内と外

中性よりの人間から見える世界から
「境界線」の性質を探ります

人間のシンプルな仕組み

2021-02-19 22:39:07 | ビジネス境界線
人間は複雑そうに見えて
謎が溶けてみれば
いたってシンプルに出来ている

私は自己肯定感が恐ろしく低かった

その理由を大人になってから
何年もかけて探ってきたが
随分とシンプルに解決した


母親からの愛が不足していたからか
とか
小さな頃に思い出せないくらいの
トラウマがあるんじゃないか
とか
よくある類いのものを疑いながら
随分と探ってきたが
解答はもともと自分である程度
分かっている環境の話だった


兄との比較

ここに問題がずっとあったのは
わかっていたのだが
ここを素通りしてきた理由は
本当の自分の気持ちを
表した言葉で思い出すことが
出来なかったから
ということが
終わってみたらわかった


親の愛情が兄の方が注がれていた
私もその愛情が欲しかった
とか
兄へ嫉妬し恨んでいた
とか
全部違い

「何でお兄ちゃんだけだけずるい」

この感情が全てであった

「ずるい」と両親を憎んでいたのである

悲しみとか嫉妬とかではなく
「怒り」と「憎しみ」である

「兄に与えた利権と同様の利権が
私にもあるはずだ」
こう思っていたのである


幼稚園に入る前の記憶として
とんでもなくたくさんの記憶が
残っている

不公平だ
ずるい

全てこの感情によって
保存された記憶である


さらに兄が難病であったために
それを表だって言えない雰囲気との間で
幼稚園児にして葛藤をしていた
この気持ちは間違いなく抑圧され
冷凍保存されてきたのだ

小学校になってもその感情は続き
兄は元気になっていたが
明らかに常に家族の中で
待遇が違うことに
不平等さを感じてきた

いつも私は兄のために開かれたイベント
の「ご相伴」と親から言われてきた

その不平等さへの怒りはいつしか
理由が分からない不安へと
形を変えていった

「なぜ私は不平等に扱われるのか」

その理由を
「拾われた子」
「養子」
という可能性まで真剣に考えていた



小学校の中学年の時に
決定的な事が起きた

私は試してみたのだ

私と兄の塾帰りに車で母が迎えにきた
いつものように兄が食べたいといって
人気の餃子店の餃子を母はすぐに買い
帰宅した

私は車のなかで眠くなり寝てしまった
家についてもまだ眠かったので
リビングの隣の部屋で続けて寝ることに
決めた

寝てみると意外と早くに目が覚め
隣の部屋で両親と兄が夕食を食べはじめていることがわかった

私もすごく腹が減っていたので
すぐに食べにいこうと思ったのだが

すぐ隣にいる私が感じる
私がいない家族の夕食の音と光は
何とも幸せそうに
笑い話し楽しんでいるように
感じられた

そこで私に考えが生まれたのだ
「やはり私はただの邪魔者なのかもしれない。今まで不平等な扱いを受けてきたのは本当なのだ。今それが真実であることを試そう」

私は寝たふりをし続け
この楽しそうな家族を
観察し続けることにした

そして一方で心の中で
「夕食が終わる前に私を起こしに来てほしい 一緒に食べようといってほしい」
そう願っていた自分もいた

ずいぶん長い時間が過ぎた

夜の19:00から21:00の間くらい
私は寝たふりをしながら
楽しそうに餃子を食べながら
談笑する家族を監察し続けたのだ


そして私は起こされなかった

私も恐らく21:00頃にはまた眠くなり
悲しさと寂しさを感じながら
もう一度眠りについてしまった

そして次に起きた時には
宴は終わっていた

シーンとしたリビングの奥で
母がキッチンで洗い物をしている

私は空腹も限界で
「餃子食べる」といって起きていった

その時に母から言われた言葉
「あなた起きないから
全部食べちゃったわよ」


私はこの時はじめて
目に見える形で
不平等の証明に成功したのである

私はその瞬間をずっと見届けた



この時から私は不良になった


自分の心は暴力的なものを
嫌っているのに
不良的なものに憧れていった


不平等が証明された今
私にとって必要だったのは
理由だった


成績も兄と一緒
もしくはそれ以上の時もあった

兄ほど真面目に勉強はしなかったが
結果は出していた

強制された塾や習い事も
本当に苦しみながら
なんとかこなしてはいた

だからこそ理由がわからなかった

ずるい
不平等

何でなのか
私の何が兄と違うのか


その結果
私は私を納得させられる理由を
自分で作る方法を無意識に考えたのだ

「地位が違う」

私はこの家族の中で
最も低い地位だから
不平等であるのだ

そう思えることで
この
「理由がわからない不安」を
解決しようとしたのだ


その結果が自分を不良にし
明らかに兄とは違うのだ
ということを
両親にも
自分にも
親戚にも
周知の事実として作り出そうと
考えたのである



私は結果
自分の地位を下げることに成功した

親戚からは出禁扱いになり
学校や警察へ謝りにいかされる両親も
私に触れることを避けるようになった


私は不平等である理由を手にいれたのだ



しかし同時にそれは諸刃剣でもあった

地位の下がりに下がった自分を
自分自身が受け入れる事が
出来なかったからだ


俺はこんな人間じゃない
逆に自分を自分で苦しめることになった


でも両親からの不平等の扱いを
証明するためには
この方法しかないのである


そして高校を留年し
中退するしかない状況までいき

私は自分の人生が
本当に取り返しのつかなくなる寸前で
それをストップした

再起をかけて一生懸命
這い上がろうとした

死ぬほど苦しかったが
卒業をぎりぎり目指した


そして
この家にいたらおかしくなる
とにかくこの家を出たい


地位が低いまま
不平等を受け入れた人間のまま
「大学に行かせてほしい」
とお願いをした


兄は難関大学のエリート
そして大学院まで決めていた
そこまでの道のりに
かなりの金がかかっていた


親は困っていた
車を買おうと思っていたと言われた
露骨に複雑そうな顔をされた

最終的に
それを取り止めて
大学の学費を出してくれた


この扱いを私は勿論不平等だと
感じていたが
この時私はもう自分で地位の低さを
認めていた

だから
「この私めに
金を出して頂き誠に有難うございます」「いつかこの恩返しが出来るよう頑張らせていただきます」

私はもう卑屈な惨めな人間になっていた
一見改心したかのような行動は
そうではなく逃げたかっただけである

そして格下げした私と私が
完全に同化しそれは完成していた


それがまぎれもない「私」であり
大人になってからも
随分と長い間続いてきた
自己肯定感の低さの原因であることが
ようやく今スラッと
わかってしまった




小さな頃の記憶は
必ず大きな重大な感情が隠れている


それがすべてのマスターキーとなって
私という人間の自我が
どういう仕組みで作られているのかが
つるんとわかってしまう



人間なんて本当にシンプルだ









自我の防御機能

2021-02-19 21:25:36 | ビジネス境界線
自我は自分を守るために
拡張自我を作り出す

それが何層にも積み重なって
鎧の効果を持つ


では一番内側の自我が何を
守っているのかというと

生命の死である

生命の死を守る自我は

生命というものを認識した瞬間から
恐らく生まれる

生きているものと
生きていないものの区別こそ
大抵の場合の基本的な自我である


精神病はこの自我が
うまく形成されていなかったり
他の自我に主権を奪われてしまうと
生命にとって生きづらい状況が
生まれる


生命を守るために
自我が存在している