トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

荒らしについて その②

2018-07-06 21:10:11 | マスコミ、ネット

その①の続き
 ネット上ではネットセキュリティ会社勤務にも係らず、あのようなかたちで殺害された岡本氏の脇の甘さを非難する書込みも少なくない。彼の記事全てをチェックした訳ではないが、読んだ人の話によれば時に挑発的な意見をすることがあったらしい。ブロガーの中にはわざと煽動的な記事を書いてアクセス数を上げようとする者もいるし、注目を集めれば荒らしも寄ってくる。
 ただ、ブロガーとしてのよしみもあるが、岡本氏はあくまでネットセキュリティの専門家であって、精神医学や犯罪心理学は専門外なのだ。岡本氏や松本を煽った“通報厨”さえ、あのような凄惨な殺人事件が起きるのは想定外だったはず。岡本氏自身のセキュリティの無さを責めるのは酷ではないか。次の匿名による書込みが的を得ていると感じた。
hagexがターゲットになったのは単純に目についた中で居場所が割れててそれが近所だったからじゃねえの

 人気サイト・カラパイアの2014年09月30日付記事は興味深い。「ネットを徘徊する荒らしはサイコパスなナルシストで、サディストであることが判明(カナダ研究)」というのだ。松本の書込みに軽く目を通しただけで、その攻撃性や執拗さが伝わってくるし、サイコパスやサディストそのものと感じた方もいるだろう。実は加害者なのに被害者を装い、他人に責任転嫁をするのはサイコパスの特徴。
 松本が何時からこうなったのか不明だが、ネット浸りの「ほぼ引きこもりの42歳」であれば、おかしくならない方が不思議。一体何のために大学で文学を学んだのか、と言いたくなる。読書好きであればイスラムや中国以外の文学も読み漁り、それをネットで書けばいいのに……と思うのは単なる本好きの正論か。

 殺人にまで至る松本容疑者のような荒らしは極例だし、そうあってほしいものだ。ただ、ブロガーにとってコメントが荒らしかそうでないか、判断に迷うことはある。低能やゴミクズなどの暴言を吐くのは分り易いが、慇懃無礼な書込みや同調圧力があからさまなケースもあるのだ。2010年7月と少し古いが、発言小町の「ブログにコメントしたら荒らし扱い!」という相談は読ませられる。トピ主のまゆみ氏は文面からかなり感情的に書き殴っており、結びにはこうあった。
ネットで公開してブログしているのに気に入らないコメントは荒らし扱いなんですか?!ほかのひとの意見を聞く気がないならブログなんてしなければいいのにとおもうのはわたしだけですか?

 回答者の多くはまゆみ氏の姿勢を批判、何人かは自らのブログ開設を勧めていた。「ほかのひとのブログでも気持ちが伝わらずコメントを削除されたり無視されたりします!」というトピ主なので、元からトラブルメーカーだったのが伺えた。それに対し、「書き込まれたレスが荒らしかどうか判断するのは、ブログの運営者です。例えるなら、ブログは私有地のようなもの」という回答には安心させられた。
 ブロガーが最も煩わしいのは、己はブログを開設せず他人のそれを仕切ろうとしたり、記事と無関係な自慢話を長々書込む手合いなのだ。荒らしには女もおり、「ブログやホームページをやる人は、色々なコメントや問い合わせ 手紙 電話を覚悟でやってるんでは、ないですか」(2012-05-21)と言ってきた女もいた。有名人との交流を吹聴、虚言を並べ立て、自分を批判した人物の職場を探し当て、電話をしたとまで宣言する気味の悪い人物だったが。

 ブログ荒らしに興じるブロガーもいる。己のブログではマトモな記事を書く一方、複数のHNを使って気に食わぬブログへの攻撃を繰り返す。そんな者が拙ブログにも現れ、ブログを潰したと自慢げにコメントしていた。「アル中につき 」「下司魂に火が付いて来ましたよ」等のタイトルで、荒らしを自認していた。

 有名ブロガー殺人犯はネットユーザーの中でも極例にせよ、荒らしが生きがいのサイコパスとも運悪く繋がってしまうのが、ネットの恐さなのだ。事件を取り上げたブログは幾つもあり、「Hagexと「低能先生」-福岡の殺人事件について」という記事は面白かった。記事から参考になると思った箇所を引用したい。
情報や意見を発信していると反感を買ったり、恨まれたりすることはあります……そんな発信者として、今回の事件を起こさないようにするにはどうすればいいか。考えました、よ~く考えました・・・。
 ありません!!これが私が出した結論です。正直、今のネット社会には発信者に対するケアはありません。すべて自己責任、自分の身は自分で守る。現時点で可能な対処療法は、放置しかない。そう思っています。私は常々言っています。「ネット発信者に必要なスキルは、文章のセンスではない。スルースキルだ」。荒らしや根も葉もない誹謗中傷に対しては、スルーがいちばんです。
 
