4月19日、杭州では私立小学校の入試が行われました。
杭州では2012年に公立小学校の越境入学を厳しく取締る禁止令が出されて以来、
私立小学校の「お受験」が大ブームになっています。
更に杭州では就学年齢に達する子供の人口が、2010年には2.3万人だったのが2013年には3.4万人まで急増し、
新しい小学校の建設が間に合わず、公立小学校の中には廊下や地下室まで改造して教室に充てたり、
一クラス60人近いマンモス学級で教室がすし詰め状態になったり、
近くの小学校が満員のため遠くの小学校まで通わなければならなくなったり、
小学校の入学も予断を許さないような状況です。
ユキはまだ年中組ですが、先日幼稚園の参観に行っても、保護者の話題は来年の「幼升小」(小学校入学)の
ことばかり…。
4月20日『浅江晩報』の記事を抄訳してみました。
杭州だけでなく、外来人口の急増する中国の都市ではどこも似たような状況だと思います。
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杭州私立小学校入学試験、最高倍率は17倍
朝7時40分、整理券番号は687番
お受験大ブームの中、面接ではテスト以外の素養を重視
昨日杭州では私立小学校の入試が行われた。市内15校の私立小学校の募集人数は合わせて2328名、去年とほぼ同じである。
これに対して受験者は史上最多を記録し、最高倍率は去年の15倍から17倍に跳ね上がった。
最も人気のあるA小学校では60人の募集に対し、1000人余りの受験生が入試に臨み、その他の私立小学校でも軒並み10倍以上の倍率を記録。
A小学校の校門前では朝4時半、大雨の中既に50人以上の保護者が列を作っていた。
わずか10分で260人
朝6時40分、一人目の子供が校門前に到着した。子供の安全を考えて、A小学校は予定時間の7時半を大幅に繰り上げて、
1番の整理券を子供に渡した。
7時半、母親と一緒に到着した男の子の整理券番号は既に423番。ちょうど雨も止んで大勢の保護者と子供が校門前に
詰めかけ、わずか10分の間に260人以上が整理券を受け取った。7時40分に整理券を受け取った人の番号は687番だった。
「私立小学校に入れる可能性はこんなに低いのに、なぜ受験するのですか?」という記者の問いに対し、
3割以上の保護者が「子供を良い小学校に入れたいが、公立は越境入学できないので私立を選んだ。」と言う。
ある保護者は「入れる可能性が低いのは知っているが、それでもこのチャンスにかけてみたい。」と話した。
目に見えない子供の素養を見極める
B小学校は全寮制の学校である。去年までは面接官と一対一で行っていた面接を、今年はグループ面接に変更した。
子供達は一グループ約25人に分けられ、面接は4人の面接官によって行われる。
外国人教師が理科の実験を行い、子供たちにいくつか質問をした後、実験の様子を絵に描かせる。
面接は約半時間で終了し、子供たちはまるで遊びのように楽しそうに参加している。
グループ面接では積極的に発言できるか、細かいところまで観察できているか、他の子供たちと協力する力があるかどうか、
集中力があるかどうか、などの項目について点数がつけられる。
A小学校でも、去年までは10問あった問題数を5問に減らし、テストだけではわからない子供の素養を重視しようとしている。
例えば面接を待つ時間も、集中力や礼儀などをチェックされている。
競争率17倍の背景
私立小学校のお受験熱は高まる一方だが、これは保護者たちの主観的要素だけでは説明できない。
かつて人気のあった6校の国有私立学校が2010年、公立学校に改制された。この改制で、私立小学校の募集人数は
2009年には2668名だったのが、2011年には1760名、約34%も減少し、杭州における一年生の私立小学生の比率は12%から7%に減少した。
2012年には公立の越境入学を禁止する禁止令が発布され、越境入学を希望していた保護者達も私立受験を考えるようになった。
子供を良い小学校に入れるために、高いお金で「学区房」(良い小学校の近くに不動産を購入すること)を買うことを考えれば、
私立小学校の費用など大した出費ではないと考える親達が増えた。
更に杭州では外来人口の増加に伴って就学年齢に達する子供の人口が、2010年には2.3万人だったのが2013年には3.4万人まで急増し、
今年は更に増えると予想されている。
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日本の実家近くの公立小学校では、最盛期一学年7クラスだったのが、少子化で今は一学年3クラス。
広々とした校庭、大きな体育館があり、4つある校舎のうち1つはほとんど使っていないという、
杭州の子供が聞いたら考えられない恵まれた環境です。
中国も少子化は少子化なんですが、減り続ける農村人口に対し、都会は年々人口が増え続け、
慢性的に幼稚園も学校も足りない状況…。
競争率17倍、日本の有名私立小学校のお受験も真っ青?な杭州のお受験事情でした。
杭州では2012年に公立小学校の越境入学を厳しく取締る禁止令が出されて以来、
私立小学校の「お受験」が大ブームになっています。
更に杭州では就学年齢に達する子供の人口が、2010年には2.3万人だったのが2013年には3.4万人まで急増し、
新しい小学校の建設が間に合わず、公立小学校の中には廊下や地下室まで改造して教室に充てたり、
一クラス60人近いマンモス学級で教室がすし詰め状態になったり、
近くの小学校が満員のため遠くの小学校まで通わなければならなくなったり、
小学校の入学も予断を許さないような状況です。
