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小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(34)&CG

2008-08-10 18:57:50 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(34)&CG

「そうですか、御苦労さんだったね。ペンションの方はなんとかアルバイトを頼んだからね。新婚旅行にも行かせてやれなくて済まないね。その代わりと言ってはなんだけど、盆休みは二人でゆっくりしなさい」。
「有り難うございます、でもお手伝いします」。
「美保、せっかくそう言ってくれているから。休みを貰おう、仕事はづうっとあるんだから」。
「はい、じゃあそうさせて頂きます。お義父さんとお義母さんにお土産買ってきましたから、後でお渡ししますね」。
父はニッコリ笑うと草刈カマを下に置き、軍手を外した。そして荷物を運ぶのを手伝ってくれた。すると、事務所の窓が空いて母が顔を出した。
「お帰りなさい、お疲れ様でした」と直ぐに閉めると出て来て一緒に運ぶのを手伝っていた。
美保はもう家族なんだ。そう改めて感じた時だった。
荷物を運び入ると急に疲れを感じ、ソファーに横になった。すると、つま先と身体が重くなるのを感じて目を綴じると、いつしか眠っていた。
美保はそんな夫を見て、そっとタオルケットを掛けていた。そして旅行バックから現金と銃を取り出すと箪笥の奥にしまい、洗濯物を篭に入れていた。
そして、部屋着に着替えて洗濯物を持って下へ降りて行った。
「美保さん、言い忘れたけど昨日京都の警察の土屋とか言う刑事さんから電話があってね、色々話をしてくれて、ともかく謝っていたと伝えて欲しいって。京平怒ったんですってね」。
「そうですか、京平さん頼もしかったですよ」。
「京平の怒った顔なんか見た事ないから聞いて驚いてしまったわ。京平は」?
「はい、私運転代わるって言ったんですけど一人でづっと運転してくれて疲れたんですね。休んでいます」。
「そうそう、それから京都のホテルから何か届いていますよ」。
「フイルムです。一つ忘れて来てしまって、電話したら送ってくれたんです」。
美保は義母から膨らんだ封筒を受け取るとエプロンのポケットに入れた。
「美保さんは疲れてないの、お洗濯なら私がしますよ」。
「はい、有り難うございます。でも私は半分以上寝てしまって、京平さんに悪くて。それに洗濯物くらいは私がします」。
「そう、じゃあ洗濯機を回したらお茶にしましょうね」。
「はい、直ぐに行きます。お義母さん、私京平さんのお嫁さんにして貰って良かったです。凄く幸せです」。
「良かったわね」。義母は笑顔で頷くと事務所に入った。
美保は洗濯場に行くと洗濯機を回して事務所に行った。
そして義両親と三人で机を挟んで京都の土産の八ツ橋やせんべいをお茶の共に和気あいあいと雑談していた。
そして、お茶を持って部屋に戻ると夫は起きていた。
「起きていたの。はい、お茶です」。
「うん、有り難う。もう片付け済んだんだ。美保、考えたんだけどさ。貴明を一週間くらい旅行に行かようと思うんだ。父親と連絡取らせないようにさせる為に」。美保は驚いたように隣に座った。
「どう言う事?・・・」
「うん、マリブに居る父親に電話して威しを入れてみようと思う。父親は貴明に連絡して事情を聞くだろう。それをさせない為に貴明を旅行に出すんだ。
それに、あの刑事も張っていると思う、アリバイをしっかりさせておいて父親を始末すれば貴明には容疑がかからないからね」。
「あ~っ・・・」美保は二度三度と頷くと義母から聞いた電話の事を伝えた。そしてフィルムをエプロンから出すと差し出した。
「今から電話してくるから美保も一緒に行くか」?
「うん、あのお金も銀行に入れて来たいから行く。それから、あのピストルやライフルの事だけど、見付からない」?
