夫の体調記録~がんばろっ!~

お気楽夫婦だったのに・・・悪性リンパ腫と闘った夫、妻の日記

前処置が始まる

2006-09-18 02:12:34 | 夫の体調記録
久しぶりの投稿。
それもそう、お店の事務所で使っていたメインのPCを
今住んでいる部屋に移動したのが9月10日。
8日には光を開通させておいたのに、
そのパソコンが開かない!移動とは関係なく、こんな時に限って壊れた。
どうやらチップがはずれたらしい。
そんなこんなや、アルバイトやら病院やらで
ノートパソコンでネット接続させるのにちょっと時間がかかってしまった。。。


■9月13日(水)

 主治医から移植の説明を受ける。
 少し前に聞いたのだけど臍帯血は水曜日に送られ、
 その後こちらに届いて調べて、
 いよいよ週末から移植のための前処置を始める、 と。

 13日(水)、午後3時頃より二人で説明を受けました。
 先週後半には体調も良かったアカオさんでしたが
 月曜日ごろからまた調子が優れなかったのです。
 薬を変えてまた少しよくなったので
 説明を聞く部屋まで歩いて移動しました。
 (混んでいたのでエレベーターで別の階の部屋まで行った。)

 いい状態の臍帯血がアカオさん用に入る、と。
 前処置は、1週間。
 骨髄の中を空っぽにするために強い抗がん剤を入れる。
 5日間のうち、強烈なのが2日。あとはそれよりは軽いもの(といっても強い)。
 その後、2日間放射線。
 そして移植。

 臍帯血移植なので、通常より生着するのに時間がかかる。
 よって白血球がゼロになる期間が長いので感染症にかかる確率も高い、と。
 その他のリスクについても説明を受ける。
 まずは生着するまでの約20日間の第一難関。
 つづいて その後の数日間の第二難関、そして第三の難関。
 時期によって、それぞれのリスクがあるということ。

 まったく話を聞いていると恐ろしくなることばかり。
 
 しかしどうにもならない。
 主治医が言うには、患者さんの様子を常に見ながら
 事前の対応など、さじ加減での治療が肝心になるらしい。

 そう!ここまできたらプロの腕に信頼を寄せ
 その邪魔にならないよう、つまり注意事項を守り
 精神面で安らかに強くもち、頑張るしかない。

 言いなりになるという意味ではなく、
 具合はどうだ、気分はどうだ、こんな状態だ、あーだ、こーだと
 自分自身の状態を常に医師に伝え、医師のさじ加減に協力すること。
  
 ただ単に「おまかせします」だけではダメだ。
 どういう風にまかせるのか、自分の体内情報(検査のデータだけではなく)を
 できるだけ伝えてこそ、プロもいい仕事ができるってものよ。
 料理人だってそうでしょ。お客様に「プロにまかせます」とだけ言われても
 そのお客様の今望む食べたいもの、味の好み、量の加減などは、
 何かしらコミュニケーションして
 言ってもらった方が作りがいがあったでしょ?!
 それと同じよ。ドクターだって医療の専門職人、プロなんだから
 お客様情報(患者の体調具合)を検査のデータだけではなく
 コミュニケーションでどんどん口で伝えてもらった方が
 さじ加減しやすいってものでしょう。

 なーんて話をその後アカオさんにしてみた。
 
 勝手な私の話だけど、アカオさんは少し安心したみたいだった。 
 実際はドクターは血液検査など確かな数値での判断で
 治療を調整するのだろうけど、
 患者側のメンタルな部分を考えると、
 アカオさんに前向きに強気になってもらうために
 自分も治療に参加する、自分でも治すんだ、という気持ちも
 強気にさせるかなー、なんて、、、、勝手な私の想いだけどね。

 だってアカオさんは説明の途中で顔が青くなって深刻な顔になって
 とってもかわいそうだったんだもの。
 それはそう、私だって泣きたいくらいだったし、
 うそでしょー、そんなリスク!と机や壁を叩きたくなるような
 逃げ出したくなるような、そんな怖い話だったんだもん。
 本人はどれだけ辛いことか。。。

 だから、せめてそれを少しはやわらげるように

 「大丈夫よ、先生はプロなんだから!ここは一流なんだから。
  安心してあとはプロにまかせて挑みましょう。」

 「あれ?顔蒼くなっちゃってー。怖いの?今さら?」

 と、茶化して笑ってみせた。ごめん。
 恐怖のままではもっと体に悪い気がしたから。。。


 その日は部屋に戻っていろいろ話した。
 でもアカオさんはなんか少し軽くなっていた。
 もう、潔く覚悟を決めたのだろう。


■9月14日(木)

 前処置の前日。夕方面会に行ったら部屋が変わっていた。
 昨日の主治医の話では、無菌室ではなく個室で
 クリーンベッド(大型の空気清浄機を枕元に設置しているだけですが・・)で
 行う、とのことでした。
 私がなぜ無菌室ではないのか?無菌室はいっぱいで
 ベッドが空いてないのか?と不安で質問したら、
 それもあるし、また、無菌室といってもこの病院の場合は
 クリーンエリアみたいな感じで、
 そのエリアにも大部屋(4人部屋)と個室があって
 いずれにしても自分のことは自分でやらなければならないので、
 例えばトイレも自分で行かなければならない。
 でも今のアカオさんの状態は体力もなく常に看護士が必要なので
 無菌エリアより、ナースセンターの目の前の個室の方がいいから、
 ということでした。

 というわけで、個室(2人部屋だけど今のところアカオさんだけ)で
 前処置と移植を行う。

 その代わり面会は基本的には親近者のみで短時間、という制限。


 明日から前処置、というこの日、
 アカオさんは「喫茶室に行ってコーヒーでも飲もうよ」と
 明るくご機嫌だった。
 点滴は4本も5本もたくさんつけているけど
 初めての喫茶室への散歩だった。
 明日からしばらく部屋から出られない、ということもあり
 行ってみたかったのだろう。

 嬉しそうにご機嫌で移動したけど、
 充電切れでサイレンが鳴ってしまってうるさいので
 ケーキセットを食べている途中で
 すぐに部屋に戻ってきた。

 それでもアカオさんはご機嫌だった。
 なんか気分が晴れ晴れというか、気持ちも軽い感じ、、、。

 私がいないとき、看護士さんに私の話をしたり
 銀座の話をしたり、随分いろいろ話をしているらしい。

 高熱もおさまり、むくみもとれ、腎臓昨日も少しよくなって
 体が楽なのだろう。
 
 部屋が移って、やっと窓の外の景色が見えるようになったのも
 少しは気分がよくなった要因だろうか。

 ここのところは、移植前の体調維持のために
 ステロイドを使っている。

 
 いよいよ移植のための前処置に挑む。