ユキはまだ年中組ですが、先日幼稚園の参観に行っても、保護者の話題は来年の「幼升小」(小学校入学)の
ことばかり…。
4月20日『浅江晩報』の記事を抄訳してみました。
杭州だけでなく、外来人口の急増する中国の都市ではどこも似たような状況だと思います。
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杭州私立小学校入学試験、最高倍率は17倍
朝7時40分、整理券番号は687番
お受験大ブームの中、面接ではテスト以外の素養を重視
昨日杭州では私立小学校の入試が行われた。市内15校の私立小学校の募集人数は合わせて2328名、去年とほぼ同じである。
これに対して受験者は史上最多を記録し、最高倍率は去年の15倍から17倍に跳ね上がった。
最も人気のあるA小学校では60人の募集に対し、1000人余りの受験生が入試に臨み、その他の私立小学校でも軒並み10倍以上の倍率を記録。
A小学校の校門前では朝4時半、大雨の中既に50人以上の保護者が列を作っていた。
わずか10分で260人
朝6時40分、一人目の子供が校門前に到着した。子供の安全を考えて、A小学校は予定時間の7時半を大幅に繰り上げて、
1番の整理券を子供に渡した。
7時半、母親と一緒に到着した男の子の整理券番号は既に423番。ちょうど雨も止んで大勢の保護者と子供が校門前に
詰めかけ、わずか10分の間に260人以上が整理券を受け取った。7時40分に整理券を受け取った人の番号は687番だった。
「私立小学校に入れる可能性はこんなに低いのに、なぜ受験するのですか?」という記者の問いに対し、
3割以上の保護者が「子供を良い小学校に入れたいが、公立は越境入学できないので私立を選んだ。」と言う。
ある保護者は「入れる可能性が低いのは知っているが、それでもこのチャンスにかけてみたい。」と話した。
目に見えない子供の素養を見極める
B小学校は全寮制の学校である。去年までは面接官と一対一で行っていた面接を、今年はグループ面接に変更した。
子供達は一グループ約25人に分けられ、面接は4人の面接官によって行われる。
外国人教師が理科の実験を行い、子供たちにいくつか質問をした後、実験の様子を絵に描かせる。
面接は約半時間で終了し、子供たちはまるで遊びのように楽しそうに参加している。
グループ面接では積極的に発言できるか、細かいところまで観察できているか、他の子供たちと協力する力があるかどうか、
集中力があるかどうか、などの項目について点数がつけられる。
A小学校でも、去年までは10問あった問題数を5問に減らし、テストだけではわからない子供の素養を重視しようとしている。
例えば面接を待つ時間も、集中力や礼儀などをチェックされている。
競争率17倍の背景
私立小学校のお受験熱は高まる一方だが、これは保護者たちの主観的要素だけでは説明できない。
かつて人気のあった6校の国有私立学校が2010年、公立学校に改制された。この改制で、私立小学校の募集人数は
2009年には2668名だったのが、2011年には1760名、約34%も減少し、杭州における一年生の私立小学生の比率は12%から7%に減少した。
2012年には公立の越境入学を禁止する禁止令が発布され、越境入学を希望していた保護者達も私立受験を考えるようになった。
子供を良い小学校に入れるために、高いお金で「学区房」(良い小学校の近くに不動産を購入すること)を買うことを考えれば、
私立小学校の費用など大した出費ではないと考える親達が増えた。
更に杭州では外来人口の増加に伴って就学年齢に達する子供の人口が、2010年には2.3万人だったのが2013年には3.4万人まで急増し、
今年は更に増えると予想されている。
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日本の実家近くの公立小学校では、最盛期一学年7クラスだったのが、少子化で今は一学年3クラス。
広々とした校庭、大きな体育館があり、4つある校舎のうち1つはほとんど使っていないという、
杭州の子供が聞いたら考えられない恵まれた環境です。
中国も少子化は少子化なんですが、減り続ける農村人口に対し、都会は年々人口が増え続け、
慢性的に幼稚園も学校も足りない状況…。
競争率17倍、日本の有名私立小学校のお受験も真っ青?な杭州のお受験事情でした。
南京でも公立小学校の受け入れが限界、というニュースを読みました。2009年の新一年生は4万人だったのが、今年は6万人で、今後更に増える予定だとか。杭州でもそうですが、元々は公立でも少人数学級の規定を作ったりしてたのが、現実の受け皿が少なすぎてその規定も守れないような状況です。
教師の不足も深刻です。ここまで急激な生徒増に先生の採用が追いつかず、経験不足の臨時採用の先生で凌いでいるようです。小学校でこの状況なら、更に数の少ない中学、高校はどうなってしまうんでしょう??
杭州では数年前から一人っ子同士の夫婦は二人目が認められていて、娘の幼稚園でも弟妹のいる子が何人かいます。それ以上に外来人口が急激に増えて、対策が全然追いついてない気がします。ネットでも「高い税金取っておいて、小学校も満足に手配できないなんて、市政府は何やってるんだ!」という保護者の怒りの書き込みがたくさんありました。
競争率17倍のお受験、日本だったらさしずめ慶応かお茶の水小学校レベルでしょうか?慶応、お茶の水なら17倍の競争率でも納得できるかも知れませんが、杭州の私立小学校でどれだけ良くたってそんな設備も先生も教育も、上の大学も望めないのに…と思ってしまいます(爆)