下で紹介しておりました4月からのデジタルハリウッドでの講師の仕事、
http://blog.goo.ne.jp/moriphy/e/515f0ec29820cda0e386c24577d54b98
これが、中止となりました。
理由は単純。学生が集まらなかったっ。
「人数が足りない」という話ならともかく、学生が一人も私の講座を決めなかった、というのですから、今じゃすっかり諦めもつきました。
「アニメーターの技術の体系化の実践」という私の長年にわたる野心は、かつてジブリや、あらゆる場で実現できず、今度こそはと思っていたのですが、またしても頓挫。あらためてその難しさを思い知らされたというわけです。
先日、デジハリの担当者にはひらに謝られてしまって、申し訳なかった。ほとんどこっちのせいみたいなものなのに。
この結果については、いろいろな分析をしてくれていました。宣伝期間の短さや、専門コースの20~22歳という年齢層。これは職業的な実効性を重視する世代で、これが私の狙いと合わなかったのではないか、とか。
自分がやろうとしていたことはあらゆるアニメーターのために有用であることに自信はあったのですが、それを伝えて理解してもらうには至らなかったというのが私の結論です。
2月に開いた体験講座では、私のカリキュラムの中から、短い時間でも取り組みやすい、物理現象をテーマにした課題に、十数人ほどの学生が挑戦してくれて、その時は気にしなかったのですが、
「CGでシュミレーションできる時代に、物理現象をわざわざ手描きで描いて意味はあるのか?」
という質問が出たこと自体を、私は反省すべきだったかもしれません。マラソンの選手たちに、
「さあ、これからトレーニングだ」
とランニングをやらせようとしたら、
「車やバイクのある時代になぜ走るの?」
と言われたようなものですから。
ロジックが先行して、「そんなもの机上の論理」と批判されるのを恐れて、課題の必要性、論理性の説明を出し惜しみしていたかもしれません。やろうとしていることを理解してもらうために、今後はロジック先行もやむなし、と思ったし、これを仕事として考えるというよりは、仕事場で日常的に取り組む方法を考えるほうがよいのかなとも思いました。
また、私の手描きのアニメーションとデジタルハリウッドという場がミスマッチを起こしたという面はおそらく確実にあると思うので、一部友人から出ている、
「ひとりで部屋を借りて、教室を開けばいいじゃないか」
という声にも気持ちを開き、そうした自主独立の態度というものも、今後は自分の中に育てて行かなければいけないな、と思います。
デジタルハリウッドからは、専門コースではなく、大学の方で講座を持つことを勧められました。その中では、動画の講座を担当することも勧めれたのですが、動画のノウハウだけを縦割り的に切り取って学生に教えるというやり方に、私はかねてから抵抗がありましたので、それはやらず、何か演出論のような講座をやることを考えています。
これが自分の本当にやりたいことか?と言われたら迷いますが、演出論のないところにアニメーターのノウハウだけがあるという矛盾した状況に陥ってしまうことに比べれば、まずは演出論から、という順序は順当と言えるかなとも考えました。
私の”今年の抱負”は、4月半ばにしていきなり頓挫、というよりは、完全に仕切り直しとなったのですが、これでしばらくは「ぼくらの」の監督業に集中できるというわけです。
http://blog.goo.ne.jp/moriphy/e/515f0ec29820cda0e386c24577d54b98
これが、中止となりました。
理由は単純。学生が集まらなかったっ。
「人数が足りない」という話ならともかく、学生が一人も私の講座を決めなかった、というのですから、今じゃすっかり諦めもつきました。
「アニメーターの技術の体系化の実践」という私の長年にわたる野心は、かつてジブリや、あらゆる場で実現できず、今度こそはと思っていたのですが、またしても頓挫。あらためてその難しさを思い知らされたというわけです。
先日、デジハリの担当者にはひらに謝られてしまって、申し訳なかった。ほとんどこっちのせいみたいなものなのに。
この結果については、いろいろな分析をしてくれていました。宣伝期間の短さや、専門コースの20~22歳という年齢層。これは職業的な実効性を重視する世代で、これが私の狙いと合わなかったのではないか、とか。
自分がやろうとしていたことはあらゆるアニメーターのために有用であることに自信はあったのですが、それを伝えて理解してもらうには至らなかったというのが私の結論です。
