夫の体調記録~がんばろっ!~

お気楽夫婦だったのに・・・悪性リンパ腫と闘った夫、妻の日記

血漿交換2回目の11日~13日のこと

2006-10-22 23:21:10 | 夫の体調記録
■10月11日(水)

今日はどうだろうと、ドキドキしながら
午前中のうちに病院に行った。

昨日と変わらない羽ばたきをしている。

でも、白血球は1200に上がっている!
1,000を超えた!!嬉しいっ。

先生がおっしゃるには
1200かそれ以上が3日間続けば、今日この日が生着日となるそうです。

今日は、CRPも2.9に下がっている。
昨日が6.6で徐々に下がってきていたので、2.9なら
ステロイドの効果だろうか、炎症が抑えられているのかな、
なんかホッとする。

主治医の説明では、ビリルビンは昨日30台だったのを
血漿交換で10台に下がったけど
今朝は20台に上がったので
また今日も血漿交換をしておく、とのことでした。

それは循環(血圧)への負担になる不安もあるけれど
どうか悪い毒素を排出して、
どうかアカオさんの肝機能が自力で上がれるように
悪いものを出して欲しい、切に願う私は早く願った。

このビリルビンが憎らしい。
この数値さえよくなれば
意識障害も徐々に治るのではないか?
白血球がせっかく上がっているのだから
どうか内臓の方の悪化は押さえてもらいたい。


とにかく私はアカオさんのそばにいて
一生懸命励ます。
「肝機能が自力でよくなるように、
 悪い血漿を捨ててきれいな血漿を入れてもらうからね。
 薬も抑えて肝機能が自力で頑張れるように
 アカオさんも意識をしっかりもって頑張ってね。
 体力温存してね。」
アカオさんは私の説明をよく聞いていたから
だから頑張ったのだと思う。
一生懸命しっかりと対応していた。

先生からはアカオさんは貧血気味なので
ヘモグロビンを輸血します、とのこと。
血小板、赤血球の輸血量はこの後も増えた。

今日も血漿交換後は少し落ち着いていい感じ。
目の焦点もしっかりあってきて、はっきりしている。


そういえば10月に入ってから
「日本茶が飲みたいな」と言っていたので
4日に急須とお茶を買って来て飲ませた。

「美味しい」って言っていた。

4日以降、お茶を飲む日が続いた。
飲むといっても一口か二口すする程度。
でも自分でしっかりコップを持ってすすっている。

香りがするせいか、「美味しい」って言っていた。
口内炎がひどく荒れているから
本当は辛いんだろうけど。。。


この11日もお茶を入れた記憶がある。
「お茶飲みたいな~」って言ってたから。

それがアカオさんにとって最後に口にしたものだった。(水以外で)






■10月12日(木)

この日は自力での数値をみるために血漿交換はお休みの日。
先週から主治医には
病院にきたらその都度状況説明するので、とのこと。
それだけ明日が読めない、毎日が変化するそんな一週間ということであり、
何せ症例の少ない稀なタイプの悪性リンパ腫で
臍帯血移植後なので
先生達にとっても危ない綱渡りのさじ加減の微妙な慎重な時期なのでしょう。


私は思うのだけど、
先生達の医療のプロフェッショナルな技量で山を乗り越えてるけれど、
それだけではなく、
アカオさんの生き抜くという強い信念と意力の頑張り、
この二つのバランスで山を乗り越えている気がする。
アカオさんは凄い!

この12日(木)は穏やかな一日でした。
よく眠っています。本当によく眠っています。
きっと羽ばたきで筋肉使うし、連日疲れていたんだと思う。
時々起きて、私とコミュニケーションはとります。
その時の焦点はしっかり合っています。
だから昨日よりいい感じ。
なんか日に日によくなる気もする。

冗談だって言っている。
明るくひょうきんにしている。

今日も白血球は1,200.
そしてCRPは2.1とさらに下がっている。

それをアカオさんに伝える。
白血球も上がっているからね、いい感じだよ。
あとは肝臓が頑張ってくれるといいね。
頑張ろうね。

そうやって私はアカオさんのお腹や背中、足をさすったり
マッサージする。

苦しそうなのはなんといってもお腹が腫れていること。
こないだ足のむくみもなくなってきたと思ったのに
また少しずつむくんでいる気がする。


■10月13日(金)

