■メタルサーガ ~砂塵の鎖~@PS2
公式サイト
【オススメ度】
★★★☆☆
【自己満足度】
★★★★☆
もう少し前のソフトもあるんですが、そこそこやりこんだのと、唯一の時期モノなんで、先にこいつを取り上げちゃいましょう。
ちなみにむるあは
ちょイプレでも書きましたが、メタルマックスシリーズはほぼ初体験に近いくらいです。
メタルマックス(FC版初代)をかじった程度ですから、新参者意見として見てもらえればと思います。
あと、ネタバレは極力避けるレビューになっているので、ほんとシステムとか雰囲気とか、その辺ばかりのレビューになりますがご了承下さい(^^;
真新しさを感じない懐かしい感じのRPG
プレイヤーまかせな部分が強い
よく考えるとRPGもののレビューは初かもしれないので、何処から語るべきかちょっと迷いつつ(苦笑)
なんとなくで自分がプレイで感じた流れをそのまま色々文章にしてみますね。
さて、今作の主人公は、ハンター(戦車に乗りつつ賞金首を倒して生計をたてる人、という定義でいいのかな)の父とメカニック(文字通り戦車を直す人)の母の間に生まれた主人公が、ハンターになって旅に出る、というのが開幕の物語。
実はこのゲームの自由度の凄さは、ここでいきなりエンディングを迎える事が出来る事(笑)
詳しくは話しませんが、ここでいきなり度肝を抜かれたりもしますが、先々も、所謂普通のRPGのエンディング(=ラスボスを倒す)が最後ではなく、自分がハンターに飽きたり、家庭を持ったり、など、どちらかといえば主人公であるプレイヤー本意でエンディングのタイミングを決められる、そういうゲームになっています。
この流れはプレイしていくと顕著にその放任的でプレイヤー本意という流れを顕著に強めていくんですよね。
序盤のジャンクヤードこそ、ある程度の示唆がありますが、ある程度の街を進んでいくと、後は何かと自分が思ったように進めてしまうことが可能なんですよね。
やっていくとわかりますが、ハンターとして賞金首を追うこともできますが、全てを倒す必要性はないですし、仲間に出来るキャラを仲間にしないで旅する事も(きついですが)可能。
また行き先についても、途中の難易度の街をすっとばして、難易度の高いエリアに移動出来ちゃったりなんかもできます。
また、間々にあるイベントも、必ずこなさなければいけないものではないのです。
この自由度は、悪く言うと古くささを感じるかもしれないです。
例えるなら昔のファミコン時代のRPG、というべきなのかも。
自分の経験でいうなら、目標こそ決まっているけれど、途中からの旅路を自由に選んだりできる、ファミコン版のドラゴンクエスト3、が真っ先に思い浮かびましたね。
ロマリアの王冠イベント、ノアニールの洞窟など、必要ないところは飛ばせましたし、また海に出ればその先の行き方は人それぞれ。
そういう、限られた中にもある自由度、というのがあります。
勿論弊害というのもあって、次どうすればいいのかの指針がメタルサーガは曖昧だったりもします。
そういう意味では、自分で考え行動し、攻略するのが楽しい、という方向けだと思いますね。
個人的にはほんと、昔それこそドラゴンクエスト3を、周囲からの情報もシャットダウンして、攻略本なんかにも頼らずにクリアしたあの頃を彷彿としてなかなか楽しかったりしましたね。
自由度が高いからが原因ではない?
