株式会社を主に
営利企業は決算書からは
離れられない
いわば通信簿としての
その役割は
この位置にかわるものはなく
企業情報の最たる交換手段であることは
言わずも知れた社会の現実である
だからこそ
この決算書については
「それ」自体についての
見せ方のノウハウ
読み方のノウハウ
分析手法や利用方法など
あらゆる方面から
経営者
専門家
ハウツー本
コンサル
研究者
といった様々な立場から
数字そのものの「それ」
について
色々な論理が語られる
こうなってくると
ある一定必ず現れるのが
数字を数字として捉える
という見方をする考えだ
この数字とこの数字を足して
この数字の6倍以内なら安全とか
この数字が一定ラインを切る事は
絶対に許されない
といった
いわゆる数字遊びの世界である
そういったものの中に
例えば
決算書というのは
利益をどれだけ増やすかが大事だ
利益を増やすには
売上を上げて
費用を減らせばいい
という考えがある
これは日本ではかなり有名な
プロ経営者の論理だが
これを教科書のように聞いて
その通りだ
と実行する会社が後をたたない
こんな幼稚園生でもわかる理論を
純粋に受け止めてそうすることで
利益が増えると考えて
実行している愚者がいることは
本当に全くもって信じられないことだ
決算書というのは
一定期間の企業活動を表した結果であり
いわば企業の生命力を表した
生々しい数字である事を
まず理解する必要がある
一人の人間で考えてみるなら
簡単な話だ
例えばサラリーマンにとってみれば
売上という給与をあげて
経費というあらゆる支出を削る
そうすれば貯蓄が増える
という理論となる
計算式としては合っているが
これを自分が実行するとなると
不可能であることは
誰でもわかることだ
サラリーマンが
給与をあげるため方法は
1成果連動型の契約を選び結果を出す
2圧倒的な組織へのコミットを達成する
3圧倒的な能力を身につけて交渉する
4副業
1 2 4は職場環境が変わらない限り
自分でコントロールしようと
すれば転職し続けるかない
転職というのは
コストもかなりかかる事だと
理解している人は結構少ない
引越に伴うあらゆる費用
仕事服
損失となった賞与や退職金
など100万を軽く超えてくることも多い
また副業は言わずもがなだが
結果やコミットで収入を得るために
は時間が犠牲となることが多い
この犠牲にした時間により
外食が増える
クリーニング代がかさむ
タクシー代が増える
車が必要になる
室内乾燥機が必要になる
体を壊したら医療費もかさむ
とあらゆる生活面でコストが
増えてしまうのは想像に固くない
3 については職場以外で
技術を身につけたり勉強したり
することだ
その上で会社と交渉をするという
大きな砦も最後に残っている
これもまたお金がかかる
要するに
売上を増やすために
何かしら行動を起こすと
お金がかかるというのは
正常な事であり
何かの目的をもって
行動した証そのものが
そのコストであるとも言える
その結果売上が上がるかもしれない
しかしそのバランスはどうだったか?
これをふりかえる事が
出来るのが損益計算書である
結果的に利益が増えることもあれば
逆に貯金が減ってしまったということも
充分に考えられる
売上をあげるために使った費用
というのは同じ費用でも
意味が全く違うものだ
決算書には
この目的がある費用と
関係のない費用が
混在している
前者は
組織が一つの生命体として生きる上での
売上と全く同質の生命力であって
これをコストカットする
という愚行は
絶対にしてはいけない行為だ
それはいわば自殺行為である
むしろそういう
前向きな意思を持った支出は
金額が大きいほど
活力に満ちているといって
よいだろう