 白血球は960。少し下がったから心配したけど
 看護婦さんに言わせると1000を切ったと言っても960ですから
 大丈夫ですよ。

 とにかく出血が多い。
 だから輸血も相変わらず大量に続いている。
 アカオさんはそれを心配そうに見ているから
 私はちゃんと説明してあげる。
 貧血気味だから輸血するんだって。
 一回ずつ、血小板だよ、次は赤血球だよ、とその都度説明する。
 だってアカオさんはちゃんと何をどうするかを気にしているし
 ちゃんと見ているんだもの。
 先生や技師や看護婦さんが来るたびに
 目をしっかり見開いて確認しているんだもの。
 今何をしているのか、自分はどういう治療を受けているのか。

 早く帰ろうという叫びは徐々にしなくなった。
 私が
 「しっかりここで治してからだよ。
  ここは病院だよ、優秀なプロの先生達がいるから、
  ここでしっかり治してから帰るよ。中途半端はだめでしょ。」
 そういうと
 我にかえり、しっかりと理解して
 また頑張る!という意思表示をする。


今日は午前中早い時間は穏やかだったけど
正午直前くらいから意識混濁とし痙攣がまた始まった。
また焦点が合わなくなってきた。
2~3日前みたいに戻ったような状態。

朝行ったら口中に血がいっぱいだった。
鼻や喉の血管が傷ついて出血したらしく
血の塊が喉に引っかかっているせいか
呼吸が荒い。
つまり出血をし、血小板が少ないから血が止まりにくい。
で、結果として息苦しくなっている。
輸血はさらに倍の量に増えた。

息苦しさのせいでまるで喘息のように呼吸のたびに音がする。

今日は血漿交換をした。3回目だ。

血漿交換後は少しずつまたしっかりしてきた。
説明すれば理解するし、しっかりと手を握り返してくれる。

とにかく自分の意識はしっかりある。

私はアカオさんの胸に顔をうずめる。

「しっかりしてね!
 きっとアカオさんを助けるからね!
 私がついてるから大丈夫だよ!
 ちゃんと一流の先生にお願いしてるんだから!
 苦しいだろうけど、頑張って乗り切ろうね!!」


アカオさんはきっと私のこの言葉を理解していると思う。
手を握ってくれるし、
私の顔をなでて
「だいじょうぶだよ」そう言っているようだった。

「俺は大丈夫だよ。死なないから。」

きっとそう言って慰めているに違いない。

確かこの日か前日だったか、
「早く帰って寝なさい」って言ってくれていた。

たとえ自分がどんなに苦しくても
優しい気遣いをする、そんな夫でした。


夜は病室の照明も暗くし、二人でゆっくりした。
私は面会の最後の時間8時までそばにいた。
アカオさんは苦しそうで、もう水も飲めない状態だし
本当に苦しそうだし、お腹が張ってとっても辛そうな日が続いている。

意識混濁として不安がって動くけど
「どうしたの?夢を見てたのね?大丈夫?大丈夫だね。」
と言うと
はっと目覚めたように「うん」とうなづいて静かになる。

そういえば白血球が上がってからは痒みはないようだ。
薬で炎症も抑えられ熱もないので
ここ何日かは楽そうだ。
とはいっても苦しそうだけど。



本人は白血球が上がっていることを励みに
頑張っている。
だから感染しないように、という私の呼びかけに忠実に
手を清潔にしたがる。
目や鼻や頭をよく掻いていたけど
目や鼻をいじらないように
無意識に伸びる指を、その直前で押さえたり
自分の中で気をつけている。

数日前から
目の周りが傷ついていた。
乾燥なのか切れている。
で、自分から薬を頼んでいた。
とにかく気をつけている。

この日あたりかちょっと前だったか、
「お腹が痛いから薬を頼んで」って言っていた。

はちきれそうにパンパンに張っているお腹。
本当に怖かった。

14日以降のことは
また落ち着いたら書きます。

とにかく毎日が
明日がわからない、そんな無我夢中の一週間でしたので
記憶が前後しています。



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