映像を基に事件の立件の可否などを判断した後、同様の映像を報道機関に提供する方針だった。
だが、半日もしないうちに提供は取りやめになった。海保は理由を説明していないが、ある政府関係者は「官邸からストップがかかったと聞いている」と明かす。
海保は過去の事件や事故では基本的に、報道機関の要請に応じて映像を提供してきた。日本の排他的経済水域(EEZ)は447万平方キロメートルと世界6番目の広さで、遠く離れた洋上でどんな事件事故が発生したのかを映像や写真で把握し記録できるのは海保だけだ。基本的に公開のスタンスをとり、報道機関の要請があれば、悪天候で洋上から電送される映像の精度が低かったり、海保の手の内を明かすことになる場合を除き、映像を提供してきた。文字サイズ変更小中大.この記事を印刷
.クローズアップ2010:海上保安官「映像流出」 割れる「秘密」の評価(4/4ページ)
しかも、EEZ内で事前通報の取り決めを無視して海洋調査を行う中国公船を航空機から撮影した映像や、転覆した漁船から乗員を救助する様子など公開しやすいケースばかりではない。01年12月に鹿児島県奄美大島沖の東シナ海で発生した北朝鮮工作船事件では、事件から2日後に巡視船が工作船からロケット弾などで銃撃されて被弾する模様も公開した。
海保関係者は「どんなことがあったのかを国民は知りたいはずだし、こちらも国民の目に触れないところで活動しているので自分たちの仕事を知ってほしいという思いもある」と話す。別の関係者は「覚せい剤の密輸や違法操業を企てる相手に対しては、ある程度の公開は抑止効果を生む側面もある」と説明している。
今回の映像流出の背景には何があるのか。「台湾や中国の漁船は我が物顔で操業し、退去警告を出しても挑発的な態度をとることが多い。巡視船にぶつけてきたのに釈放なんて、法治国家としてあるべき姿なのか」「相手が武器を持っているか分からないのに、海上保安官は丸腰で立ち入り検査をする。殉職者が出るまで領海警備の問題に国は向き合わないのか」。海保OBや関係者からは、現場にあきらめとも怒りともつかない感情がたまっていると指摘する声が出ている。
*要するに政治の無責任を、1保安官の行為を非難することによって、政府の責任逃れをしようとしているのだろうか? 犬の遠吠えだけでなく、速やかに外交交渉を開始して、尖閣にせよ、北方領土にせよ、日本の国家主権の及ぶ範囲であることを国際司法裁判所に提訴して確認してもらうべき時期ではないのだろうか?
航海士、同行前に直筆メモ…自分の行為自問自答
読売新聞 11月11日(木)21時20分配信
読売テレビ(大阪市)は11日のニュース番組で、「(主任航海士の)海上保安官が任意同行を求められる前に、直筆メモを残していた」と報じた。
番組には、数日前に主任航海士を取材したという記者も出演し、「A4判の表裏にワープロと直筆で書かれたものだった」などと説明した。
番組によると、メモには「映像流出が犯罪行為であるならば、映像が機密であるとの証明が必要ではないか」と記されていたほか、「これを機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことはすべて機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないだろうか」などとも書かれていたとされる。
さらに、「今回の件で我が国の国益は損なわれたのだろうか」「誰かの名誉を害したのか」「(中国船衝突事件の)捜査の妨げとなったのか」などともあり、読売テレビは「(主任航海士が)自分の行為を自問自答するような記述」と説明した。 最終更新:11月11日(木)22時2分
読売新聞 11月11日(木)21時20分配信
読売テレビ(大阪市)は11日のニュース番組で、「(主任航海士の)海上保安官が任意同行を求められる前に、直筆メモを残していた」と報じた。
番組には、数日前に主任航海士を取材したという記者も出演し、「A4判の表裏にワープロと直筆で書かれたものだった」などと説明した。
番組によると、メモには「映像流出が犯罪行為であるならば、映像が機密であるとの証明が必要ではないか」と記されていたほか、「これを機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことはすべて機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないだろうか」などとも書かれていたとされる。
さらに、「今回の件で我が国の国益は損なわれたのだろうか」「誰かの名誉を害したのか」「(中国船衝突事件の)捜査の妨げとなったのか」などともあり、読売テレビは「(主任航海士が)自分の行為を自問自答するような記述」と説明した。 最終更新:11月11日(木)22時2分
クローズアップ2010:海上保安官「映像流出」 割れる「秘密」の評価(1/4ページ)
◇立件、検察にも慎重論
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件の捜査が10日、大きく動いた。警視庁は「自分が流出させた」と打ち明けた神戸海上保安部の海上保安官を国家公務員法(守秘義務)違反容疑で取り調べた。だが、捜査当局内部にも罪の成立を疑問視する声があり、立件に向けたハードルはなお残る。一度は映像公開の準備を進めながら取りやめに至った上での今回の事件に海保側には複雑な思いが渦巻く。【鈴木一生、山本将克、石原聖】
ビデオ映像をネットで公開したとされる神戸海上保安部の海上保安官を国家公務員法違反容疑で立件することの是非については「国民の『知る権利』との兼ね合いもあり、難しい判断になる」と、検察内部にも一部に慎重な声がある。