2月に開いた体験講座では、私のカリキュラムの中から、短い時間でも取り組みやすい、物理現象をテーマにした課題に、十数人ほどの学生が挑戦してくれて、その時は気にしなかったのですが、
「CGでシュミレーションできる時代に、物理現象をわざわざ手描きで描いて意味はあるのか?」
という質問が出たこと自体を、私は反省すべきだったかもしれません。マラソンの選手たちに、
「さあ、これからトレーニングだ」
とランニングをやらせようとしたら、
「車やバイクのある時代になぜ走るの?」
と言われたようなものですから。
ロジックが先行して、「そんなもの机上の論理」と批判されるのを恐れて、課題の必要性、論理性の説明を出し惜しみしていたかもしれません。やろうとしていることを理解してもらうために、今後はロジック先行もやむなし、と思ったし、これを仕事として考えるというよりは、仕事場で日常的に取り組む方法を考えるほうがよいのかなとも思いました。
また、私の手描きのアニメーションとデジタルハリウッドという場がミスマッチを起こしたという面はおそらく確実にあると思うので、一部友人から出ている、
「ひとりで部屋を借りて、教室を開けばいいじゃないか」
という声にも気持ちを開き、そうした自主独立の態度というものも、今後は自分の中に育てて行かなければいけないな、と思います。
デジタルハリウッドからは、専門コースではなく、大学の方で講座を持つことを勧められました。その中では、動画の講座を担当することも勧めれたのですが、動画のノウハウだけを縦割り的に切り取って学生に教えるというやり方に、私はかねてから抵抗がありましたので、それはやらず、何か演出論のような講座をやることを考えています。
これが自分の本当にやりたいことか?と言われたら迷いますが、演出論のないところにアニメーターのノウハウだけがあるという矛盾した状況に陥ってしまうことに比べれば、まずは演出論から、という順序は順当と言えるかなとも考えました。
私の”今年の抱負”は、4月半ばにしていきなり頓挫、というよりは、完全に仕切り直しとなったのですが、これでしばらくは「ぼくらの」の監督業に集中できるというわけです。
非常勤講師も勤めながら、若い人と接するチャンスがあり、特に感じたのは「見ることがたりない」。そして、考えなさ過ぎです。
でも、一部の若い人はやはりがんばってますから、WEBというメディア経由に広がっていく方法もありと思います。
CGに関しても、最近海外のほうが飛び抜かれてるようなきがしてますので、アニメのCGに関しては各スタジオの交流がぜんぜん足りないと思います。それで、WEBでアニメ関係のCGコミューを立ち上げる準備をしてます。
その努力は必ず受益してる方は広がって、将来的にはジャパニメに有意義になると思います。森田さんもがんばって挫折しないでください。
「ぼくら」は楽しみにしてます。
HPのプロフィールを見ると、かなり近い環境で仕事をしておられるようで、失礼しました。
そうした方にこのブログを読んでもらえているとは嬉しいですね。
とても励まされました。
>CGやってますけど、手書きの重要さを痛感してます。
>自分のためにもスタッフのためにもCG部屋に作画机を一台を練習用に置いてます。
そうそう、ゴンゾの3Dスタッフにも動画用紙に動きを描かせたいものだと思ったことがあるのですが、まさか本当にやっている方がおられるとは思いませんでした。
>CGでも手書きでも基本的デッサン力がないとできないものだと思ってます。
どのような時にそれを実感するのでしょうか・・・?
興味があります。
>動きに関しては、作画のうまさ自由度はずーと上です。
ふむ。それはある程度描ける人の言葉とお見受けしました。
>非常勤講師も勤めながら、若い人と接するチャンスがあり、特に感じたのは「見ることがたりない」。そして、考えなさ過ぎです。
私がやりたいのは、まさにその考える道筋を教えることです。
>でも、一部の若い人はやはりがんばってますから、WEBというメディア経由に広がっていく方法もありと思います。
私はその分野については全然分からないのですよ~。
>CGに関しても、最近海外のほうが飛び抜かれてるようなきがしてますので、
たとえば韓国も3DCGはレベルの高いのがあったと思います。
>アニメのCGに関しては各スタジオの交流がぜんぜん足りないと思います。それで、WEBでアニメ関係のCGコミューを立ち上げる準備をしてます。
具体的にどんな場になるか想像もつきませんが、
立ち上がりましたら教えてください。
>「ぼくらの」は楽しみにしてます。
ありがとうございます。
3Dの感想など、聞かせて欲しいですね。
あと、ぼくらののことも出来るだけ書きますので、
今後もよろしく!
