■スクリューブレイカー ~轟振どりるれろ~@GBA
公式サイト
【オススメ度】
★★★★★
【自己満足度】
★★★★★
轟振と書いて「ごーしん」と読ませる、そんなゲームです(え?)
というわけで、ほんと久々にパーフェクト評価のゲームのレビュー参りますよ!
操作は慣れればそれほど苦はなし
多彩とはいいきれないアクションだが、それだけでは終わらない
基本操作は十字キーで左右移動&しゃがみ。
Aボタンでジャンプ&下+Aで一定距離ダッシュ。(ドリル&ジャンプで移動距離キャンセル可能)
Bボタンで特殊アクション。(上下画面を少し眺めることができたり、通信受ける・絵画運ぶなどが可能)
でもって、LRでドリル回転。(回転方向がLRで違う)
これらを使って動かしていきますが、メカらしい重さはあれども、基本的に操作に不満を覚えることはないです。
慣れれば大概思ったとおりに動きます。
ちなみにドリルを出せる方向は上下左右どの方向にも向けられます。
また、ドリルは途中でギアをゲットすることで、ドリアップ(ギアをあげる)が可能です。
2レベルまでは上げても途中で止まってしまいますが、レベル3になると回し放題になるので爽快感もアップ!
欠点というより制約になるんでしょうが、ドリル回転中ジャンプでドリル停止してしまう、というような部分はあります。
とはいえ、これはこれで、あまり万能すぎてもいけないですし、これができないと困る、という個所もないので気にならないですけどね。
ちなみにドリル絡みのアクションは、ほぼボタン二つしか使わないですので、単体ではできることは多くはないです。
ブロックにドリルを指している状態で逆回転させる特殊なジャンプ。
ドリル地上で回転中に逆回転させると軽いバックダッシュにもなります。
また、ドリル回転中なら壊せる弾や、鍔迫り合いのような感じで押し返せる攻撃なんかもあります。
あとはほぼレベル3限定ですが、ドリルで平行上に並んだ空中ブロックを破壊しつづけるようなのもあります。
とはいえ、この部分だけだと決して多彩とはいえないんですが、ここにステージが加わると、俄然アクションの幅が増えていきます。
ステージにおけるギミックの多彩さが
アクションに幅を加えている
ステージにおけるドリルに絡むギミック。
これが意外にも多彩なんですよ。
思い出すだけでも、壊れないけど突き刺せるブロック。(引抜によるジャンプ距離を稼げる)
ドリルを挿して回転させる事で開閉する扉。
同じく挿すのだけど、そこでドリルを回転~逆回転と操作することで、思いっきり上空に飛んでいくもの。
色によりその回転方向で進んでいけるねじ穴のような通路と、その途中にそのギア比に合わせていないと通過できない(合わせていけた場合は勢いよく加速できる)もの。
ドリルを挿して乗る? 釣りながら決められた部分を移動するソケット。
簡単に挙げただけでもこれだけありますし、これらをステージ入り組ませて配置させてあったりもします。
また、ステージにより空を飛ぶ&水中を移動、というのもあり、これらはこれらで独特の慣性が働いたりもして、ちょっと新鮮です。
(ただ、自由に動くという点ではやや束縛感を感じるステージでもあります)
こういうギミックがいろいろありますが、通常のストーリーは決して難しすぎる事がありません。
勿論初見だと失敗する事も多く、ゲームオーバーもありえますが、慣れればなんとかなるレベルで仕上がってますし、よほど後半やシークレット系のステージ以外は、難易度の高い構成が続くこともないです。
この辺の絶妙なバランスとギミックのお陰で、ステージを進める際に飽きずに楽しめたりします。
あとは、所謂バッテリー制なんですが、それをどんどん増やせるので、少しのミスならフォローできるってのが大きいです。
特に、穴に落下してアウトになっても、バッテリーを僅かに消費するだけでまたその画面(面ではなく、各場面ですね)の入り口から復活、ってのが、やり直しに関してもがんがんチャレンジ・上達できるなんていうのがあり、操作のお手軽感等もあわせて、軽快に進んでいこうと頑張れるひとつの要因になっていますね。
グラフィックの細やかさや音楽のゲーム感が
