記事上の肩書き

2005-11-26 06:22:54 | Weblog
 女性が事件に巻き込まれ、新聞記事に載る。よくある
話である。

 でね、以前から気になっているのだが、「会社員」とか
「主婦」とか「無職」とか、そういう記事にも肩書きがちゃ
んとつくわけである。「主婦 ×山△恵さん(26)」てな具
合に。

 その中で代表的なやつに「飲食店従業員」てのがある。
「飲食店従業員」。この言葉が、大戸屋で皿洗いしてる
女性や、牛角で「網交換しましょうか」てな仕事に従事し
ている女性を指すことはあまりない。たいてい、ゴージャ
スなヘアスタイルでドレスやスーツを着、おっさんの隣に
座って水割り作るのが仕事の女性である。はっきり言え
ば、「キャバクラ嬢」あるいは「クラブホステス」または「ス
ナック従業員」。なぜこれらの女性を「飲食店従業員」な
どという、ピントのボケた言い方で表現するのか。

 その手の仕事を賎業と定義しており、いわば「土方を
土木工と読み替える」のと同じような感覚で言い換えし
ているのかとも思ったのだが、それならば「風俗店勤務」
というのが、新聞上の女性の肩書きとして堂々とまかり
通ってることと矛盾する。別に風俗勤めの女性を見下し
てるわけではないが、他人に対して「昔××の仕事やっ
ててさ~」てな話題をふる場合、××の部分に「ソープ」
や「ヘルス」をいれるのは結構キツいと思うのだ。「キャ
バクラ」や「スナック」ならたいしたことはないと思うが。

 記事の中で、「キャバクラ嬢 ○沢×子さん(34)」てな
人名が出てくると、必要以上に生々しくなる、ということ
はいえるかもしれない。「職業を細分化することは、いろ
いろな面で差し障りがあるので、キャバ嬢もスナック勤
務もクラブホステスも、一律『飲食店従業員』で統一」と
いうのが真相に近い気もする。

 まあ男の方だって、「会社員」なる肩書き、思いっきり
範囲が広すぎる。企業に雇用されて給与をもらってる人
間ならば全員にあてはまる肩書き。年収が九桁いってる
人間とわたしが同じ範疇にはいる場合もあるわけだ。新
聞記事における肩書き、こんなわけで実体と印象がかけ
離れていることも多々ある。アレだな、職業より年収を記
載した方がより正確な情報を与えられるのではなかろう
か。

「会社員 ×原×武さん(43) 年収550万(推定)」

 より生々しい。