我が家の愛犬「耕太」が息を引き取った。
15歳の誕生日(8月10日)直前の1日19時頃。
ほぼ、犬種の平均寿命のようだ。
3年くらい前から、情緒が少し不安定気味になり、われわれ
夫婦が旅行に出ている間、預っていただいていたペット預り
業者の方から、「夜鳴きが激しく、他の犬などに影響が大きく
なってきた為、今後の預かりは申し訳ないができない。」と言
われ、以降、愛犬を中心に据えた生活に切り替え、今日に至
っていた。
旅行は3年前の奥多摩のオフ会が最後で、5〜6時間ほどの
外出も、必要な場合には、夫婦どちらかが残るように心がけた。
1年ほど前からは、目に見えて身体機能の衰えが目立つように
なり、居間のソファーに飛び乗り、横になっている事が多かっ
たが、いつの間にか飛び上がる事ができなくなり、それ以降は
床に敷いたクッションに横たわるようになっていた。
半年程前からは、歩行そのものがおぼつかなくなり、とぼとぼ
歩きから、日常の散歩も半分は妻が抱きかかえて散歩(?)す
るようになり、2ヶ月ほど前からは、後ろ足のコントロールが
うまくできなくなり、尻餅をつく形で転ぶ事が多くなり、一旦
転ぶと、手をかさなければ立ち上がることもできなくなってい
た。
2週間ほど前からは、完全に歩行ができなくなり、食事さえも
うまく喉を通らなくなってきていた。
先週の水曜日、それまで、熟睡はしないものの、夜鳴きなどは
しなかったが、苦しいのか全身痙攣を伴いながら夜鳴きを続
け、妻が抱きかかえてさすっても痙攣と夜鳴きは止まず、深夜
2時頃に、たまらず札幌の夜間救急を取り扱っている動物病
院へ連れて行ってきた。(小さい頃から診察していただいてい
た動物病院のドクターは、学会参加のため、休診していた)
翌日も、他のクリニックで点滴などを受け、その翌日、主治医
に診てもらったところ、消化器に出血があり貧血気味になっ
ているが、手術に耐えられる体力はなくなっており、点滴など
で延命処置を施しても、1日・2日伸ばす事が出来るだけで
もっても数日だろうから、自然の経過を待つ事に決めて帰っ
てきた。
金曜日には、食事も取れなくなり、鳴き声にも力がなく、目
をつむり息をしていることをお腹の動きで確認できるだけ
の状態になっていた。
そして、土曜日20時頃、寝たきりの状態の耕太を確認する
と息をひきとっていた。
主治医との話からその時が来ることは覚悟していたので
慌てる事はなかったが、「ありがとう」の言葉が頭に浮かん
だ。妻も私も悲しくて取り乱したり、涙を流す場面はなか
った。決して気持が冷たいわけではなく、われわれの人生
を豊かにしてくれたことへの感謝の気持が自然に湧いて
きた。
痙攣し夜鳴きを続け苦しそうだった状態から解放され、
しかもロウソクの火が静かに灯火を消すように最後を
迎えてくれたことは、耕太の為にもよかったと思っている。
晩年の耕太の姿は、我々の晩年の過ごし方を考える見
本になってくれたように思う。
エピソード
何年ごろだったか忘れたが、耕太を連れて散歩によく出
かけた。リードをつけた散歩だけではかわいそうと、石
狩川や豊平川の河川敷に出かけては、人混みを避けて、
自由にかけまわれるようにしてあげた。
ある日、いい時間、駆け回り、帰ることを促すと、いつもな
ら駆け寄って来る耕太が、藪の中で吠えて来ない。
仕方なくこちらから近寄って行くと、藪の中にご老人が
倒れていた。息はしていて、言葉をかけても返事がない
為、救急車を呼び、処置をしていただいた。警察も来ら
れて、第一発見者である妻が色々事情聴取された。当日
の救急隊員の話によると、脳溢血などにより倒れていた
のではないかとのこと。季節は11月だったので、耕太が
発見しなければ、凍死していたのではないだろうか。残
念ながら、その後のことは、消防や警察まして、倒れた
ご本人やご家族などから一切の連絡がない為、どう
なったのかはわからない。
ブリーダーで4匹産まれた中で、一番黒っぽいのに決めた。
2ヶ月間親と一緒に生活してもらい、10月にひきとった
我が家に来たばかりの頃
ソファーに飛び乗り寝ているところ
河川敷などで放すときにも、リードはつけたまま
日曜日、市営の火葬場にお願いし、荼毘に付して遺骨を引き取り、
今は居間のサイドボードの上で骨壷に収まっている。
日曜日、朝には長男が孫を連れて最期のお別れをしに来てくれ、
荼毘にふす現場にも同行してくれた。(孫は寝てしまった為、自宅
に一旦連れて帰った)
遺骨を引き取った後、昼だったので、長男と3人でイタリアレストラン
で会食した。
シャレた料理だった。
ビーツとジャガイモの冷製スープ
極細パスタカッペリーニを使ったトマトとバジルのパスタ
趣が変わって美味しかったが、本当は、せっかくイタ飯屋に来たので
私はペンネ料理をいただきたかったが、メニューになくちょっと残念。
たまに親子三人で会食するのもいいものだと思った。
さて、旅行を再開できるようになった。早速、三男から遊びに来るよう
誘いを受けたが、コロナ禍や私の歩行能力の低下から、どうなりますか。