日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の飛騨を行く 2016 - 嘆かわしい現実

2016-11-13 16:47:03 | 北陸
宮川、神通川に沿って富山平野に下りると、冠雪した立山連峰の上に丸い月が浮かぶという見事な車窓が。富山に到着後、同じホームに進入してきた金沢行の普通列車に乗り継ぎました。
新幹線の開業後、見るも無惨な姿に貶められてしまったかつての北陸本線ですが、413系は少数ながらも残りました。その413系の乗車を兼ねて、高岡で一献傾けようという寸法です。ありがたいことに、やってきたのは北陸色もそのままのトップナンバーでした。

それはよいのですが、またしても嘆かわしい現実を見せつけられました。高架化された在来線のホームが明らかに狭いのです。島式ホームの先端を切り欠いた1面3線なのですが、全体の幅自体がお世辞にも広いとはいえず、特に切り欠かれた部分については列車の通過時を考えると心許ありません。長距離列車が頻繁に発着していた北陸本線時代と違い、短編成の普通列車ばかりとなったことから、この程度の幅で十分と考えたのでしょうか。しかし、ホームが集約された結果、列車が入線するのは必然的に発車の直前となり、この列車の入線時も乗客がホームから溢れんばかりになっていました。この事業者の眼中には合理化、省力化しかなく、安全性、利便性など端から度外視なのだという事実を、改めて見せつけられる光景でした。
事業者の姿勢が論外なのはもちろんです。しかしそれ以前の問題として、このような事業者を野放しにする我が国の交通政策がそもそもどうなのかという疑問が湧いてきます。極度なまでに新幹線に偏重した国策がこのような結果を招いたわけであり、今後も同様の例が出現する可能性は否定できません。悪質な事業者に対しては、是正勧告、改善命令、場合によっては免許の取り消しまで含めた厳しい姿勢で臨むべきだと思うのですが。新幹線を通せば終わり、後は野となれ山となれではあまりに無責任です。

★富山1646/440M/1703高岡

コメント    この記事についてブログを書く
« 錦繍の飛騨を行く 2016 - ひ... | トップ | 錦繍の飛騨を行く 2016 - 居... »

コメントを投稿