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小説・鉄槌のスナイパー3章・NOー(82)&CG-イラスト

2008-12-01 21:05:47 | 小説・鉄槌のスナイパー(第三章)
小説・鉄槌のスナイパー3章・NOー(82)&CG-イラスト

「ああ、私だ。今夜は駅前のホテルに泊る、明日一番で京都に行くから留守を頼む」。携帯を切ると両手を延ばして全身で深呼吸すると、その手を上げたままでいた。
すると、そこへ空車のタクシーが走って来て真横に止まった。三河は笑いながら乗り込むとカプセルホテルに向かった。
翌日。三河は駅に向かうとキヨスクで弁当を買った。
そして、予定通りひかり153号七時四十五分発の新幹線に乗り込んだ。一番の新幹線だと言うのに、こんなに乗客がいるのか?・・・そう思う程、乗客が次々と乗り込んできた。
席に座ると早速買って来た弁当を紐解いて新聞を読みながら朝食をしていた。
その頃、京都の京平と美保も起きていた。美保の母美代子の作った朝食を義父明雄と共に食べていた。

「美保、今日はどうするんだ。京平さんと何所かへ廻るのか」。
「うん、友世と幸子のお墓に結婚した事を報告してから、二人の家に行って来たいと思っているの。お父さん今日お休みでしょう。車貸してくれないかな」。
「うん、使いなさい。お母さんは午後からお店だから、父さんは留守番しているよ」。と、父明雄は何年振りかの親子揃っての食事を楽しんでいる様だった。
そして食事を済ませると二人は父親のベンツを借りて出掛けた。
美保の実家は左京区の田中と言う閑静な住宅街にあった。近くには美保の母校である京都大学や農大や理学部があり、車で五分も走ると下鴨神社があった。二人は京都大学の東のバス通りでもある東大路通りを南に下がった。
そして祇園に入ると西側には八坂神社があり、多くの観光客が朝から思い思いのお洒落をして歩いていた。

そして去年の六月に泊まった京都パークホテルを東に右折し、鴨川に架かる七条大橋を渡り、七条警察署の交差点を南に右折し京都タワー方面に入った。
そして間もなく京都ステーションホテルに着いた。
京平はロビーに車を付けると時計を見た。九時五十分、もう三河はとっくに来てていい筈だった。
「京平さんあそこ、三河さん反対の方を見ている」。
美保が指さした方向を見ると確かに三河が立っていた。京平は車を出すと真横に止めた。三河は驚いたように避けた。
ウィンドーを下ろすとニヤッと白い歯を覗かせた
「なんだ紺野さんですか。どうしたんですベンツなんか乗って」。
「お早う御座います。お疲れ様でした。美保の義父さんから借りて来たんです。どうぞ乗って下さい」。

「此れはこれは、私達はこんな高級車にはまず乗れませんからね」。そう言うと照れ臭そうに後ろのドアを開けると乗り込んだ。
ふと見ると、周囲にいた人達か見て見ぬ振りしながら誰だろうと言うような目付きをしていた。京平は車を出すと上京区へ向かった。
「それで、真田とは直接会うんですか」。
「ええ、もう隠しておく必要はないでしょう。彼も今となっては仲間と言っても良いですから。今から美保の親友の佐々木友世さんのお墓参りに行きます。そこへ呼び出します」。
「そうですな、お二人は真田を救ってやったようなものですからね。私もどんな男なのか会ってみたくなりました」。
すると京平は堀川通りの西本願寺の手前で車を止めた。
助手席の美保がバックから携帯を出し、真田貴明の電話番号を押して渡した。車の時計は午前十時ちょうどだった。
「俺だ、いまからその金を持って上京区にある浄光時に来い」。
「はい、いつも時間通りなんですね。上京区の浄光寺ですね。タクシーで直ぐに行きます。それで誰を待つんです」。
「ああ、来れば分かる。俺はお前の顔を知っているから心配するな」。
「はい、では後程。失礼します」。
京平は再び車を出した。そして途中で生花店を見付けると車を止めた。美保は花を選ぶ事もなく、佐々木友世が好きだったと言う艶やかなコチョウランを買った。そして大事そうに抱えると車に乗った。NO-82-4


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