トーキング・マイノリティ

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海外からの支援について

2011-03-25 21:14:00 | 世相(日本)

 3.11の東北関東沖大震災で、海外から多くの救援隊と義捐金が送られてきた。遠国から日本の被災地に来て活動された救援隊の人々や、 寄付金を送られた他国の方々には、心から感謝している。日本のメディアもこぞって海外からの支援を強調しており、美談仕立てに 報じる意図があるのだろう。ただ、素朴な同情心から義捐金を送ってきた海外の一般庶民は別だが、日本支援を表明した他国政府には、 国益と戦略を見据えた思惑があるのは確かである。

 先日見たブログ記事に、「朝鮮だけではない。」とのタイトルで面白いコメントがあった。以下はその全文である。

自国にとり他国、特に隣国は生かさず殺さずヘロヘロなのがベストなんだよ。遠方の国ほど憎悪感は薄いのは事実だが。外国が間違っても心から同情しているなどとは思うなよ。安全パイかカモが理想なんだ。
2011/03/15(火)10:12:27|URL|唯我独損


 タイトルから“唯我独損”なる者は半島系の可能性が高いが、“唯我独損”のコメントは正鵠を得ている。そして朝鮮には 「泣く子は餅を一つ多く貰える」との諺もある。大人でも幼児のように駄々をこねて要求を押し通し、無視されると火病を起こし、 バージニア工科大学銃乱射事件のような犯人を出す唯我独尊的気質があるのだが。
 歴代中国王朝と朝鮮の関係は世界史でも特殊な部類となるが、隣国同士が仲が悪いのはどの文化圏も同じだし、「自国以外は皆仮想敵国」と 言ったチャーチルの言葉は国際政治では普遍なのだ。2007年11月の記事「国王の父より息子への44章の教訓」でも書いたが、ズィヤール朝イランの第7代君主カイ・カーウース(在位1049-?)は、息子に「敵に対する警戒について」という忠告を遺しており、再び記事から引用したい。

息子よ、敵をつくらぬ様に努力せよ。だが敵がいても、怖れたり悲しむな。敵がいない人は敵の意のままになりやすい。秘密裡であれ、公然であれ、敵がすることに油断するな。また敵の邪な行動に安心せず、常に敵を謀り、害を加える策を練れ。いかなる場合でも敵の策略、謀りごとに油断せず、敵の状態と考えを探り、自分の耳と心でそれを知れ…

 そなたの備えが万全にならぬうちは、敵に敵意を示すな。敵には傲然たる態度をとり、たとえ倒れても熱意と勇気でことに当たり、自らを敗者に見せるな。また敵の巧言、親切を信用せず、敵に心を寄せず、彼の綱で井戸に降りるな。敵から砂糖を貰っても、毒だと思え。強力な敵にはいつも恐れを抱け…
 敵をあまり侮るな。いかなる場合にも敵を信用するな…いかなる敵にも心を許したり、友情を結ぶな。だが、友情らしきものを示せ。見せかけが事実になるかも知れない。敵意から友情、友情から敵意が生まれることもある。味方の数を敵の2倍にするよう努力せよ。 そして味方は多く、敵は少ないようにせよ…


 この教訓は中世はもちろん、現代でもそのまま通じる内容ではないか!遠交近攻は儒教圏に限らず外交の基本であり、国家間に真の友人はいないと言った政治家もいる。やたら他国との共生、相互理解、友好などの美辞麗句を並べたてる日本のマスコミ関係者も、内心はそれらを信じていない者が殆どではないか?ネットでもマスコミの受け売りをする者を見かけるが、彼ら自身も本当はお花畑頭というより、空虚な理想を唱え読み手に喧伝する意図があるのではないか…と私は見ている。

 ひも付きと何かと批判された日本の海外支援だが、見返りを求めない他国援助をする国など何処にある?国益がないと判断すれば、容赦なく 援助など打ち切られる。今回の大震災では日本が支援を受ける側になったが、親日や友好感情から支援していると安易に思っている日本人も 少なくないのだろうか。昔からタダくらい怖いものはないとも言う。
 地政学名言集を17も紹介したサイトがあり、その全文を紹介したい。ただ、この名言も国があってこそ活きるのだ。

