はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

蘇堤塵暁

2013-12-10 14:03:10 | 杭州生活
杭州、6日ぶりに青空が見えました。

この6日間、大気汚染によるスモッグがひどく、外に出ると数十メートル先も見えない状態。

空気汚染指数、杭州では普段低い時で100前後、高い時で200前後なのに、
この数日は高い時でついに500!
さすがにここまでひどいのは杭州気象台観測史上初めてだとか。



銭江四橋が「断橋」に!?



西湖、白堤

週末は観光客や地元の人たちで賑わう西湖も、さすがに閑散としていたとか。

空気汚染指数500というのが一体どんなものなのか。

私は仕事も辞めたので窓を閉め、昼間も空気清浄機をつけて家に閉じこもっていたのだが、玄関のドアを開けると
外からゴミ焼却場のような匂いが鼻をつく。

マスクをつけて外出しても、すぐ隣にあるマンションの建物さえ霞んでよく見えず、眼鏡をかけた眼まで痛くなってくる。
空気清浄器につけた3M製の不織布フィルターは、わずか数日で真っ黒に。
窓を閉め切った屋内ですらこの状態、正直外へ出るのは身の危険すら感じる。

ユキも外へ出て遊びたいのを我慢して、週末はずっと家で。
可哀想だが、新聞には病院の小児外来、呼吸器外来に1000人近くの人が殺到しているという記事が。
とてもじゃないが外には出せず、「もうすぐ日本に帰るから。帰ったら外で思いっきり遊べるから」と言い聞かせて過ごした。

幼稚園、小学校では屋外活動や体育の授業を中止。
週一度の国旗掲揚式も、急遽教室で国歌を歌う儀式に変更。



今まではマスクをして登園すると「病気でもしてるの?」と変な目で見られたのが、
今回はマスクをして登園したら担任の先生に褒められた、とユキが言っている。

薬局ではマスクが売り切れ、家電店では高価な空気清浄機が飛ぶように売れたそうな。
街に出てみると、確かにマスクをしている人が増えている気がするが、それでも10人に一人いるかどうか。
第一これほどマスクの需要が高まっているのに、大手スーパーではマスクを置いていない。
日本の危機感とはまだ大分差がある感じがする。

同じスモッグに見舞われた南京では幼稚園、学校が休校になったのに、杭州では休校措置が取られなかったことについて、
親達から非難の声があがっている。
屋外で働く工事現場の作業員は、このスモッグの中マスクも支給されず、会社に対する休業命令も取られなかった。
新聞ではスモッグにも台風の時と同じような休校、休業措置が取られるべきだという市民の意見が紹介され、
杭州市政府の対策の遅れを指摘している。市民の声が少しでも政府を動かしてくれることを期待している。

政府がどんな対策を講じても、このスモッグとは最低でもあと10年、恐らくは20年は付き合っていくしかない。
しかもそのスモッグは日数も、汚染指数も増え続け、この先減る可能性はほとんどないことを考えると絶望的な気持ちになる。

昨日の夕方、汚染指数が200台に下がったのを見て思わずほっとしてしまった。
以前は200でもびっくりしていたのに、私もだいぶ感覚がマヒしてしまったようである。
杭州の冬は寒くて厳しいけど、スモッグさえ減ってくれるなら雪でも寒波でも何でも来てほしい、というのが正直な気持ちである。

おまけ:ネットで流れている「スモッグ新西湖十景」

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