日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021続編 - 上杉神社

2021-04-16 22:34:00 | 東北
結果として、「加津」を訪ねた時間は絶妙でした。先客が出た直後に収まって、心行くまで飲み食いすると、看板とされた九時半まであと少しのところだったからです。しかしその後は覚悟していた現実に直面します。「河岸や」の明かりが10時を前に早々と消えていたのです。悠長に夜桜など眺めれば、心当たりのある二軒に揃いも揃って振られたでしょう。幸か不幸か、先を急ぐ理由はこれでなくなったため、後回しにしていた夜桜を観賞します。上杉神社を訪ねました。
後回しにできたのは、投光器の明かりが落ちても楽しめることを知っていたからに他なりません。むしろ、投光器が消された後こそ真骨頂と思います。投光器に代わって灯る橙色の街灯に城址と桜が浮かび上がり、濠の水面に映る様子は、何ともいえず幻想的かつ情緒的です。あれさえ眺められればよいと割り切れたのが、呑み屋へ急行できた最大の決め手といっても過言ではありません。
会津盆地より少し遅れて咲くことから、当地ではまだ見頃かもしれないと密かに期待していました。桜はその期待通りに満開を保ち、しかも適温無風という夜桜にはお誂え向きの条件が揃いました。鏡のような水面に明かりが映る光景は、まさに自分が思い描いた通りです。
満開、適温、無風こそが最良で、その他が劣るということではありません。花筏が渦巻く散り際もよいものです。小雨が降ったり止んだりして、水面がその都度移り変わるという光景をここで目にしたこともあります。しかし、花見をするのも二年ぶりということになれば、これこそまさに最良だと言い切りたいのが本音です。明日については多くを期待できないものの、夜桜だけでも楽しめたことを幸いに思います。
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