 荒らし対策サイトでもスルーや放置、削除が勧められている。多くのブロガーが承認制にしているのもそのためだ。gooブログでは承認制にするとコメントボックスが+印となり、-にしなければコメント文が見られないようになっている。名無しや「通りすがり」のような捨てHN、荒らしらしきHNからの書込みがあれば、文章を見ずとも削除できるのは便利。今のところ自衛手段は、スルーや削除以外ないのだから。

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6 コメント

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「霧の旗」かカフカか (madi)
2018-07-09 16:54:32

不条理殺人
被害者は同姓ですが親戚ではありません。それにしても流れ弾にあたったような被害でした。松本清張「霧の旗」で復讐される弁護士とかカフカの小説のようでした。オルハン・パムクの「私の名は紅」を読み返していた時期でカラの受難も似たところありと思ってしまいました。
弁護士という商売がら直接の相手から怨まれるのは覚悟のうえですのでセキュリティはがちがちに事務所も自宅もなっています。



ちょっと別のこと。
「私の名は紅」は1998年ですが「限りなく透明に近いブルー」や「エーゲ海に捧ぐ」でやっていた性的j行為をカラが幼馴染の女性に求めて断られるシーンと受け入れられるようなシーンがあります。いまのトルコだとこのシーンはアウトかもしれません。
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Unknown (鳳山)
2018-07-09 22:29:26
「ネットを徘徊する荒らしはサイコパスなナルシストで、サディスト」なるほどと感心させられました。

私のブログにもごくたまに荒らしが来るので他人事ではありません。私も過激な言葉を吐くので人の事は言えませんが(苦笑)。

ただ人様のブログにコメントを書くときには、誤解されないようにブログ主様の気分を害さないよう慎重に書くよう気を付けてはいます。

スルースキルが一番重要なんでしょうね。
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私も最近そのような目に遭いました。 (mobile)
2018-07-10 09:35:24
読者登録して戴いたのでコメントしていたら、ある日登録が解除され、その方のブログを見ると私の書いたコメントが全て削除されていました。
-------☆☆☆-------
どちらかというと「これ、大変な手間だったろうな~」と思う気持ちの方が強く、そのブロガーさんの徹底ぶりに驚きました。
-------☆☆☆-------
縁がなかったと思って以降はもう近づかないです。
ブログやってるとイロイロありますが、スルーが一番です。
-------☆☆☆-------
さて、一応お聞きしますが、私のコメントは「荒らし」ぢゃないですよね。大丈夫ですよね(^^)v。
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Re:「霧の旗」かカフカか (mugi)
2018-07-10 21:29:07
>madi さん、

 赤の他人でも殺人事件の被害者と同姓では嫌な気分になりますよね。「霧の旗」はTVドラマを見ただけだし、カフカも読んだのは「変身」だけです。「私の名は紅」と「霧の旗」やカフカに類似性があったとは意外でした。

 カラが幼馴染の女性に娼婦と同じ行為を求めて断られるシーンは、思わず笑ってしまいました。いかに世俗的なトルコと言えイスラム圏で、まさかこのようなシーンがあるとは想像できなかった。最後の章にあった「愛の戯れ」もイスラム圏では大胆ですが、少なくともサウジやイランでは考えられないでしょう。
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鳳山さんへ (mugi)
2018-07-10 21:35:18
 私自身もあけすけモノをいう傾向があるので人のことは言えませんが、荒らしをする者は基本的に構ってチャンだと見ています。アプローチが下手だから相手にされず、それが高じてサイコパスなナルシストやサディストになっていくのかも。

 但し、今回のように殺人まで発展するのは稀なケースと思います。サイコパスは相手にするに値しないので、やはりスルースキルが一番なのでしょうね。
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Re:私も最近そのような目に遭いました。 (mugi)
2018-07-10 21:44:59
>mobile さん、

 せっかく読者登録したにも関わらず、登録解除だけならまだしもコメント全てを削除とは……どんなブロクでどのようなコメントだったのかは知りませんが、何か相手の気が変わることがあったのやら。

 仰る通り、ブログをしているとイロイロあります。荒らしはやはりスルーか削除する他ないでしょう。面識のない者に遠慮はいりません。
 もちろんmobileさんのコメントは荒らしではありませんので、ご安心を。
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