「ああ、父も母も僕等がいない時には絶対部屋には入らないから心配ないよ。それが親子の約束事だから」。
「そう、だったら良いけど。少し心配だったから」。
美保は箪笥から現金と通帳を取り出すとリュックに入れた。私はお茶を一気に飲んでキーを持つと部屋を出た。
そして母に銀行へ行って来る事を伝え、美保のBMで白馬町の銀行へ向かった。
そして同級生のいる窓口へ九百万の現金と通帳を出した。
「紺野さん、こんな奇麗な奥さん貰って。京都出身なんだってね。京美人ね」。
「いいえ、そんな。左京区です。海野さんの事は京平さんから伺っています。美保です、宜しくお願いします」。
海野敦子は丁寧に頭を下げると現金と通帳を両手で受け取った。
そして現金を機械に掛けて数えていた。そして電算機に通帳を挟むと記帳していた。閉店間際で急いで飛び込んでくる客も多く、海野敦子と話をする暇もなく銀行を出た。
そして外にある電話ボックスに入った。そして京都の真田貴明の携帯へ掛けた。すると間もなく出た。
「俺だ、真田か?・・・」。
「はい、昨日は済みませんでした」。
「表に刑事居たろ」。
「はい、どうして?・・・そうですよね。さっき買い物に出たんですが尾行して来ました。いまも見張っています」
「そうか、夕方から行動を起こすから、お前は今から旅行に行け。何処でもいい、分かる様に家を出ろ。
携帯電話は俺達以外は出るな。お前のアリバイは刑事がしてくれる」。
「はい、刑事に尾行されて良いんですか?・・・」。
「それが狙いだ。その二人は京都婦警の土屋警部補と小森刑事だ。その二人に分かるように旅行バックを持って家を出ろ。
場所は何処でも好きな所へ旅行に行け。我々の一人が尾行する。それでだ、我々が電話するときは一度コールして切る、そしてかけ直す。
くどいようだが決して電話には出るな。それから態度は普通にな、警察に知れたら今度はお前が首謀者になるんだぞ。分かったな」。
「分かりました。母はこの件に関して何も知りませんので、それだけは宜しくお願いします」。
「分かっている、ではまた電話する」。
そして電話を切った。真田貴明は上ずった声をしていたものの、少しは落ち着いた様子だった。
「京平さん、迫力あるね」。
「えっ、そう。でも今のは演技だからさ」。
美保は思った。夫は生まれながらにペンションの坊ちゃんなんだと。そして優しい夫だと。巡り会えて良かったと思った。
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小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(33)&CG

2008-08-10 18:55:36 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(33)&CG

「エ~ッ・・・それじゃ好都合ね。そう、じゃあ怖かったでしょうね」。
「うん、話している間づっと声が震えていたよ。美保、父親にも同じ手を使うか。地元では始末出来ないから何処かへおびき寄せて一発で仕留めるか。友世さんと幸子さんの敵討ちだ」。
「うん、私にお掃除させて。本当言うと今夜も私が行きたかったの。でも京平さんが行ってくれて良かった。私だったら何も聞かずに始末していたかも知れないもん」。
「うん、無駄に命を奪わなくて良かったよな」。
美保はルームサービスで取ったシャンパンとカナッペを持って来てくれた。
そして冷えたシャンパンを開けた。二人の自殺の裏に隠された真実が判明した事にグラスを重ねた。その二人の傍らには黒く鈍く光る銃がおかれていた。
そしてシャンパンを飲み干すと風呂に入り、午前一時にはベッドに入った。
翌朝、二人は目覚時計で目を覚ました。そしてシャワーを浴びると荷造りをした。例の現金をバックの底に入れ、銃を戻してしまった。
そしてフロントに電話を入れ、清算を頼んだ。フロントでは夕べのルームサービスのベルボーイから聞いて清算を済ませてあった。
そして荷物を持つとフロントに降りた。そしてまだ客もいない静まり返ったロビーで支払いを済ませてホテルを出た。
澄み切った青空が生暖かい風を二人を包んでいた。
そして駐車場を出ると東へ向かった。左手に平安神宮、右手に御所を見て真っすぐ走った。二条城の信号を南に右折し、右手に二条城を通り過ぎ、下京区に入った。まだ六時を過ぎた頃で人気も殆どなかった。
そしてグランドホテルの前を走り抜け、JRの高架橋をくぐって九条に入った。
東本願寺の信号を南に左折し、高橋幸子の実家の前で止まった。二人は両手を合わせて再び発進させた。
「美保、何を話していたんたの」。
「うん、真実が分かった事を話して敵は必ず討つって約束したの。なんだか知らないけど涙が出て来ちゃった」。とハンカチを出して涙を拭いていた。
そして国道一号線に出ると名神高速京都南インターに向かった。
ホテルを出て道路が空いてたせいもあり、三十数分で高速に乗った。私は西日が眩しい事はあっても、東から昇る朝日にバイザーを降ろした事はなかった。
そんな事を独り言のように言うと美保は笑っていた。
「そう言えば私、自分の車の助手席に乗るのって初めてよ」。
「うん、そんなもんだよ。美保、朝食は大垣に入ってから養老サービスエリアにしようか」?
