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小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(39)&CG

2008-09-14 13:11:03 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
☆・・・お久し振りです・・・
大勢の方々にご心配頂きメールを多数いただき有り難うございました。
お陰さまで怪我の方も回復し、今日から再開致します。
また宜しくお願いします。

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(39)&CG

そして腹がいっぱいになったのか、残った餌をくわえて林の中へ姿を消した。
「あ~あ、帰っちゃった。写真でも撮っておけば良かったね。そうすれば今度来た時に識別出来たのに」。
「また外で食事をすれば匂いを嗅ぎ付けて出て来るよ」。
「そうか、今まで来ても中で食事していたからタヌキが来ていても分からなかったんだ。ねえ外にテーブル作ってよ」。
「いいよ、軽井沢から帰ったら造ってやるよ。バーベキューも出来るように屋根も造ってやる」。
「うん、きっとだよ。私も手伝うから、なんか夢が広がるね」。
美保は嬉しそうに笑顔を見せて喜んでいた。そして食事の片付けをして再び補修を始めた。そして三時過ぎには終わった。
木屑で汚れた庭を掃除していた。そんな二人に山間から涼しい風が吹いて包んでいた。そして四時には風呂に入って笑う美保の声が別荘から漏れていた。
そして風呂から出ると夕食を作り、残ったおかずとご飯を洗面器に入れるとタヌキが出て来た林の入り口に置いた。「マツ~、カエデ~ッ。ご飯だよ」。
そう言いながら戻って来た。そして真っ暗な山道を降りて出掛けた。そして電話ボックスを探して車を止めた。
「京平さん、どうして毎回電話ボックスを替えるの」?
「え、ああ。もし知り合いに見られたら困るからね。電話も携帯もあるの誰もが知っているから。用心に越した事はないから」。
美保は分からない事は何でも聞いた。京平も嫌な顔一つしないで美保が納得するまで話した。そして二人は電話ボックスに入った。
手帳を出すと真田へ電話した。すると、一回、二回、三回、四回。とコールしても出なかった。京平は電話を切った。そして掛け直した。すると直ぐに出た。
「は、はい。真田です、先程は済みません。外に出ていたんです」。
「さよか、それで守備はどうやったかいな」?
「それが、後五百万分だけ古い紙幣に替えられませんでした。明日の朝には古い紙幣を用意してくれるそうです」。
「あんたわしにカマ掛けたらあきまへんで。お宅がそう出るなら取引は止めや。ほなさいなら」。
「待って!待って下さい。済みません、本当に済みませんでした。私が悪かった。二度とこんな真似はしません。勘弁して下さい」。京平は強きで逆にカマ掛けたのだった。
「一旦切りまっせ、そのまま待ってんか」。と電話を切った。美保に茂が何かを企んでいる事を話した。
「真田が仲間を呼んだって事?・・・」。
「うん、たぶん。だから強きで取引は止めるって脅かしたら、真田の奴おどおどしていた。見破られたと思ったんだろう」。
「甘く見られたわね。だったら倍ね、私達の怖さを思い知らせてやろう。倍額にしようよ。ピン札でいいからって。匿名で福祉施設にでも寄付しちゃえばいいよ」。
「よし、倍とは言わないで桁を多くしてやる。千五百万とは別に」。
「え~っ凄いじゃん、一億円も寄付されたらさ福祉施設の人達喜んじゃうよ。それで行こう」。
「よし、今頃真田の奴おどおどして待っているぞ」。そして携帯に電話した。
「はい、真田です。本当に申し訳ありませんでした」。
「ほな言うで、前のと別にやなワンパック用意してんか。あんたが悪いんやで、ボスが怒ってしもうてな、金はもう要らん言うて警察に届けろって言うのをわしが止めたんや。どうや?
あんたがボデーガードに払う方がええんやったらわし等は構へんで。その代わりにや、あんたは良くて終身刑、まず死刑やろな」。
「わ・分かりました。でも明日一日では無理です」。
「まだ言うんか。わし等を怒らせるんやな。なめとんのかっ、わし等をなんやったら雇ったあんちゃんも片付けたってええんやで。ほな取引は止めやな」。
「待って、待って下さい。分かりました。怖い人達ですね。そんなに大勢いるなんて分からなかった。明日中には必ず用意します。
一億五千万ですね」。
「ええか、此れが最後やで。わし等はあんたを見てるんや。こざかしい真似は止さんかい、ええな」。
「はい、雇った三人は京都へ帰します」。
「またそんな嘘を言うんか」。
「済みません。五人です。五人は必ず帰します」。
「あかんな、あんたとは取引止めや。わしは仲間内でも優しい言われてまんねんで。息子も気の毒にな」。
「待って下さい、六人です。本当は六人です。絶対帰しますから」。
「わしもう呆れてもうた。わしの胸三寸やけど、こう嘗めらとってはどうしたらええもんやろか、おっちゃん」。
「お願いです。本当に六人です。今直ぐに京都へ帰します。どうか取引を続けて下さい」。
「ほな大きな声でいいなはれ。わしに聞こえるようにな」。
すると走って来る足音が携帯電話を通じて聞こえてきた。
そして断りを入れている真田の声が聞こえた。
「済みません、商談がまとまりました。皆さん今すぐ京都へ帰って下さい。約束の小切手です」。
「名前を一人づつ言いなはれ。きっちりフルネームでや」。
「はい、林辰也さん、新橋良雄さん、小島徹さん、望月芳章さん。森和雄さん、高橋啓次さん、宮本貞雄さん。皆んな帰って下さい」。
すると、口々に不平をいいながら車に乗り込んでドアを閉める音がバタンバタンと六回聞こえた。
そしてエンジンを始動させるスターターの音が電話を通じて三台いた、そして走り去ったようだった。
美保は不安そうな表情を浮かべて京平を見ていた。
「おっちゃん、此れが最後のチャンスやで。明日この六人が京都に戻らんかったらその時点で取引は止めや。一人多いな、誰や?・・・」。
「分かりました。一人は仲介者で関係ありません。あなた方怖い組織を敵にしてしまったようですね。もう嘘も隠しもありません。約束は必ず守ります」。
「明日は軽井沢やで、ほなおっちゃんお休みな」。
京平はそっと受話器を掛けた。そして大きく息を着いた。
「どうして、どうして仲間がいる事が分かったの。六人よ」。
「分からない、話していて感じたんだ。始めは三人って言った、そしたら五人。
突っ込んで張ったりを噛ましたら六人になった。山勘だよ。話していて真田の声がどうも気になって仕方がなかった。まだいるぞ、一人か二人。電話する時はあの場所に先に行ってないと危ないな」。NO-39


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