敵のバランスがやや破綻気味
自由度の高さ、というのを話しましたが、それは=バランスの破綻をもたらす事が多々あります。
このゲームでも例外でなく、知らずに先の町へ行ったらめちゃめちゃ強くて大変、だとか、後から行った町の周辺のほうが難易度が低くなった、ということがあります。
これはもっぱらキャラの育てこみや装備の充実ぶりが影響するんですが、このゲームは「賞金首」という独特のボスがいる兼ね合いで、そのバランスが更に破綻している事があります。
賞金首には2種類あって、固有の場所にいる(徘徊している)ものと、突然イベント的に登場するものとあります。
この後者のものが曲者なんですよね。
ある街に入ったら突然でてきた賞金首が、自分が進めていた時点での最強装備でも瞬殺される、というシーンも多々あります。
なもんで、そこに理不尽さを覚えてしまう人もいるんじゃないかなぁ、と思いますね。
勿論その戦闘を育つまで避けて回る事も可能なのですが、初対面だとつい話しかけたり、チャレンジしたりする人の方が多いですし、その辺では一度は通らないといけない流れなのかも。
その強さこそ賞金首だ! と燃えられる人ならいいんですけどね。
戦車と人間のバランスが面白い
それぞれの個性を活かすこともできる
基本的に仲間は最初は人として加わります。
ハンター、メカニック、ソルジャー(対人でかなり強い)、犬という区分でそれぞれ一人or1匹を連れて回れます。
一応入替えも可能ですが、区分超えは出来ません。
戦車は自分で見つけて増やしていかなければいけません。
が、増えていけば戦車に全員(犬除く)が戦車に乗る事もできます。
で、やっぱり戦車が最強でしょう? という印象になるかと思うんですが、結果だけいえば確かにYesなんですが、必ずしもじゃあ戦車乗っていれば無敵なのか、というとそうではありません。
戦車と人(犬)の違いを簡単に挙げていくと
■戦車
・シャシー(防御力)、エンジン(積載量)、Cユニット(回避力)、
各種武装(穴の種類による)、装甲タイルが積載量分の重量まで装備可能。
・積載量を超える装備をすると移動不可能になる(牽引されているものは除く)
・シャシー種類により、装備できる武装数・武装種が違う。
(穴の種類を変更は可能だが、対空車輌に関しては主砲は対空系主砲のみの制限がある)
・戦闘時に受けたダメージは装甲タイルを減らす。
・装甲タイルが0になってもやられない。
・装甲タイル有無に関わらず、各武装や部位の破損があり、大破すると相応する機能が停止。
(装甲タイルが多ければ破損しにくいが、一部攻撃はタイル量に関わらず破損を誘発)
・シャシー大破で完全に動けない。それ以外の部位も相応の制約(攻撃不可・移動不可等)あり。
・戦車が大破状態でも、中の人は無事。降りることで人として戦える。
・一部キャラ特技は戦車内では使用不可。
・フィールド移動時入れない場所が多々あり(人のみいけるダンジョンや町、森など)
・装備類が必然的に高く、修理費用もかかる。
■人・犬
・体力が0になると死亡。
・各種部位に防具や武器を装備できる。
・プロテクターという装備があり、これはダメージ軽減するとダメージは1になる。
但し攻撃により破損すると効果なし。他の武器は破損なし。
・条件を満たしていれば、特技を発動できる(但しお金がかかる)
・アイテムで戦闘開始時に戦車に乗っていた場合には、戦車の修理等が行える
……と、簡単な差はこんな感じでしょうか。
戦車は固いですし、攻撃力もありますから間違いなく強いんですが、敵の攻撃方法次第では攻撃不可能な状態にもなりやすい欠点があります。
また、戦車ではいけないダンジョンなどもありますので、どうしても人じゃないといけない、という箇所も多かったりします。
人は人で、どうしても戦車より防御力等見劣りもしますが、プロテクター次第ではダメージ軽減もされますし、装備を整えていれば、それこそフィールド上の敵であればどうにでも戦えたり、ということも多かったりします。
戦車のチューニングも面白いし、戦車での戦いもなかなかいいですし、勿論だからといって人や犬をないがしろにできないあたり、個人的に絶妙なバランスなんじゃないかな? と思いますね。
……まあ、前述したバランスのほうが問題で厳しくなることもありますけどね(^^;
ちょっと気になるロード時間
BBユニットあっても多少気になるところあり
自分はBBユニット持ちなので、その形でのお話ですが。
戦闘時などはほぼロードなしなんですが、街とフィールドの移動などが、ちょっとロード時間が長いんで、頻繁に移動するときなどには多少辛いかもしれません。
とはいえ、それでも3秒前後ですし、戦闘やダンジョン内でもMAP切り替え、街での建物に入る際のロードなどはほぼ皆無ですから、まだ大きな問題ではないかなと思います。
懐かしさとストイックさ、そして自由度。
これらが許容出来るなら購入もあり
開発陣がそれまでのメタルマックス系を再現したいという形で作った本作。
それゆえというべきか、少々癖が強いというか、昔のRPGっぽさがあるため不満が出る方も結構いるかもしれないですね。
個人的に過去作品をあまり知らないですが、そういう昔のRPGのほうが面白いと思っている人間なので、結構肌にあって楽しめましたが、周囲にオススメしまくれるかというと、これは人を選ぶかなぁ、と思います。
ただ、メタルマックス時代からの戦車集めの楽しさや改造する面白さであるとか、やはり全方位系RPGを謳うだけある自由な感じはよかったんじゃないかなというのが私見です。
その辺が気になる方や、公式を見たりしての世界観の雰囲気が気にいった人にはオススメしてもいいかな? なんて思います。
でもほんと、せかせかするよりのんびりやってみて、引退したくなったら引退する。
ほんとそういう遊び方が向いているのかもしれないですね。