懐かしさを感じさせると同時に、ゲームしていると感じさせる
とにかく、このゲームをしていると、懐古主義的ではありますが、ほんと昔ののゲーム時代(ファミコン~スーパーファミコン、PCエンジンやメガドライブ等)の良作アクションをしていると感じさせることが多いです。
そのひとつは、ドット絵の作りとアクションに合わせての動き。
例えば主人公くるりがマシンから上半身を乗り出すアクションひとつとっても、一瞬ではなくちゃんと「体を乗り出す予備動作」まで描かれている。
しゃがみアクションも一瞬ではしゃがめないし、ドリルの停止時も、停止まで僅かの間をもって停止する。
さすがに左右の振り向きなどは素早く動いてしまうが、ドリルが停止前であれば、振り向きではなく、くるりが後ろを向きながらの後退アクションがでる。
その他にも、単純にドリルで掘る、というアクションが、ちゃんと「掘っている」というのは、公式のコラムで語られているだけあってほんとそう感じさせたりもします。
こういう、動きに対する細かさ、そして重さみたいなのをちゃんと動きに合わせて感じさせ、それが不自然でないようにしているのは流石だなと思うし、これらが動きを制約して、動きにくい、とは感じさせないのがすごいんですよ。
ボスや敵に関しては、めちゃめちゃバリエーションがあるわけじゃないですが、これらもまた細かい動きや個性を見せていたりします。
その中で理不尽さを感じる攻撃とかもないですし、そのどれもが対処できる攻撃であり、対処できるアクションを使わせるものとしています。
先に語ったステージ構成も含め、こういう動きひとつとっても、うまく作られていますし、同時にやはり「2Dでなければできない良さ」を数多く秘めているのは確か。
そして音楽もまた、最近の家庭用機にある感じではない、所謂電子音があるPCMっぽさを駆使し、ノリや雰囲気にあったいい音楽を奏でているんですよね。
そのすべてが、自分の中で2Dアクションの良さを再認識させるものに仕上がっているんですよね。
じゃあ古臭さしかないかといえば、先に話したギミックやドリルがメインという構成が真新しさというか、新鮮さを与えてくれる。
ほんとそういう部分への力の入り方がいいゲームだったりしますね。
物語は軽いが、アクションものとしては十分
しかも、終わった先にもやりこみ要素あり!
物語は結構単純で、盗賊団レッドリルの親分の娘くるりが、母親の形見ともいうべきダイヤを取り返すはずが、気づくと大きな野望に巻き込まれる、といったライトな展開。
ベタっぽい感じもあり、意外性もそれほどないですが、自分は大作アクションでムービーがんがん見せられるゲームでもなく、アクションに特化しているこのゲームでは、この程度の味付けでも十分いいと思ってます。
しかも、ステージ全クリアだけが目標じゃないんですよね。
盗賊団でもある主人公たちの流れで、各地にお宝があったりします。
でも、ただでは取れないものも多いです。
例えば壊せないブロック。
これらは新たな性能のいいドリルを必要とします。
それらはドリルをジャンクチップ(道中で取れるお金みたいなもの)を集めて、よろずやから購入するんですが、それにより新たに進める場所が増え、その先にお宝があったりもします。
またよろずやで購入できる各種地図もまた、新たなシークレットステージを選べる、なんて要素もありますから、全宝を集め尽くすプレイでやりこんでいけます。
アクションメインのストイックさはあるが
それこそがのめり込める面白さである
とにかくこのゲームは、昔でいうならシュビビンマンシリーズであるとか、ロックマンシリーズであるとか、そういう方向でのストイックなアクション。
だけども、難易度も適度でセーブもほぼ何処でもできる(ロード時はその画面の最初の状況から。ボス戦はボス戦開幕から)というのも、携帯機でやっていると便利だったりします。
そういう意味で、携帯機特化のアクションとしてはほぼ完璧な作りこみだと思います。
最近こういう2Dはほんと、GBAでないとなかなか遊べない状況ですが、そういう中で是非プレイしてほしい一品。
3Dに食傷気味な中、良い意味で「懐かしさ」と「純粋なアクションの楽しさ」を味わえますよ!