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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(57)&CG

2008-09-26 13:36:19 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(57)&CG

長野には高速で40分程で着いた。
京平は何も云わずに電話局にはいった。そして数万円のプリペードカードを買った。そして支局を渡り歩いて三十万円分も買い込んだ。
美保は目的が分からず京平に聞いた。「こんなにどうするの?・・・」
「うん、今は駄目だけど前にプリ携を二つ貰ったのがあるんだ。これだけど」とダッシュボードを開けて見せた。
「これなら公衆電話を使わなくてもいいし、発信元が分からないからね」。
「そうか、プリ携二つも持っていたの。盲点だね。でも良くそんな事まで知っているね、でも買った時に記帳したんでしょう」。
「いいや、これはそうなる前に貰った奴だから身元は絶対に分からないよ。それに少しづつカードを買ったから不審に思われないし。
さあ、帰って二人で手分けして女性たちに電話して金が戻る事と制裁を受けさせる事を教えてやろう。その時に警察へ届けたら無になるから自分達に任せて欲しいと付け加えてくれ」。
「了解。いまからでも良いよね」。
京平は頷くと走る車から美保はリスト順から電話をかけ始めた。
「もしもし、山田美加さんですか。私はユキコといいます」。
「はい、どちらのユキコさんでしょうか?・・・」。
「実は田口美容整形外科をやっつける為にお電話させて頂きました。黙って聞いて下さい。貴方がされていた事は分かっています。
今日か明日には貴方が取られた300万のお金は戻って来ます。それで社会的制裁を受けさせます」。
「本当ですか?・・・有り難うございます。もう揺すられなくて良くなるんですね?・・・」と涙声になっていた。
「ええ、ですがこの事は隠密にやりたいので警察や知り合い、家族にも内緒にして下さい。私達が絶対に許しませんから」。
「はい、そんな事誰にも話せません。外にも大勢いるんですか?・・・」
「いいえ、まだはっきり把めませんが、今月中には明らかになります。それまでにはきっと貴方の恨みを晴らしてあげますから」。
「はい、どなたか知りませんが有り難うございます」。
こうして美保は次ぎから次へ電話を入れていた。中には逆に揺すられると錯覚して、何もなかったと電話を切ってしまう女性もいた。しかし美保は切られても何度も電話をしつづけ。納得させていた。
そして長野自動車道に乗ると豊科に向かっていた。
こうして別荘には行かず実家に帰った二人は部屋に入ると手分けして被害者の家に電話をしまくった。
そして次ぎ次とリストから名前を消して行った。
翌日、仕事の合間を見ては電話をし、そして仕事が終わるとまた電話していた。
そして二日。リストの千五百人もの被害者の女性全員と連絡を取り終えた。
そんな中、金が振り込まれていたと言う女性の嬉しそうな声が二人の支えにもなっていた。
そんな二人の行動に母は気付いて部屋のドアをノックした。
「京平、美保さん。入るわよ。こそこそ隠れて二人で何をそんなに電話ばかりしているの?・・・」。
「別に隠れてなんかないさ。小山のペンションの事だよ。僕等がペンションの修理費用を融資したろ、それで小山が返済するまでは共同経営者だから、それで美保の大学の同期や高校のクラスメートの所へ営業していたんだ。後はパンフレットを送らせるだけ。変なアルバイトじゃないよ」。
「なんだ、そんな事なら部屋でこそこそしなくても良かったのに。でもお父さんの手前そうは行かないか」と、母親はニッコリ笑うとお茶と菓子を置いて出て行った。
美保はホッとしなかせらお茶を手にした。
「でも心苦しいね、お義母さんを騙すなんて」。
「仕方ないさ、こんな事しているなんてとても話せない。知らない方がいいんだよ」。
すると冷たい風がス~ッと入って来た。美保は窓を明けていた。
「見て、京平さん。星があんなに奇麗。悪い事をしている人も泣かされてる人も同じ星を見ているのよね」。
そう言って見上げる美保の横顔が一段と美しく見えた。京平はそっと肩を抱いた。二人は寒さを忘れ、満天の星空を眺めていた。
そして窓を閉めると京平は穂高連邦の地図を机の上に広げた。
美保はカラー写真のような地図を眺めて聞いた。
「登山を始めるの、私は反対です。小山さんに助けられた話を思い出しちゃう。登山は止めて、お願いだから」。
「そうじゃないよ、あの悪徳医師の六人に低山を登らせるんだ。僕は登山は懲りているからね」。
「うん、だったら良いけど。それでどうするの」。
「きっと約束は守ってお金は返済した筈だから、今度は一人九千万づつ用意させて福祉施設とユニセフ、エイズ撲滅基金に三千万づつ一億八千万づつ寄付させる。この間のお金は寄付出来なかったからね。それから最後に二千万づつ一億二千万をユキワリ草の費用として寄付させる」。
「うん、でもどうやって受け取るの?・・・」。
「もう考えてあるよ、全員に上高知に来てもらう。それで十石小屋へ行く歩荷さんに用意した金をダンボール箱に入れて渡して貰うんだ」。
「ぼっかさん?・・なあにそれ?・・・」
NO-57


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