2008年/インドネシア/124分
監 督: リリ・リザ
出演者: チュッ・ミニ、ズルファニ、フェルディアン
タイトルから戦争ものかと思ったが、貧しい家のこどもたちと教師たちの心の交流を描く。舞台はインドネシアのブリトゥン島。1974年、島にはすず資源が豊富、そこにはかつての宗主国オランダが保有するすず工場があり恩恵を受ける富裕層は錫工場公社の小学校に通っている。一方、貧しい家の子ども達はイスラム系の小学校に通うが生徒数が少なく教師は男性と女性の教師が一人ずつ、そして校長が一人いるだけ。常に学校存続の危機にさらされている。そこでなんとか貧しい子どもたちに教育を受けさせたい頑張る校長と女性教師と「ここが人生の夢への一歩」とすすんで学校へ通う。そんな子どもたちの姿から学校存続の危機に悩む女性教師も校長も勇気づけられ励まされる。、子どもたちは教師たちのために村の祭りで伝統舞踊を披露したり、小学校対抗クイズ大会で頑張って優勝したりする。その健気な子どもたちの姿が観る者の胸を打つ。
人は自分のためにも誰かのためにも頑張らなければ踏ん張れないのではなかろうか。
こういう作品を日本の小学生に見せるべきだと思う。
「GIE」や「永遠探しの3日間」に比べると今回の作品は娯楽性の高い内容になっている。
テーマソングからはタイ映画『フェーンチャン ぼくの恋人』を連想した。
影響を受けたと思われる作品には木下恵介感億の「二十四の瞳」やチャン・イーモウ監督の「あの子を探して」やエドワード・ヤンの「ヤンヤン 夏の想い出」などど。と勝手に想像。
リリ・リザ監督について
風貌から東南アジアのスピルバーグと呼ぼう。
リリ・リザは1970年インドネシア マカッサル生まれ。39歳。ジャカルタ芸術学院映画学部卒業後、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校で長編劇映画脚本学を学ぶ。1994年、ドイツのオーバーハウゼン短編映画祭で卒業制作した「Sonata KamPung Bata」が3位に入賞。ロッテルダム(オランダ)、ドービル(フランス)などの国際映画祭で上映された。
<作品>
音楽ドラマ「シェリナの冒険」
2000年、インドネシアで大ヒット。
「エリアナ、エリアナ」
2002年、シンガポール国際映画祭でヤングシネマ賞および国際映画批評家連盟賞、バンクーバー映画祭で特別賞、ドービル国際映画祭最優秀女優賞。
「GIE」(2005)
インドネシア・フィルム・アワードで最優秀作品・男優・撮影賞。シンガポール国際映画祭審査員特別賞、アジア太平洋映画祭審査員特別賞。
「永遠探しの3日間」(2006)
ブリュッセル国際映画祭最優秀監督賞
「虹の兵士たち」(2008)
予告編
Laskar Pelangi The Movie - Official Trailer
インドネシア映画興行収入第一位。2009年ベルリン国際映画祭正体作品。
本作の原作者アンドレア・ヒラタと校長役のIkranegaraさんが映画祭で来福。物語はヒラタさんの子ども時代で周りで起こったことを元に書き上げた。この処女作ははインドネシアで25万部のベストセラーとなった。