望月けんいち 活動日記 

国立で生まれ育った普通の男が、お金も地盤も看板もなく、国立市の市議会議員になる。
国立を愛してやまない男の日記です。

必死に努力しても報われない時代の到来のなかで(藤田孝典さんの「貧困世代」を読む)

2016年04月05日 | 日記
こんにちわ、国立市議会議員望月けんいちです。

久々の休日。読めていなかった本をようやく読むことができました。

藤田孝典さん著の「貧困世代」

藤田孝典さんの本は国立市の福祉会館での講演会で感銘を受けて、「下流老人」に続いて二冊目。

帯の「若者の現実を大人はわかっていない。結婚・出産なんて「ぜいたく」だ」というショッキングなキャッチコピーに実感がこもっている気がします。

藤田さんは問題を可視化し、一言のキャッチコピーで言い表すのが非常にうまい。

必死に努力しても報われない時代の到来。

非正規雇用が拡大し、若者たちの雇用環境はこれまでになく劣化していることが、本の中で指摘されていいます。

その解決策として、労働組合の活用、住宅施策の充実、スカラシップ(給付型奨学金)の導入などを説いています。

「貧困世代」、現代の若者を取り巻く状況を知るうえで大変参考となる本です。ご一読をお勧めします。

「下流老人」も「貧困世代」というタイトルも、自分が市民の皆様からご相談を受けて実感をもって感じることです。

たとえば、飲食店に勤めているが暴行などひどいパワハラを受けている。未払いの賃金も発生している。なんとかならないか。

アルバイト、辞めたいがやめさせてくれない。どうしたらよいか。

この2つのケースとも、知り合いの労働組合の方にお願いし解決に向かっています。

また、高齢者のケースでは、都心に出かけるのに鉄道ではなく、高齢者のシルバーパスで、無料のバスを使って何時間もかけていくというお話しを聴いたことがありました。

たとえば、国立から新宿まで30分ほど、料金もわずか388円(icカード使用)です。

それを何時間もかけて、無料のバスを使っていくのです。

正直、驚きました。

また、URの団地の家賃が高い。ひとり暮らしの年金だけではとてもやっていけない。都営に引っ越したいがなかなか当たらない、ということは複数の高齢者から聴く話です。

今の時代、すべての世代において貧しくなりつつあるのではないでしょうか。

藤田さんの本の中では、国レベルの施策についてかかれていましたが、基礎自治体のレベルでなにができるのか。

先の3月議会で、「カテゴライズされない若年層への支援」ということを要望させていただきました。

若年層は、DV、ひとり親、しょうがいなどの枠組みで定まらないと支援を受けにくい状況にあります。

就労や労働問題など、最初のステップとして相談できる場所、それを適切な支援機関につなげる場所として市役所はあってほしいものです。