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スズキ RG50(空冷・初期型) 燃料タンクのFRP樹脂補修 穴埋め・コーティング編

2024年06月01日 | 日記
タンクのサビ取り・下処理が終わりましたので、今度はサビ穴の補修と、タンク内のコーティングに。
用具は前回でご紹介したこちらですね~。



 赤丸 ~ 耐ガソリン ポリエステル樹脂
 青丸 ~ 空乾剤(パラフィンワックス)
 黄丸 ~ 硬化剤(ノンパラフィン)
 緑丸 ~ ガラスマット(#240)

下処理(リン酸処理)が済んだタンクはこちら。



サビ穴の状態により、ガラスマットをサビ穴(穴が点在する範囲)が隠れるサイズにハサミで切って用意します。
下の画像の青丸で囲んだサビ穴の大きさと点在状態の場合、樹脂塗布のみでは穴に流れ込んでしまってなかなか塞げないんですよ。



樹脂はメーカーによって硬化剤などの割合や硬化速度などの特性が異なりますので、必ず確認してください。

樹脂の準備、主に作業で使うのはポリエステル樹脂・硬化剤・計量カップ・平筆・ピペット・マドラー。
今回のタンクの状態での例ですが、50mlほど樹脂を計量後、ピペットで硬化剤を計量(添加1%なので0.5ml)、樹脂に添加します。

この樹脂はいわゆる「ノンパラフィン」、積層用(下地用)の樹脂。

マドラーでよく混ぜ合わせ(混ぜ合わせると樹脂の色が変化します)、平筆でサビ穴付近に薄く樹脂を塗布、数分放置します。
今回使用した樹脂は、硬化剤添加後の硬化開始までの余裕時間は約30分でしたので、この間に作業しなければならないので素早く(笑)

塗布した樹脂に触れ、表面がねばつく感じになり始めたら、丁寧にサビ穴付近に用意したガラスマットを浮きが無い様に貼ってゆきます。
そして、ガラスマットの上から再度、樹脂を平筆で塗り、数分置いてねばつき始めたら、2回以上塗り重ねます。

で、硬化するとこんな感じでサビ穴が塞がるんですね~。





ちなみにカップに入れた樹脂がゲル状(プリンの柔らかさ)になり始めたら硬化が始まっていますので、新たに樹脂を作製した方が無難です。
この作業が終わったら、完全に硬化するまでタンクを保管、私の場合は丸1日放置(笑)

次にタンク内のコーティングにかかります。
燃料コック取付部を仮にマスキングテープで塞ぎ、タンク外装をマスカーなどで養生します。

養生の状態はこんな感じ、ご参考まで。



次に樹脂の作製、今度はインパラフィン、先ほどのノンパラに空乾剤を添加するのが違い。
RG50のタンク容量(8.5L)では、内部コーティングに使用する樹脂量は約200mlで余りが出ます。

計量カップに樹脂(200ml)を取り、空乾剤(添加5%、10ml)、硬化剤(添加1%、2ml)をピペットで計量し添加、マドラーでよく混ぜ合わせます。
そしてタンクの中へ半量(約100ml程度)流し込み、タンク本体をハンドリング、タンク先端や接合部など狭い箇所に樹脂が行きわたるように操作します。

ある程度樹脂が回ったら、残りの樹脂を投入、ハンドリングしてタンク内部を全体的にコーティング、その後数分静置。
静置後、タンクの底に余分な樹脂が溜まりますので、燃料コックを塞いでいたマスキングを外し、空きカップなどに排出、これでコーティング作業は終了。

タンク上部を一部切開したのは、内部のサビ取りを十分に行う為もあるんですが、このコーティング作業でも内部が確認しやすく、確実なんですね。
余裕があれば、この余ったインパラ樹脂を外装の養生を取り除き、サビ穴補修したノンパラ樹脂部分に平筆で塗布して仕上げると、手間も樹脂も節約できます。

タンク内はインパラ樹脂で1回仕上げ、サビ穴補修はノンパラ塗布 → インパラ塗布で2回仕上げという感じ。
これで全体的なサビ穴・コーティング作業は終わり、今度は切開部分のアップリケ(当てもの)接着です。

アップリケのサイズを採寸。



そして、切開部分の周囲を接着性を良くするために軽くサンディング。



次にアップリケ作製、タンクの鋼板厚みは約1.2mmですが、使用したのはホームセンターで購入できる建材用の軟鋼板1.6mm(300mm×300mm×1.6mm)。
切開部より四方約10mm大きめ、貼りしろを設ける為です。

これをプラハン・木材(板金時の枕)・万力を用いて曲面加工、こんな感じですね~。







タンクの曲面に馴染むようにほぼ同じ曲率にするのがコツ、タンクのサンディング部分とアップリケを脱脂、ここから樹脂を使用します。
アップリケ内側の貼りしろをマスキング、内面側にインパラ樹脂をコーティング。



サンディングした部分及びアップリケの貼りしろにノンパラ樹脂を塗布、樹脂に粘り気が出始めたら貼り合わせます。
約1時間ほど静置、タンクとアップリケの貼り合わせ面にピペットでノンパラ樹脂を流し込み、完全に隙間をシールします。



樹脂の完全硬化を待ち、ノンパラ樹脂塗布部分にインパラ樹脂を塗布、仕上げて終了(笑)
最終的にこんな状態です。



ここでまた完全乾燥待ち、その後、外装の樹脂のムラをサンディングして整えます。



これでタンクの樹脂補修工程は終わりですが、あくまで私自身の方法ですので、ご参考までに(笑)
まあ、今まで色々な方法でタンク補修したのですが、DIYでやるならこれが一番確実で長持ちするので落ち着いた感じです。

タンクを切開しない場合、花咲かGなどのサビ取り剤で内部処理しても、短期間で処理しきれていない部分からコーティングが剥がれてガソリンがサビ色になっているか、サビ穴が再発して漏れてくる事がほとんど。

タンク自体の形状がサドル(鞍)状になっていますし、板金の絞りがキツイ部分もあるので、給油口からでは内部の状態の確認はほぼ目視できないですから。
旧車のタンクは時代的に鋼板の質と表面処理が甘いので、新品同様で倉庫から発掘されても内部はサビだらけなんてあります(笑)

今回、タンクの外装は余り物のアンダーコートを塗装する為にかなり荒っぽく仕上げていますが、純正タンクの様な仕上がりを求める場合は、これにポリエステルパテ盛り・サンディングなどの手間が更に加わりますので、コッチの方が大変かも(笑)

ちなみに、ポリエステルパテは今回使用している耐ガソリン用樹脂にタルク(滑石)粉末を任意量加えると作成できます。
では、また。
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