この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#639 「真鶴岬」

2010年01月15日 | 寺社、名所、史跡、祭礼
中川一政美術館を出て、私達は真鶴岬に行った。真鶴半島の先端の三ツ石が見える。
駐車場に車を置いて展望する高台にのぼったが、その短い間私達は強風に吹き飛ばされそうになる。
高台から三ツ石を望む。
途中まで海の近くまで下りて行く階段がある。階段の横に花が咲いている。

私は花の名前をよく知らない。

後に、O夫人が俳句を投稿しているブログを見て、次の二つの句を見つけた。

凍て風に荒ぶる波や真鶴岬 (さゆり)

海辺へと続く磴道野水仙 (さゆり)

なるほど、秀作である。このような光景はこのように詠むものなのだと感心した。

背筋のきちんと伸びたスタイルの良い、グレイヘアの、一見英国の貴婦人に見え、俳句などという日本の伝統文化とは無関係のように見えるO夫人が、このような句を作っているということに私はまた感銘した。

あの花はなるほど野水仙というのだと納得した。

磴道も私は辞書を引いて見た。

とうどう 【磴道】‥
石段のみち。石級 せっきゅう。

とあった。なるほど、なるほどという感じである。

O夫人のことばかり書いて同行している私の妻のことを書かないのは片手落ちになるといけない。

私の妻も、もうずいぶん前であるが、葉山町の句会に参加していて、選ばれて関東大会に出席して佳作で入選し、賞金を頂いたことがある。
そのときの句は、

ふと目覚む百合の香りの強くして

であった。

(英国の貴婦人のように美しい女性だったと私がO夫人を評したが、これも片手落ちになら ないように 私の妻も ちょっと近代的な京美人と評しておこう。ーーーどののような場 合も女性に対する気遣いは大切なことであろう。---)

O夫人と同じ俳句の仲間の共同ブログでO氏も次のような句を投稿していた。

 長谷寺の香煙まとひ三日果つ
 
 四日には親しき友と鴫立庵

 こゆるぎの白波崩る春の音

 百年の画業に打たる五日かな

 凩や初島見ゆる真鶴沖

 百年の画業に打たる五日かな

五日とは1月5日のことで、O氏はこの時は上の句のように、3日、4日、5日と日を入れて俳句を作っていたのである。

木村一政画伯の97歳11カ月の生涯をは百年の画業と詠んでいるのである。

「こゆるぎ」とは大磯の浜のことである。

このあと、みんなで海の見張らせる料理屋で海づくしの昼食を楽しみ、熱海から新幹線で神戸に帰るOご夫妻をJR真鶴駅までお送りしてお別れしたのであった。

O夫人と私の妻が、大学時代からの親しい友人だったようで、その関係から、仕事から離れる年齢になった両方の亭主も仲間に入れてもらって楽しむようになったものである。

楽しい正月であった。




画像:真鶴岬、三ツ石 、野水仙 いずれも筆者撮影 














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