日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四国北陸縦断ツアー 続編 - 海浜公園キャンプ場

2019-01-28 21:34:55 | 北陸
四国編から通算してほぼ一月、北陸編だけでも二週にわたった活動が、いよいよ終わりを迎えます。大トリを飾るのは北陸本線キャンプ場こと海浜公園キャンプ場です。
一昨年のお盆に訪ねたとき、炊事場の屋根が跡形もなく取り払われているのに驚きましたが、今回は駐車場が未舗装になるという変化が。舗装をわざわざ剥がしたのか、あるいは砂利を撒いたのか、そもそも何のためなのかが不可解ではありますが、期間外のキャンプ場の街灯は消え、これ以上のことは分かりません。松林の向こうからは日本海の潮騒だけが聞こえてきます。

北陸からの帰りが近年すっかり遅くなってしまいました。かつては白馬で一風呂浴びてから帰るのがお約束だったにもかかわらず、今やこのキャンプ場を出るのがほぼ同じ時間帯です。帰着は当然丑三つ時となります。このようなことになった根本的な原因として、日没後に立ち寄る場所が増えすぎたという事実を挙げることができます。まず生地、次いで園家山に立ち寄り、入善で腹ごしらえを済ませ、さらに一風呂浴びてここに寄るため、よくよく考えれば時間が押すのも当たり前です。あいにくの雨にたたられ、粛々と移動するしかない以上、今日こそ早く帰れるかと思いきや、全くそのようなことはなさそうです。
それでも立ち寄らずにいられなかったのは、ここが自分にとって何物にも代え難い思い出の残る場所だからに他なりません。荒天の中を走ってきて思い出したのは、ここで過ごした新幹線開業前夜、すなわち北陸本線最後の夜です。新幹線に役目を譲って引退する北陸特急を、このキャンプ場で見送るつもりが、雨にたたられ散々な目に遭ったのでした。
あのときに比べれば、今日の天候などどうということはありません。何しろ、一瞬でずぶ濡れになるような土砂降りが続き、列車が通る瞬間以外は車内で待機するしかありませんでした。おまけに気温も1度しかなく、雪混じりの強風が山側から容赦なく吹き付けていました。その点今日はわずかながらも気温が高く、雨もようやく収まってきました。しかし、運転に難儀するほど降られ続けたのは同じであり、園家山の雷雨も相当なものでした。それだけに、あの晩の出来事がふと思い出された次第です。
翌日は掌を返すように日本晴れの空が広がり、北陸新幹線も華々しく開業したものの、その陰で見るも無惨な姿に貶められたかつての在来線の有様を見せつけられ、愕然とさせられたというのがそのときの顛末です。その結果、あの晩のことは直後の無念さ、やるせなさ、憤りとともに記憶され、必ずしもよい思い出とはいえないものとなってしまいました。しかし、あの晩のことだけを捉えれば、もちろん忘れがたい記憶には違いありません。無情の雨にたたられた今日のことも、いずれは懐かしく思い出されそうな気がしています。

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