甲型H1N1流感

今日の新聞によると、中国でも4人目の感染者を確認。
杭州でも感染の疑いのある人が隔離されていたが、
こちらは帰宅が許された模様。

日本ではえらい騒ぎになってますが（特に関西…）、
こちらでは話題には上るものの、誰もマスクなんかしていない。
うちには一応、SARSが流行したときに実家から送られてきたマスクがあるが、
なんせ6年前のものなので、いざというときに使えるかどうか…。

中国でも新型インフル感染の疑いがあると、即、隔離されるのだが、
「隔離」＝「タダメシ、タダホテル」をあてこんで、自ら感染者だと通報する人もいたりして、
どうにもこうにも、緊張感というものに欠けている気がする。

…というか、
中国の場合、新型インフルよりももっと気をつけなければいけない伝染病がいっぱいあるので、どうにも危機感が湧いてこない
のである。

その１：Ｂ型肝炎
ユキの予防接種で配られたパンフレットによると
中国で毎年新たに発病するＢ型肝炎患者は、50万人。
…くどいようだが、50人じゃなくて、50万人である。
ユキはあと一回、予防接種に行かなければいけないのだが、
私も受けようかと真剣に考えている。

その２：手足口病

今年に入ってから大流行し、今は収束に向かっているそうだが、
11万5000人以上が感染し、死亡者数は50人（政府発表）だそうである。
患者の大多数は3歳以下の幼児、ということで、とても他人事とは思えない。

その３：狂犬病
もう一つの人口大国とともに、狂犬病による死者の多い国：ワースト1位、2位を争っている中国。
発症者は毎年約3000人。致死率はほぼ100％、だそうである。
犬に対する予防接種は数年前から必須になったそうだが、
恐ろしいことに人に対する予防接種は必須ではない。

中国ではニセモノワクチンも出回っているという噂だが、
…これもユキと一緒に、お金を払ってでも受けるかどうか検討中。

中国衛生部の発表によると、
法定伝染病の感染者：毎月30万人。
毎年、じゃなくて毎月、である。
上位３位はＢ型肝炎、肺結核、梅毒。

法定伝染病による死亡者数：毎月700人以上。
…くどいようだが、毎年、じゃなくて毎月、である。
上位３位はエイズ、肺結核、狂犬病。

エイズ、梅毒は普通に生活してればまず大丈夫だと思うが、
Ｂ型肝炎と狂犬病と肺結核は……？

そういえば昔、「中国で汚いお札やバスの手すりに触ると、肝炎が伝染る」という
話を聞いたことがある。
「屋台の食べ物から肝炎が伝染した」という実話も聞いたことがある…。
肺結核って、確か飛沫感染したような…。
そういえばツベルクリン検査って、中学生のとき以来、したことない！

はっきり言って、
中国では法定伝染病のほうが、新型インフルよりよっぽどコワイ。


そんなわけで、
新型インフルに対する危機感が、どうしても湧いてこないのだった…。