日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北関東駅めぐり 2016師走 - 國酒の仕業

2016-12-30 19:30:56 | 居酒屋
宿で一風呂浴びてから「國酒の仕業」にやってきました。七時過ぎという、呑み屋が最も混み合う時間帯です。果たしてカウンターは奥の二席を除き埋まっており、こちらは一番奥に着席。程なくして隣に一人客が入り、カウンターはこれにて札止めとなりました。その後テーブルも埋まり、二階の座敷も埋まったようです。10時で看板ということは、このお客が引けてから来るという選択はあり得ません。しかも隣り合わせた御仁によると、同行者の分をキャンセルして一人になったとのことです。つまり元々は予約満席だった可能性が高いわけで、当日に滑り込めたのはまさに僥倖だったことになります。

電話を入れたとき、おまかせの分量は適宜調整できるとの案内がありました。そして席に着くと再び同じ趣旨の案内が。限界になった時点で止めてもらえば、その分の予算は調整するとのことです。つまり余力を残して切り上げ、次へ移るという選択も採りうるわけです。しかし、滅多にない機会ならば、この店のおまかせを一通りを味わうのが吉というものでしょう。はしご酒という選択はひとまず捨て去り、この店で存分に飲み食いするという方針を立てました。しかしてこれが相当な充実ぶりです。
あん肝、天麩羅、白焼きといった外れのない品々に、鶏の酒粕焼など一ひねり加えたもの、さらには東北の郷土料理が加わり、刺身も鮪は漬けに、タコはレモン塩にするなど一手間加えられているのは心憎いものがあります。先日訪ねた「麺房亭」ほどではないにしても、その直後に訪ねた「鳥玄」のおまかせに匹敵する分量があり、最後の蕎麦をすすったところで、すぐには立ち上がれないほどの満腹感が押し寄せてきました。
今回気付いたのは酒が明らかに値上がりしていることで、最も多いのが900円、高いものでは千円以上の品も少なからずありました。それにもかかわらず五千円台の前半で済んだということは、おまかせが3000円相当ということです。他店では法外な値がつきかねない希少品も、手頃な価格で呑めるのがここのよさでもありましたが、一部の連中がそれを逆手にとったことから、酒については他店並に引き上げる一方、その分肴の値段を下げたのでしょうか。試行錯誤が続いているようではありますが、この日の盛況ぶりからしても、軌道に乗ってきたのは間違いなさそうです。

それにしても、店主と女将は毎度のことながら大袈裟すぎるほどに歓迎してくれます。それは米沢の「河岸や」時代からの付き合いであることに加え、瓢箪から駒としか言いようのない偶然の出会いに奇縁を感じるからでしょうか。相当な居酒屋通と見られていることについては、買いかぶりのように思われてなりませんが、もちろん光栄なことではあります。帰り際にはかなり高価なお土産まで頂戴してしまいました。戻り次第ありがたくいただきます。ごちそうさまです。

國酒の仕業
宇都宮市大通り5-2-8
028-612-4992
1800PM-2400PM
日曜定休

六根浄・澤姫・貴・巌
お造り三品(鮪・蛸・鮑)
天ぷら四品(鱈白子・河豚白子・ふきのとう・玉子焼き)
牡蠣酢・もずく酢
あん肝
穴子白焼き
鶏の酒粕焼き
豚バラ塩煮
合鴨ソテー
玉こんにゃく
いぶりがっこ
もろきゅう
もりそば

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