猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

石森 章太郎(当時) 「三つの珠」 

2007年02月06日 14時47分23秒 | マンガ家名 あ行
 しばらく振りに昔のまんがをご紹介します。 石森 章太郎選集のうち、第14巻 「三つの珠」 です。

 PCが突然ネットに繋がらなくなりまして、2~3日お休みしておりました。その間夜さんよりご拝借の 「雨柳堂夢咄」其の1~4 たれぞ~さんお貸しの 「JIN-仁-」 など読みまくっておりました。両方とも面白かったですねー。
 「雨柳堂夢咄」 は流麗な絵を見ているだけでうっとり、なにしろ、着物の柄が人物UPになるとそれに合わせて大きくなる程の懲りようですから後は押して知るべしですね。これは皆様みんな読んでると思うので、特に感想UPはしませんけど。

 村上もとか氏の 「JIN-仁-」 はこれまた力作と言うか、ためになる上にマンガとしても面白いです。
 幕末に現代の外科医がタイムスリップするという奇想天外なお話しながら、こうもありなんと言う位リアルですね。まだ連載中らしいので、たれぞ~様、又宜しくお貸しくださいませ~。

 
 さて、写真の 「三つの珠」 なんですが、この頃の石森氏の連載マンガの例に漏れず (?) ひとつの珠で終わってます 作者のあとがきで理由は述べられているので後で触れるとして、このマンガは少女クラブに昭和33年(1958)4月から昭和34年(1959)3月まで連載されました。東京タワーが建ったり、長島がプロ野球にデビューしたり、今上天皇が皇太子の頃、美智子皇后とご成婚なさったりした頃ですね。
 私はまだ小さくて全部は思い出せませんが、ちらちら記憶がある頃です。流石にこのマンガは知りませんでした。中学になってこのシリーズが出て、集めだした中にこの巻もあって、以来40年、私の書棚に大切にありました。だって、当時としては高額な、薄紙に包まれてBOX付きのまんが本ですよ! 初めての石森選集で、力が入ってました。処分なんて出来ませんよ。

 時代は戦国時代でしょうか、世の中は乱れているようです。このお話しには、3人の少女が出てきます。主人公の美雪は優しい少女で、こうもりの姿に変えられてしまった弟を救う為、みっつの珠を捜して旅をする事になります。かえで は美しい美雪に嫉妬して美雪の美しさを手に入れようとするあまり、水の精に乗り移られると言う設定。ハカマダレという少女は実は盗賊団の首領で男装の麗人。

 この頃の他の石森少女まんがと同様、お話しの中に竹取物語や夕鶴、酒天童子に牛若丸、弁慶やら古い沼の精やら、袴垂 保輔(はかまだれ やすすけ)という半分伝説の盗賊の話しとか、いろんなものが出てきます。それはそれで読んでて面白い。どれがどれやら分からなくなりますが。おとぎ話のごっちゃ煮です。今でも子供向けの連載ものなんかにはよくありますけどね。ピカチューのアニメ版まんが本読んでていろんな話しを持ってくるなーと感心したことあります。

 作者あとがきと言うか、ひとつの珠になった言い訳を200字で書けと言われて書いてます (ぷぷぷ) という文章には、理由は簡単ウケなかったからとあります。読者の人気がなかったから・・と実もふたもなく書いてあります。その頃、「石森導入部集」 を出したら売れるぞと冷やかされていたそうです。最初は凄く面白いのに途中からつまらなくなる、次々に新しい作品を描きたくなり、今までの作品の手を抜くようになる悪い癖が出る・・。等々言われていたそうです。
 しかし、この作品は本当はちゃんと構想、情熱ともにあり、それは終わらせられるまで 続いていたとあるので、作者にとっては残念な結果の作品なのでしょう。

 以前の拙記事 → 少年のための「マンガ家入門」 石森章太郎 にも当時の話が出ています。
コメント (6)
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