「うん、私そんなにお腹も空いてないからそれでいいよ。それよりさ、新幹線で東京経由より早く帰れそうね」。
「うん、なんで車で来なかったんだろうな。でも車で来なくて正解だったよ、美保の車を乗って帰れるからね」。
「うん。帰ったら早速ナンバー変更しなくちゃ。この車京平さん乗っていいよ。私には合わないから」。
「そんな事ないさ、乗りたい時に自由に乗ったらいい。山へ行く時は四駆で街に行く時はBMにしたら車も痛まなくていいぞ」。
「そうだね、そうしよう」。
そして次第に高速を走る車の数も増えていた。そして一時間半も走ると米原ジャンクションを過ぎた。そして大垣に入り、養老サービスエリアに入った。
燃料を入れて朝食を取った。
そして土産を買って九時には高速に戻った。美保はシートを倒して楽な姿勢になると、いつしか寝息をたてていた。
サンバイザーを下ろし、エアコンを弱くした。そして後ろのシートに手を延ばしてジャケットを取ってミニスカートの膝に掛けた。
空には相変わらず真っ青な空が広がっていた。そして時を刻む事に太陽の陽射しが次第に強くなっていた。
そして二時間、名神高速小牧ジャンクションから中央自動車道に入っていた。美保は気持ち良さそうに眠っていた。
そして多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市を抜けて恵那山トンネルに入った。オレンジの明かりがどこまでも続いていた。そして強い日光で焼けた車体も幾分冷えたようにも感じた。
すると、不意に美保が目を覚まして起き上がった。
「私寝ちゃった。え~っこんな時間。三時間も寝ちゃった。ごめんなさい」。
「いいよ、トンネルを出たら休憩しよう。喉が乾いたろ」。
「うん、疲れたでしょう。私代わるよ」。
「いいよ、そんなに疲れてないから。営業していた頃なんか毎日300キロは走っていたからね」。
「うん、じゃあ疲れたら言ってね。無理しないでね」。
そしてトンネルを抜け、那智パーキングに入った。美保は車から降りるとトイレに駆け込んだ。
そして出て来るとスッキリした顔をして私が差し出したジュースを口に運んでいた。「あ~っ美味しい、天気も最高だね」。
美保は両手を広げ、背筋を伸ばしていた。するとマイクロミニのスカートが上がって下着が見え隠れしていた。
「美保。下着が見えるぞ」。
「あっ、そうだっけ。短かったんだ、私ったら」。そう言いながら赤面すると急いでスカートの裾を下ろしていた。
そしてキョロキョロ辺りを見回していた。
「ねえ京平さん、BMW来月車検なんだけど、ナンバー交換と一緒に車検に出しても良いですか」?
「うん、いいよ。その方が手間が二重にならなくて良いからね」。
「有り難う。京平さん大好き」。
「どうした急に。僕も好きだよ、愛しているよ美保」。
美保は腕にしがみついた。そして車に乗り込んだ。そしてキスした。そしてエンジンをスタートさせた。そして高速に戻って松本に向けて走らせた。
そして岡谷ジャンクションから長野自動車道に入り、豊科インターを二時には降りた。そして知り合いのレストランに入って遅い昼食を済ませ、白馬に帰った。ペンションへ着くと父が庭で草を刈っていた。
京都ナンバーの車を見て駆け寄った。そして運転しているのが私で余計驚いていた。「お帰り、どうしたんだその車は」?
「お義父さんただいま帰りました。この車は私のなんです。母が持って行きなさいって言うもので、持って来ました」。
「そうかね、でも良い車だね。それでどうだった」?
「はい、やっぱり失恋したのを苦にしての自殺ですって。それで幸子の御両親がお義父さん達に宜しく伝えて欲しいと」。
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