ずっと読みたいと思っていた『貝と羊の中国人』(加藤徹著・新潮新書)を、一時帰国中に購入。
いつも一時帰国中に10冊くらい本を買ってくるのだが、今回はいつもより冊数が少ないので、節約(?)のためチマチマ一章ずつ読もう!と思っていたのに、面白すぎて一気に読んでしまった…
日本では近年、中国や中国人に関する本が次々と出ているけど、
大学教授や学者の書いた本は、難解で内容が専門的すぎるし、
ビジネスコンサルタントやジャーナリストの書いた本は、読みやすいけど内容が偏っていることが多いし、
反中、親中家の書いた本は、どちらも一見客観的、その実かなり個人的見解に基づく感情論が多くて、
どれを見てもちょっと、もう、食傷気味…
だいたい日本や日本人に関しても一冊の本で総括するのは難しいのに、
中国や中国人に関して、総括しようなんて言う方が不可能なんじゃないか、と思っていたところに、この本に出会った。
面白い
中国人にとっては病院の前に葬儀屋があるのは便利で自然なことだったり
列車で向かいに座っている見知らぬ人に、自分の読んでいた雑誌を断りもなくまわし読みされても気にしなかったり
上海から西へ、内陸の農村に向かって旅をすると、21世紀の現代から弥生時代(!?)までのタイムマシン旅行が楽しめてしまったり
思わず、うんうんと頷きながら読んでしまう。
著者は京劇がご専門の大学教授なのだけど、
日本と中国を地理、移民、人口、領土、漢字、ヒーローなど様々な切り口で比較・分析し、そこから現在、未来を考察されていて、その視点の斬新さ、かつ著者の博覧強記ぶりに驚かされる。
またこれだけの内容を、高校生でも読める平易な文章で一気に読ませる文章力もすごいし、
「有名な西行の短歌『見渡せば花ももみぢもなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ』は、中国人には『漁村の貧困を詠んだ社会主義的な詩』だと思われてしまう」
「中国の漢詩の名作を百首集めて中国版『百人一首』を作ったとしたら、絶対『坊主めくり』はできないだろう」
「中国の最新式潜水艦の名前(『元級』と言うらしい)に対抗して、日本の対潜水艦哨戒機の名前を『北条時宗』にしたらどうか」
「どうしても『中華』とか『中国』という言葉を使いたくない日本人は、『支那』の代わりに『震旦』という言葉を使ったらどうか。」
…などなど、著者ならではのウィットに富んだ「ツボ」に、かなり笑わせてもらった。
表題の「貝と羊」は中国人のホンネとタテマエのことを指していて、
中国において「金もうけと共産主義」や「反日運動と日本アニメブーム」が矛盾しないのは何故なのか、を読み解くキーワードとして使われている言葉。
日中の比較を通して、日本、日本人についても「目からウロコ」な部分も多く、
中国に興味のある人も、アンチ中国な人にも、中国ってよ~わからんという人にも
「中国とは何か」を大づかみに理解するための、好著だと思います。
私的には、ここ数年来読んだ中国関連の本の中では、大ヒットでした
おススメです~
いつも一時帰国中に10冊くらい本を買ってくるのだが、今回はいつもより冊数が少ないので、節約(?)のためチマチマ一章ずつ読もう!と思っていたのに、面白すぎて一気に読んでしまった…
日本では近年、中国や中国人に関する本が次々と出ているけど、
大学教授や学者の書いた本は、難解で内容が専門的すぎるし、
ビジネスコンサルタントやジャーナリストの書いた本は、読みやすいけど内容が偏っていることが多いし、
反中、親中家の書いた本は、どちらも一見客観的、その実かなり個人的見解に基づく感情論が多くて、
どれを見てもちょっと、もう、食傷気味…
だいたい日本や日本人に関しても一冊の本で総括するのは難しいのに、
中国や中国人に関して、総括しようなんて言う方が不可能なんじゃないか、と思っていたところに、この本に出会った。
面白い
中国人にとっては病院の前に葬儀屋があるのは便利で自然なことだったり
列車で向かいに座っている見知らぬ人に、自分の読んでいた雑誌を断りもなくまわし読みされても気にしなかったり
上海から西へ、内陸の農村に向かって旅をすると、21世紀の現代から弥生時代(!?)までのタイムマシン旅行が楽しめてしまったり
思わず、うんうんと頷きながら読んでしまう。
著者は京劇がご専門の大学教授なのだけど、
日本と中国を地理、移民、人口、領土、漢字、ヒーローなど様々な切り口で比較・分析し、そこから現在、未来を考察されていて、その視点の斬新さ、かつ著者の博覧強記ぶりに驚かされる。
またこれだけの内容を、高校生でも読める平易な文章で一気に読ませる文章力もすごいし、
「有名な西行の短歌『見渡せば花ももみぢもなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ』は、中国人には『漁村の貧困を詠んだ社会主義的な詩』だと思われてしまう」
「中国の漢詩の名作を百首集めて中国版『百人一首』を作ったとしたら、絶対『坊主めくり』はできないだろう」
「中国の最新式潜水艦の名前(『元級』と言うらしい)に対抗して、日本の対潜水艦哨戒機の名前を『北条時宗』にしたらどうか」
「どうしても『中華』とか『中国』という言葉を使いたくない日本人は、『支那』の代わりに『震旦』という言葉を使ったらどうか。」
…などなど、著者ならではのウィットに富んだ「ツボ」に、かなり笑わせてもらった。
表題の「貝と羊」は中国人のホンネとタテマエのことを指していて、
中国において「金もうけと共産主義」や「反日運動と日本アニメブーム」が矛盾しないのは何故なのか、を読み解くキーワードとして使われている言葉。
日中の比較を通して、日本、日本人についても「目からウロコ」な部分も多く、
中国に興味のある人も、アンチ中国な人にも、中国ってよ~わからんという人にも
「中国とは何か」を大づかみに理解するための、好著だと思います。
私的には、ここ数年来読んだ中国関連の本の中では、大ヒットでした
おススメです~
今もそうなのかはわかりませんが私のいた大学の先生じゃないですか!しかも授業受けたことあります・・・汗
癖のある先生でしたが、その頃は、まだ中国につま先ぐらいしかつかってなかったので、授業内容にも「ふーん」ぐらししか思ってなかったんですけど・・・
今この先生の本を読むと、はとさんみたいにヒットできるんだろうなぁ~~
私も日本へ帰ると、中国本に結構注目するんですけど、がっかりするものが多いので、読んでみようかと思いましたw
この先生の講義受けたことあるんですか~!?スゴイ偶然ですね!
著者のHPによると、今は東京の某有名大学にお勤めみたいですよ~。
この本は去年色んな書評に紹介されてて、なかなか面白そうだったので買ってみました。
かつての恩師(?)の著作、ぜひ読んでみてください。おススメです
すごく、わかりやすいですね。
中国に言ったことがない人とか、イマイチ中国との問題がわかってない人なんかが読むといいかもしれないですね。妙な偏見とかもないですし・・・。
でもこういう正論を読むたびに、日本の政治家やらマスコミやら教育機関やら、そういうものに疑問を感じてしまいます・・・。
著者自身も書いてますが、わかりやすくするためにあえて大づかみで論を進めているところもあって、細かく読むと「ん??」と思うところもあることはあるんですが、それでもよくここまでまとまっているなぁと感心してしまいます…。
著者の本の中には中国語に翻訳されているものもあるらしいので、この本も中国語に翻訳されて、両国の人に広く読まれてほしいと思います。