日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021完結編 - 下見

2021-04-22 21:23:29 | 東北
会津に着いた日と同様、第一夜は下見をするにとどまりました。夜桜を眺めて戻ったところです。
282号線は車が少なく線形もよい快走路です。秋田との県境を越えるまで東北道に乗る必要はありません。鹿角八幡平から碇ヶ関の間だけ乗り、そこから先は7号線を下りました。ただし、夜桜を観るつもりなら、今回に限り高速道を飛ばした方がよい状況ではあったのです。それは偏に、消灯が大幅に繰り上げられたことによります。元々は九時半までと発表されていたところ、社会情勢の緊迫化を受け、さらに一時間繰り上げられてしまったのです。高速道を極力使わず走った場合、消灯間際に駆け込むのがせいぜいとなってしまいます。その見立てはおおむね的中し、弘前城に着いたのは消灯のわずか10分前でした。投光器の明かりはすぐに落とされて、その後は青白い街灯に浮かんだ桜を眺めつつ、小一時間ほどかけて戻るというのがここまでの顛末です。そのようなわけで夜桜見物としては中途半端に終わったものの、消灯後の様子を眺める機会もなかなかありません。あと二晩滞在できることを考えても、今夜はこれでよかったと納得しています。
歩いてきたのは市民広場から二の丸、本丸、三の丸にかけてです。四の丸と西濠には行っていないため、全体の半分程度を駆け足で回ったに過ぎないということになります。しかしそれでも下見としては役立ちました。まず気付いたのは夜桜のぼんぼりがないことでした。物騒なご時世につき「自粛」に追い込まれたようです。園内の通路が左右に区切られたのは、順路に従い粛々と歩かせるたの措置でしょう。広場の周囲にロープが張られ、特定の場所以外からは出入りできなくなっていました。その代わり、早仕舞いながらも露店は営業し、広場では飲食も認められています。大人数の宴会が槍玉に挙げられている世知辛いご時世、花見の宴が公認されているのを見たのは初めてです。可能な限り例年に近い形で観てもらえるよう、慎重に検討を重ねた跡が窺われました。飲食店に責任をなすりつけるしか能のない連中は、弘前市の爪の垢でも煎じて飲めといいたくなります。
そのようなわけで、多少の制約はありながらも、あくまで合理的な範囲内にとどまります。しかも桜はまだ満開、その一方で濠には花筏が浮かぶという、一挙両得の状況です。一昨年は着いたその日の晩こそよかったものの、直後の二日が曇ってしまい、その間に桜もほとんど散ってしまいました。しかし明日は終日晴の予報です。華麗な花吹雪を見届けられれば幸いに思います。
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