【ノスタルジックじゃつまんない?】

2003年12月生まれ(7歳)
2008年6月生まれ(2歳)の娘の父親です。

46【ウィーン】

1990-02-04 | 【イタリアに恋したわけ】
夕方、ザルツブルクの駅で別れた。

彼女は一泊ここで滞在した後、フランスへ戻るらしい。

お互い、住所を交換した。
初めて目にするハングル文字の住所だ。

キヨシと同じく2月の終わりには帰国するらしい。
キヨシは大韓航空で帰るのでソウルで乗換だ。

もし良かったら連絡してね。と電話番号を付け加えてくれた。

そっか、そろそろ日本へ帰る日が近づいてきているのか・・・。
もう、一人旅も後半戦なんだな・・・。

終わってしまえばあっという間なんだな・・・。

何とか、今夜中にウィーンに到着する列車を見つけ、キヨシはウィーンを目指すことにした。
夜行ではない夜の車窓はつまらない・・・
しばらく、イタリア語の勉強に没頭した。

ウィーンに到着すると、急いで安宿を探さなければならない。
少し離れたところにユースホステルがあったので、そこに決めた。

翌朝、ウィーンの街を散策していると、日本人らしきご夫人に声をかけられた。
「観光ですか?」

一人旅のいきさつなどを話しすると、興味を持っていただいたようで、「カフェ」にご招待された。
「ウィーンに来たからにはこれを食べていって欲しいの」とすすめられた難しい名前のケーキをご馳走になった。

久しぶりに口にする甘いものだった。

ウィーンに来たら、いつでもいらっしゃいねと電話番号をもらった。
どうやら、オーストリアの有名な音楽家と結婚して、ウィーンに長く住んでいるらしかった。

ご夫人に、丁寧にお礼を言って再び街を散策していると、妙な違和感を覚えた。
どことなく、日本を思いださせるような風景だった・・・。

あ!信号だ!歩行者用の信号が日本のと似てる!

そんなウィーンを後に、キヨシはミラノへ向う列車に乗り込んだ。