日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 駿州中屋

2015-09-30 22:48:01 | 晩酌
生活圏内で日頃から世話になっている酒販店といえば、筆頭格に挙がるのが職場の近くの鈴木三河屋、最近ではその番頭が独立して開いた朧酒店、月並みながらはせがわ酒店、自宅の最寄りの鈴傅といったところですが、もう一軒忘れてはならない店があります。寛永年間創業の老舗赤坂四方です。
事前に知らなければ老舗とは気付かないほど、繁華街にはよくある深夜営業の酒販店に見えがちな当店ですが、酒の品揃えには一家言があります。流行の最先端を創り出すはせがわ酒店、鈴木三河屋といった有名どころに対して、ここが揃える酒は流行と一線を画していて、好き嫌いがはっきり分かれるものが多いような気がします。一言でいうなら必要以上にくどく、万人受けする「呑みやすい酒」とは正反対の酒が多いのです。これは取りも直さず当たり外れの差が大きいということでもあり、それが近年自分をこの店から遠ざけてきました。しかし、百花繚乱のひやおろしが蔵出しされるこの時期、あえて冒険するのも一興かと思い立ち、久方ぶりに手にしたのが「駿州中屋」です。
「辛口」を標榜するこの酒ですが、まず印象に残るのは辛さよりも山廃特有の酸味です。熱燗よりもぬる燗で持ち味を最も発揮しそうな味わいは、この酒販店にしては珍しくてらいがありません。万人に勧められるかどうかはともかく、左党には自信を持って勧められる一品です。

★駿州中屋 山廃純米辛口生詰
富士高砂酒造(静岡県富士宮市)
精米歩合 65%
日本酒度 +7
アルコール分 17度
仕込水 富士山伏流水
杜氏 小野浩二
東京都港区 赤坂四方にて購入

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