はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

円卓会(yuanzhuohui)

2007-03-06 23:37:24 | 中国企業で働く
何かが動く、かも知れない…。

新しく着任した会社国際部のトップから、急に召集がかかった。
今日、「円卓会」を開くから参加するように、とのこと。

「円卓会」というのは、うちの会社では言わば「管理職を含まない、トップとヒラ社員の交流会」のことで、今回召集がかかったのは全員外国籍のヒラ社員達。
私には案内メールが来なかったところを見ると、またまた私を忘れていたらしいのだが、事前に気付いて知らせに来てくれただけ、よしとするか…(苦笑)

案内には「お茶やお菓子も出ます。楽しく、ざっくばらんな雰囲気で交流しましょう。」とあるが、イヤな予感が頭をよぎる

その1:私以外のヒラ社員参加者は、全員母語が英語である。→討論は全部英語の可能性・大
その2:以前たった一度だけ開かれた、うちの部署を対象にした「円卓会」は、ある大問題が発生した後に、急遽開かれた。
そして入社以来約3年半、外国籍社員を対象にした「円卓会」はこれが初めてである。→もしや、何か大問題が発生したのでは!??

…そして、私の予感は的中してしまったのである。

ヒラ社員側の参加者は
欧米人:6人
外国籍の華僑(母語は英語):2人
日本人(英語レベル低し:1人

会社トップ側の参加者は全員中国人だが、欧米留学+就業+外資企業中国トップ経験アリ、と3拍子揃った国際部トップを中心に、4人とも全員英語ペラペラ…

討論はしょっぱなから、英語のシャワーで始まった…
英語で話すのは最初から諦めるとしても、少しでも話の内容を聞き取らねば、と
耳をダンボにして、普段サビまくっているアタマをフル回転…。

…まさか、2時間半もやるなんて思ってませんでした、ワタシ

最初の1時間は必死でだいたいの内容は理解できた、が、後半はもうアタマが全然ついていかなかったっす、ハイ

…いや、それ以前に
話の内容が険悪、かつショッキングすぎて
もう英語がどうとかいう以前に、私も黙っていられなくなり、思わず中国語で話に参加し始めたあたりから、
英語で聞いて、中国語で話すという状態に、決して上等でないアタマがショートしてしまったらしい…

一番ショックだったのが、私と同時期に入社した欧米人4人のうち、3人が会社を辞めると言ったこと。
4人とは年齢も国籍も言葉も働く部署も違うし、普段あまり会う機会がないとはいえ、
ビザの更新や各種手続きで会うたびに、何かと私のことを気に掛けてくれていた。
彼らはそう思ってなかったと思うけど、立場は違っても同じ外国人社員がいるというだけで、私にとってはどこか安心感のようなものがあった

この3年半、私もバクハツして、机叩いて「辞める!」と叫びそうになったことが数回あったが
それは彼らも同じだったようで、今日の「円卓会」で会社トップに訴えたいこと、改善してほしいことをまとめて提出した上で、イキナリ辞めることを宣言したのだ。

彼らの不満や要望はかなりの部分、私が言いたかったことを代弁してくれていて、私も途中から中国語で話に参加せずにはいられなくなった
限られた時間の中で、ショックな内容と英語でアタマが混乱して自分でもめちゃくちゃな中国語だったけど、言いたかったことは外国人の同僚達にも、上層部にも伝わった、と信じたい。

同期のアメリカ人のAさん(中国語も堪能)が、「はとちゃんの言ってることは正しい。私達も同じ意見だ。」と言ってくれたのが嬉しかったけど、その彼女も来月会社を去ってしまうなんて…

着任したばかりの国際部トップは、まさかこんな大荒れの「円卓会」になるとは思わなかったようで、さぞ驚いたことだろう…。
懸命に引きとめていたが、彼らはもうそれぞれ次のステージを決めているようだった。

表面だけの翻訳しか必要とせず、どこまでも中国式を押し通し、アタマから異なる価値観そのものを否定するのなら、
私達外国人が中国企業で働く意義は、一体どこにあると言うのだ??

会社もこの国もまだまだ発展途上にあって、意識改革にはまだまだ長い時間がかかることはよくわかっているつもりだが、
今さらながら、外国人が中国企業で働く難しさを感じずにはいられない。

欧米帰りの国際部トップは、最初英語ができない私の方を見ようともしなかったが、最後の私の発言は頷きながらちゃんと聞いてくれたし、指摘した問題についても検討を約束してくれた。

これで急に風向きが変わる、なんて甘いことは期待してないけど、
会社側がこの「円卓会」を開いて私達の話を聞こうとしてくれただけでも、一歩前進だと思う。
いや、思いたい

後に残った欧米人の同僚3人のうち、2人はまだ入社したばかりの若い新人。
気がついたら、私もすっかり古株の一人になってしまった

異なる文化・価値観の大きな組織の中で何をどう伝え、どう訴えていけば良いのか
今もずっと試行錯誤の繰り返しだけど、
自分自身のためにも 後に続く外国籍の同僚達のためにも そして会社のためにも
その努力をやめてしまってはいけないと思うのだ。
…しっかりしろ、自分!

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
結局ね・・・ (のぶ)
2007-03-08 22:41:10
自分がどうしたいかなんだよね。
最近よくボスが言っています。
自分自身のために努力するのはいいのですが、やっぱり自分がどうなりたいかだよね。

そろそろ、杭州も緑茶の季節だね。
では。


返信する
はじめまして (makobo)
2007-03-12 11:53:07
ブログ楽しく拝見しています。

円卓会というので、楽しい会食みたいなことを想像していたの

ですが、大変なことになったみたいですね。

はとさんは、相変わらず外人扱いされていないところが、何度

言っても聞かない中国人らしさバリバリって感じです。

外国人が少なくなっても頑張ってください。
返信する
Unknown (はと)
2007-03-15 15:42:34
>のぶさん

先週末、欧米人の2人の同僚を見送りました。
少し淋しいですが、3年半もここで頑張った彼らに心から「お疲れ様」という気持ちです。
私も今は現状維持ですが、いつかここを去る日が来るだろうな…と実感しています。

杭州は寒の戻りでここ数日寒いですが、西湖の柳も芽吹き、蘇堤の桃の花も咲き始めて綺麗です
のんびりしたくなったら、またいつでも杭州へ遊びに来て下さい

>makoboさま

コメント、有難うございます。
どうも私は「ガイジン」、じゃなくて「中国語のちょっとおかしい少数民族」くらいにしか思われてないようです…

最近欧米人の上の方の人は上海や香港に行ってしまい(やっぱり色々中国人と衝突したらしい(汗))、代わりに英語が母語の華僑が増える傾向にあるんですが、彼らは欧米人と違って自分の意見が無いのか何なのか、会社に対して何も言おうとしないんですよ…

あまりガマンしてストレス溜め込むのも精神衛生上良くないし、かと言ってヘタに不満を上に訴えたりすると、逆に思わぬ方向へ展開して更にタイヘンになる可能性もあり、どっちにしてもリスクが高くて、そのバランスが難しいです。
常識が全然違う者同士で仕事をしてるので、ある程度仕方ないと割り切るしかないんですが…

ぼちぼち、頑張ります…
返信する

コメントを投稿