とまと日記 2011

最近、映画のイラストばっか。気ままに続けます

06.12.15 硫黄島からの手紙

2006年12月16日 | 映画とかと僕
これは日本映画?としか思えませんでした。ハリウッドがいない。
なにしろ白人の顔がほとんど見えないようになっています。
日本映画の何百倍の予算をかけているのに、ハリウッドでは低予算に入る作品。いやいや、低予算と言いながら、こんな描写の日本映画は見たことがない。
さすが製作にスピルバーグが連なっているだけはあって、その描写がすさまじいの一言。。。
彼が監督しなくてよかった。。スピルバーグがメガホンをとると、たちまち『うまい映画』になっちゃう。計算尽くされたかっこいい完璧なカメラワークがよくも悪くも「映画」になってしまう。
イーストウッドは、日本兵のそれぞれの運命を見事にフィルムに焼き付けてくれてます。
外人監督だからできたのかもしれない「天皇陛下、万歳!!」のシーン。
ううううむ。
日本兵が集団自決するシーン。
ううううむ。
渡辺謙と二宮という俳優。
うううむ。
名台詞が多すぎて覚えていないんだけれど、最後の渡辺謙の台詞「ここはまだ日本か?」に、うううううむ!

戦争映画で大概ある、主役が一活躍するわけでもない。彼らは正直あまり戦わない。そこがリアルで辛いんだと思う。
だからリアルに見えたのかなぁ。


二宮くんがよかった。彼はあの若さでパパ役です。しかもパン屋の亭主です。
強くもなく、逃げる。花子との約束のため、逃げる。あの若さでのパパという役柄が、若いお客さんにとって感情移入しやすい役になっていた。
なので、若い人に見てもらいたいという監督や渡辺謙のお話にもっともすんなりくる配役だった。
雑誌CUTで二宮が言っていた、「僕が撮影で抜けている間、嵐は4人でライブをしていた。本国にもどりたいと思う気持ちがかさなったんじゃないかな」的なことを言っていたけど、彼の演技に最後は引き込まれました。彼は役者としての天職があると誰もが言うし、そうだと思う。それが本人の希望する職種なのかどうかは別として。。

中村獅童は大和と似たような性格だと思っていたら、やられました。期待をいい意味で裏切る男でした。

渡辺謙は、正直なところ、あのけわしい表情で叫ぶ演技に飽きてきた…。いや、名台詞のオンパレードはうるうるするんあけれど、なんだかここでもラストサムライ。
でも「ここは、まだ日本なのか?」という屈指の台詞を残した渡辺謙は、まさに貫禄でした。次は優しい役を見たいなぁ。



「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」は2つで1つの作品です。故に同じシーンを視点が変わって出てくることもあります。また、日本とアメリカの対比のすごさに圧倒されます。


父親たちの星条旗は兵士や軍上層部、メディア、帰りを待っている人たちといたように、様々な角度からアメリカ側の「硫黄島」を。
硫黄島からの手紙は、日本兵士から視点を直球で「硫黄島」を見せます。
初めてすぎる体験を映画でご賞味できます。見ていない人はいますぐ映画館へGOすべきです


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