映画道楽

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歩いても歩いても

2008年07月02日 | Weblog
 失業中の次男が妻と子を連れ実家に帰る。子どもは妻の連れ子で実子ではない。父は町医者でいまは廃業している。母は専業主婦で家庭を守ってきた。しかし守りきれなかったものがある。それが長男の命。長男はある子を救うために海に飛び込み溺死した。その命日に家族が集まる。長女は旦那と二人の子を連れている。何かと要領がよく両親と同居して二世帯住宅に改築しようと提案している。

長男の命日に集まった家族の話。
とくにドラマチックな要素はなく命日に集まった家族の日常を丁寧に描いていく。
そこに母の悲しみ、父の寂しさが浮き彫りになる。
じわじわっとにじみ出すような描写に観る者は胸を打たれる。

母役の樹木希林は素晴らしく、「東京タワー」以上の母親役を演じている。
長男を亡くした悲しみ、夫の裏切りを知ったときの虚しさ。次男への想い、長女との関係、母として妻として女としての役柄を見事に演じきっている。風格もある。

「誰も知らない」は良かったが「花よりもなほ」ではがっかりさせられた。
「歩いても歩いても」は母への想いから作られたという。想いが詰まった作品なだけに期待通り仕上がりにファンはかなり満足できる。


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