だが、複数の検察幹部は「限られた国会議員が映像の一部を視聴しただけだから、一般の人に知られていた情報とは言えない」と指摘し、映像は国家公務員法上の「秘密」に当たるとの見方を示す。ベテラン裁判官も「国の安全保障にかかわるものと考えられ、秘密の要件を満たしている」と語る。問題の映像は、漁船衝突事件の捜査過程で作成された資料。刑事訴訟法には「訴訟に関する書類は公判前には原則として公にしてはならない」との規定があることから「秘密であることは間違いない」と言う検察幹部もいる。
一方で、東京地検の複数の幹部は「立件には映像の入手経緯の解明が不可欠だ」と指摘する。海保はこれまで「流出した映像と同一の資料は石垣海上保安部にしかなく、厳重に管理していた」と説明してきた。仮に石垣保安部の職員が、神戸保安部の保安官に映像を譲り渡していた場合、職務上の秘密を漏らしたのは石垣の職員になり、神戸の保安官が守秘義務に違反したとは言えなくなる。「海保職員なら誰でも閲覧できる映像だった場合、保護に値する秘密と言えるのか」と疑問視する声もある。
動機の解明も重要だ。ある刑事裁判官は「公開されるべき情報を非公開としたことに義憤を感じて映像を流出させたとすれば、容疑者に有利な情状になる。そうなると、罪が成立するとしても、起訴する必要があるのかという議論になるのではないか」と指摘した。
国家公務員法は、職員が「職務上知ることのできた秘密」を漏らした場合、1年以下の懲役か50万円以下の罰金に処すると定めている。どのような情報が「秘密」に当たるのか。税務署職員が同法違反に問われた裁判の最高裁決定(77年)は(1)広く一般の人に知られていない(2)国家が行政目的を達成するために実質的に秘密として保護に値する--という二つの要件を示している。
今回のケースでは、国会議員の映像視聴が認められ内容の一部が明らかになったことから識者の間に「保護すべき秘密とは言えない」という指摘がある。 ◇公開方針一転「官邸からストップ」 領海最前線、怒りと失望
海上保安庁はそもそも、今回の衝突事件が発生した9月7日午前の段階では、映像を公開する準備を進めていた。現場の巡視船「よなくに」から衛星通信の秘匿回線で届いたビデオ映像を国土交通相など関係閣僚の視聴用に編集。政府が映像を基に事件の立件の可否などを判断した後、同様の映像を報道機関に提供する方針だった。
だが、半日もしないうちに提供は取りやめになった。海保は理由を説明していないが、ある政府関係者は「官邸からストップがかかったと聞いている」と明かす。
海保は過去の事件や事故では基本的に、報道機関の要請に応じて映像を提供してきた。日本の排他的経済水域(EEZ)は447万平方キロメートルと世界6番目の広さで、遠く離れた洋上でどんな事件事故が発生したのかを映像や写真で把握し記録できるのは海保だけだ。基本的に公開のスタンスをとり、報道機関の要請があれば、悪天候で洋上から電送される映像の精度が低かったり、海保の手の内を明かすことになる場合を除き、映像を提供してきた。文字サイズ変更小中大.この記事を印刷
.クローズアップ2010:海上保安官「映像流出」 割れる「秘密」の評価(4/4ページ)
しかも、EEZ内で事前通報の取り決めを無視して海洋調査を行う中国公船を航空機から撮影した映像や、転覆した漁船から乗員を救助する様子など公開しやすいケースばかりではない。01年12月に鹿児島県奄美大島沖の東シナ海で発生した北朝鮮工作船事件では、事件から2日後に巡視船が工作船からロケット弾などで銃撃されて被弾する模様も公開した。
海保関係者は「どんなことがあったのかを国民は知りたいはずだし、こちらも国民の目に触れないところで活動しているので自分たちの仕事を知ってほしいという思いもある」と話す。別の関係者は「覚せい剤の密輸や違法操業を企てる相手に対しては、ある程度の公開は抑止効果を生む側面もある」と説明している。
今回の映像流出の背景には何があるのか。「台湾や中国の漁船は我が物顔で操業し、退去警告を出しても挑発的な態度をとることが多い。巡視船にぶつけてきたのに釈放なんて、法治国家としてあるべき姿なのか」「相手が武器を持っているか分からないのに、海上保安官は丸腰で立ち入り検査をする。殉職者が出るまで領海警備の問題に国は向き合わないのか」。海保OBや関係者からは、現場にあきらめとも怒りともつかない感情がたまっていると指摘する声が出ている。
*要するに政治の無責任を、1保安官の行為を非難することによって、政府の責任逃れをしようとしているのだろうか? 犬の遠吠えだけでなく、速やかに外交交渉を開始して、尖閣にせよ、北方領土にせよ、日本の国家主権の及ぶ範囲であることを国際司法裁判所に提訴して確認してもらうべき時期ではないのだろうか?
航海士、同行前に直筆メモ…自分の行為自問自答
読売新聞 11月11日(木)21時20分配信
読売テレビ(大阪市)は11日のニュース番組で、「(主任航海士の)海上保安官が任意同行を求められる前に、直筆メモを残していた」と報じた。
番組には、数日前に主任航海士を取材したという記者も出演し、「A4判の表裏にワープロと直筆で書かれたものだった」などと説明した。
番組によると、メモには「映像流出が犯罪行為であるならば、映像が機密であるとの証明が必要ではないか」と記されていたほか、「これを機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことはすべて機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないだろうか」などとも書かれていたとされる。
さらに、「今回の件で我が国の国益は損なわれたのだろうか」「誰かの名誉を害したのか」「(中国船衝突事件の)捜査の妨げとなったのか」などともあり、読売テレビは「(主任航海士が)自分の行為を自問自答するような記述」と説明した。 最終更新:11月11日(木)22時2分