WEBというメディアを無制限無国籍で広いって言う意味で、誰でもいつでもそれを読めるわけですから、もしこれから何かのアイデア、経験、主張などを広げていきたいならば、これは最高に適合だと思います。
経験といえるほどなものはまだ持って無いですけど、アニメCG技術的な面で自由に交流できる場所があるといいなと以前から思っていたので、やり出そうとしてるところです。
上述アニメCGコミューのWebの準備はとりあえず夏までと考えてますが、ボランティアみたいな物なので、夏までの劇場を一先ず優先し、仕事の合間でやります、遅くても今年中に立ち上げたいとの目標です。
そうですね。韓国もフランスも国際的に質の高いCGアニメが沢山出てますよね。自分たちも頑張らないとですね。
CGでジャパアニメの表現を受けつこうと考えて、アニメータの方々のご理解とご協力で、実験段階でスタートしてるところです。前途は艱難ですけど、面白いと思いますので頑張ります。
こちらこそ、これから宜しく暖かくも守ってくださいね。
ライティングや観察の話もよくわかるお話です。
私は、20代の後半原画として壁に当たっていた時、デッサンには取り組んだんです。
走れメロスをやっていた時、原画の三原三千男さんが教えてくれた
「Natural Way Drowing(デッサンの道しるべ)」という本が、デッサンについて学ぶのにとても役に立ちました。
これはデッサンの技術が体系的なカリキュラムによって自然に身に付くという本で、デッサンの指南書としてはNo.1ではないかと思ったのです。デッサン力というある種の才能を解体し体系化することに成功している。
で、これに例えて言うならば、私がデジハリで確立したいと思っていたのが、これのアニメ版
「Natural Way Animating」だと言えます。
と、つい先走って書いてしまいますが、これは必ず、場を作って人を集めて顔を合わせて試し、実践していきたいと思っているのです。
たとえばアニメーターの通信講座みたいなものはやりたくない。やはり、アニメーター同士顔を突き合わせてああでもないこうでもないとやるのがいいと思っています。人が集うことによるパワーって言うか。
WEBのお話は面白そうだと思っているのですが、意見を一方向にまとめて行くのには向かないのが、WEBだろうと考えます。そのかわり、いろんな意見やアイディアを広げていくのにはおっしゃるとおり最適でしょうね。
アニメCGコミューに何かしら前進がありましたら是非お知らせください。
成功を祈っております。
映像の勉強をしている者です。
監督の演出論が大変ためになるので、興味深く読ませていただいております。
>「ひとりで部屋を借りて、教室を開けばいいじゃないか」
もし、現在のお仕事がひと段落して、
こちらの授業を行う余裕ができましたら
場所をお貸しいたしますよ。
「ぼくらの」頑張ってくださいね!
それではまた。
物理現象を理解したうえで、ポーズやタイミングを
誇張して良いアニメーションを作る努力をしていますが、まだまだ自分自身に基礎の知識や技術の不足を
実感している毎日です。
森田さんの演出論講座にはとても興味があります。
実現の際には是非参加したいです。
「ぼくらの」製作頑張って下さい。
この曲から伝わるイニシアチブは90年代から何も進まない現代(映像表現や音楽にしても、メディアとしての)今だからこそ今の子供たちにアンインストールという現代の言葉で間口を広くしてくさいですけど本当の命を表現してると思いました。
えてして原作は知らないから言えたりするものですけど、サッカー好きの男の子が死ぬ所は、彼が主人公だと思わせる位感情移入させて欲しかったです。尺が短いんで、一話はこうなってしまうかもしれないけど…ただ原作にないセリフというよりも自分の感性を持って原作を忠実に再現するのではなく、もっとSになれば良いと思いました。これからの話はわかりませんが、多分アンインストールってそういう意味ではないかと…
エグイ表現はテレビ上出来ないですが、心に残る痛さそれに間逆する感動(わかってらっしゃると思いますがギャップ)を表して欲しかったです。
ただ私も現代のドラマにとても不満をもっています。
同じことを繰り返さないでいきたいと…
畑違いで表現力が実写よりなくてはいけないし、逆にアニメはなんだって出来ます。これからもがんばって下さい!!
http://jp.youtube.com/watch?v=UkqBKmiGdDQ
に3DCGアニメ制作現場の興味深い(?)映像がありました(別のサイトから転載した)。「星のカービィ」というアニメの制作現場です。
ある3DCGアニメーターのブログによると、公務員から転職したばかりの人が契約社員としていきなり「星のカービィ」の3DCGアニメーターをやっていたりと、何だか3DCGアニメーターって、ものによっては誰でも出来そうですね。そのスタッフによれば休日出勤とか当たり前らしいですけど。
http://www.dyna-method.com/
参考に…ならないか。