一、隣接する国は互いに敵対する。
二、敵の敵は戦術的な味方である。
三、敵対していても、平和な関係を作ることはできる。
四、国際関係は、善悪でなく損得で考える
五、国際関係は利用できるか、利用されていないかで考える。
六、「優れた陸軍大国が同時に海軍大国を兼ねることはできない(その逆も然り)」
七、国際政治を損得で見る善悪を持ちこまない
八、外国を利用できるか考える。
九、日本が利用されているのではないか疑う。
十、目的は自国の生存と発展だけ
十一、手段は選ばない。
十二、損得だけを考える道義は擬装である
十三、国際関係を2国間だけでなく,多国間的に考える。
十四、油断しない
十五、友好理解を真に受けない
十六、徹底的に人が悪い考えに立つ。
十七、科学技術の発達を考慮する。


◆関連記事:「海外援助について
 「古代世界の経済援助

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私なら…… (のらくろ)
2011-03-27 14:39:13
3月11日中に、千歳、小松、那覇の各基地から支援戦闘機(という名の戦闘爆撃機)を国後、竹島、尖閣へ飛ばして地上攻撃のパフォーマンスはします。そして、おそロシア、姦国、狂産支那から「援助」の申出があったら、「本国でどのような階級であろうと、日本では、軍なら下士官扱い、医療なら被災地医療機関の指揮監督に従ってもらう」などの通告をし、「いやなら帰れ!」です。どーせこの3国はこの機に乗じて我が国をコントロールしようとたくらんでいるに決まっているのですから。最低限、受け入れられるなら公安警察、公安調査庁を受け入れた援助隊にきっちり貼り付けておくべきでしょう。
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RE:私なら…… (mugi)
2011-03-27 23:07:40
>のらくろ さん、

 返って貴方のような方が、外相または防衛大臣をされたほうが、今の政権よりずっと良かったはず。貴方が挙げた3ヵ国は、僅かばかりの「援助」で大いに恩を売り、後で放射能被害とやらの謝罪と賠償を求める腹積もりもあるはず。ネットでも姦国の支援に感謝するといった書込みを幾つか見かけました。

 しかし、ロシア空軍の戦闘機と電子戦機が21日に日本領空に接近したことに対し、松本剛明外相はロシア側に抗議しない考えを示しました。ロシアが東日本大震災を受け、日本に救援チームの派遣や物資の提供を行っているという理由で。全くバカの底が知れないというか…さらにこの外相、伊藤博文の子孫だとか。祖先が草葉の陰で泣いていますよ。

 たとえ「援助」があったところで、私は先の3か国だけには感謝の念は一片もありません。「援助」といえ、日本から搾取したカネが戻っただけで、元は日本のカネですから。
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Unknown (Σ・亜歴)
2011-03-31 12:17:08
>>日本支援を表明した他国政府には、 国益と戦略を見据えた思惑があるのは確かである。

少なくとも、災害復興作業の経験とノウハウの蓄積にはなります。各国とも最先端の技術や知識の情報交換にはなります。

そう言えば、ロシアのメドベージェフ大統領は、この機を逃さずに原発建設の国際基準を提案。これは国際公益にもなるので、いつものように「ロシアの野心」と論陣は張りません。ただ、巧妙にここぞと存在感を見せてくれることには感心します。

いずれにせよ、美談に感動し過ぎてはいけない。ましてや、それを基にした映画やドラマを信じ込むと爆笑にしかなりません。

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Σ・亜歴さんへ (mugi)
2011-03-31 21:47:46
 仰るように支援を受ける日本にとっても、最先端の技術や知識を得るメリットもあります。震災の体験は復興作業の実績の蓄積にもなり、今後にも活かせることになるでしょう。

 ロシアはここぞという時、国際社会に説得力のある提案もするから、改めて外交の巧みさには驚かされます。対照的にこのような場合に限らず、国際公益に繋がる提案をまずしないのが中国。

 お涙頂戴の美談ドラマを制作する側の目的はビジネスですが、それを見る者がいるのを見越してこそ。ドラマを鵜呑みにして感涙するのは自由ですが、この手の物語はわりと女には受けるのです。
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