はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

裁撤与重建

2011-07-05 23:33:41 | 中国企業で働く
私の職場にとって、毎年夏は呪われている
…としか思えない事件が起こるらしい。

自分のブログを読み返して気付いたのだが、
8ヶ月の産休育休を経て復帰したのもつかの間、川向こうの僻地へ移転させられたのが一昨年の夏。
新プロジェクトの始動に伴う大移動により、苦楽を共にしてきた半数近くの同僚と別れ、業務が殺人的に忙しくなったのが去年の夏。

…そして、今年の夏は。
間もなく勤続満8年を迎えてしまう私の中国企業社員人生(冴えない…)の中で、最も大きな激震が走るなんて、夢にも思わなかった。

ナント、うちの事業部自体が突然、消滅したのである。
言っておくが、不渡りを出したわけでも、誰かに裁判を起されたわけでもない。
理由については「上の決定」としか説明されなかったので、色々推測するしかないのだが、ここでは書けない。

とにかく、残務処理にあたるわずかなスタッフを除く全員の社員に、移動が言い渡されたのである。
私を含む社員全員にその事実が告げられたのは、先週後半の某日。
それから少しの猶予もなく、今週月曜には臨時社員集会が開かれて事実上組織は解散し、社員たちは現実を受け止める時間も、今後の行き先を考える時間も与えられないまま、グループ内の別企業へバラバラに散っていくことになった。

私はと言うと、ほかの中国人社員と同じようにグループ内の、日本語と全く関係ない仕事ができるはずもない。
…さすがに上司や人事もそれはわかっていたようで、とりあえず所属は別部署に移動という形だが、残務整理にあたるように命令された。
「それでいいですか?」と一応聞かれたが、嫌でも他の選択肢はないのだから聞かれたって仕方が無い。

しかしその後聞いた上司の命令は耳を疑うものだった。
「今の業務はそのまま継続して行うこと。」「顧客や外部には解散したことを知られないように。」というのだ。
私の所属する翻訳・チェックチーム16人のメンバーの中で、残務整理にあたるよう命令されたのは、日本人2人だけ。
16人でも常にギリギリの状態で、特に忙しかった今年の春は本当に自転車操業だったのだ。

まだショックから立ち直れず、しかも行き先も決まっていない中国人社員達に比べれば、
日本人というだけで早々と行き先が決まった私は恵まれているかも知れない。
しかし約半数の戦力を失った昨年は必死に乗り越えられても、今回ばかりは最初からもう絶望的と言わざるを得ない。

もう強制的に別会社へ移らされることが決まってしまった社員の人たちは無理でも、
派遣社員の人たちだけでも残ってもらえないのか?
その疑問を上司にぶつけてみても「それは会社が決定すること。私は知らない。」という答えが。
この上司の人間性にはかなり以前から疑問を感じていたのだが、もうこの人と何を話しても平行線だろう。
彼女を通して更に上へ訴えてもらうことは、絶対に期待できないと悟ったのが、先週木曜日。

もう処理できなくて、業務がめちゃくちゃになったとしてもそれは私達のせいではなく、会社のせいだ。
突然こんな乱暴な決定を下した会社への不信感や悔しさで、もう勝手にしろと思う怒りの気持ちと、
ここまで約8年間、多くの人たちが関わり、大切に育ててきた仕事をぶち壊しにしてしまいたくない。
チームの皆のこれまでの頑張りを無にしたくないという気持ちとの間で揺れ動き、眠れない夜が続いた。
結局、色々あっても私は今のこのチームが好きだし、本当はこのメンバーで仕事を続けたいのだ。

日頃社内では存在感を薄く、できるだけ表に出ず発言もせず、なるべく人と関わらないようにしてきた私が、
とにかくなりふり構わず、時にチャットやメールでひっそりと、時に全体会議で大胆に、
へたくそな中国語を選びながら、考えつく限りの人たちに派遣社員の人たちの存続を訴えた。
この会社で平社員の私の言うことなど通るはずがないと頭ではわかっていながら、それでも何もせずにいられなかったのだ。

思いが天に通じたのか。
今朝、正式に新しい上司から派遣社員の人たちの存続が決まったと告げられた。
そして夕方、彼らと一緒に新しい所属先となる部署への引越しをし、長い人では4年以上、苦楽をともにした正社員の人たちに別れを告げた。
安堵と、別れの悲しさで、とても長い一日だった。

新しく移る先があったとはいえ仕事は残務整理なので、これもいつまで続けられるかどうか先のことは全く見えない状態。
しかも移動や離職が相次いだため、元16人のチームは来週にはわずか9人になってしまい仕事量もかなり厳しい状態なのだが、今は目先の、できることだけを考えてやっていくしかない。

ちょうど先週末には、年一度恒例の労働ビザ更新の通知が来たばかり。
来月末にはまさかの9年目に突入する前の、社内大地震真っ只中です…。

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